第2回「満次郎の会」は前代未聞の昼夜(同一演目)2公演!
そしてそれに花を添えるスペシャルゲスト!
ポッドキャスティング特番で対談にまで出演していただいた、観世流の東西プリンスが一調一管の「謡」で殴り込み!(←ウソ)
ワクワクのボルテージが上がりっぱなしのまり子でしたが、期待に違わず東西の両プリンスは、お二人とも素晴らしい謡を聴かせてくださいました。
まり子は、ご縁があって宝生流の(喜多流だったかもしれなかったが)お稽古を始めるようになってからお能を観始めたので、まずはお勉強、とばかりに宝生流のお能ばかりをなるべくたくさん観るようにしてきました。
そうなると、耳に馴染んだ宝生流がベスト、他流は違うトコロばかりが目につくので、積極的に観に行きたいなんて、全く考えられませんでした。
わかりやすい典型的な、アンチ他流、のタイプでしたなぁ。(^m^;
だから、この日までに片山清司師のおシテだって、観世喜正師のおシテだって、拝見したことがあったのに、まり子の脳はさっさとそれらの記憶をお片付けしてしまっていました。(^m^;
しかし最近、他流もイイなぁ、と思うようになってきました。
きっかけは大鼓をお稽古してる友人の発表会。
ナント、素人が必死に打つ大鼓をバックに、各流儀シテ方の一流ドコロが謡うは舞うは…!
しかも素人の発表会だから、入場無料!
この時シミジミと、他流もイイもんだなぁ…、と思いました。(←遅いっ)
宝生流との違いも、むしろそれこそが味わいだぁ、と納得したまり子…。b(-_-)
そこにもって来て、ポッドキャスティング特番での、東西のプリンス達の素をかいま見るようなインタビュー!
ワクワクするなって方が無理なお話しです。
前置きが長くなりました。m(_ _)m
一調一管というのは、お能の後半の、本来だったらシテが舞うトコロを笛と打楽器で聞かせ、その前後のシテ謡と地謡の部分を、ひとりで謡って聞かせる、というものでした。
最小ユニットで能を魅せる、そんな感じ。
「何も足さない何も引かない」というキャッチフレーズのCMがありましたが、まさにそれであります!
「昼の部」の「葛城」は、笛と太鼓と西の片山清司師。
京都のお客様は息のうねりのような謡を好む、っておっしゃってましたが、ああ、こういう感じが息のうねりなのかなぁ…、といつの間にかそれに酔っている、まり子。
観世流の謡は割とハイトーンですが、良く考えるとそのなハイトーンをキープし続けて謡うのは、ものすごくエネルギーを必要とするんでしょうね。
そのエネルギーが、人恋しいけれども自分からは打ち解けられない、内には熱いものを秘めるシャイな葛城の女神の声となり心となり、また片山清司師自身ともなって、舞台に雪の葛城山を描き出しました。
「月白く、雪白く」…、雪明かりで舞台がぼうっと明るくなったようにも思えて、気付いたら涙が…(@_@。)
いつの間にか静かに夜は明けて、葛城の女神は雪の中に消えてゆきました。
「夜の部」の「安宅」は、笛と小鼓と東の観世喜正師。
どこの本だったか、観世喜正師の弁慶が血気に逸る仲間を背中で押し止めているシーンの写真を掲載していて、それが非常に印象的で…。
だから「安宅」はピッタリ~ (^o^)v、と思ってましたが…。
はい、ぴったりでした。
そして、宝生能楽堂を揺り動かさんばかりの、圧倒的な声量!
弁慶の「虎の尾を踏む心地」がびしびしに伝わってきます。
隙を見せた方が斬られる、そんな緊迫感が能楽堂の隅々まで支配しました。
スゴイ…。
無事に安宅の関を越えると、緊張がとけた見所からは、大きな拍手が…。
こうして東西のプリンスの、昼夜公演での色合いの異なる「一調一管」は、感動のウチにあっという間に終わってしまいました。
あ~、今思い出すと、一緒に辰巳満次郎様の「一調一管」も聴きたかったナ~と思うのは、まり子だけではないはずです。
そして、片山清司師と観世喜正師のお能が観たいっ、と思ったのもまた、まり子だけではないでしょう。
リッチでゴージャスなひとときを、アリガトウゴザイマシタ。
まり子
