十月度五雲会の感想の続き…「春栄」 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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こちらは、不休で普及に励む宝生流グレート能楽師の辰巳満次郎先生♥に「惚れてまったやないかぁ~!」なファン達が、辰巳満次郎先生♥と能楽の魅力をお伝えしたいな~、と休み休み、熱い思いをぶつけるブログです。

まり子です。

辰巳満次郎様が京阪神巽会で獅子奮迅の活躍をなさっていた日曜日、
まり子は家でお留守番をせねばならず、おかげで久しぶりに
「笑点」なぞ見てしまいました。

♪チャッチャカ スチャラカッ チャッチャ♪

そしたら、久しぶりにヒロシが出てきました。まり子は実はヒロシ好き♪
芸風は全く変わらず(むしろアッパレ?)あの物悲しいメロディーに乗せて
自虐ネタ全開♪

ヒロシです…。
消えそうなお笑い芸人リストにさえ、名前が載っていません…。

ウケました。(^。^)♪
なのでパクってみました。

まり子です…。
正面席の割とイイ所が空いてラッキー♪と思ったら、「黒塚」の後シテが
柱に巻き付く見せ場が、目付柱にすっぽり隠れて見えません…。
(・_・。)

お粗末なジョーダンはさておき、まり子は「春栄」を拝見するのは、
確か今回で三度め。

実はけっこう出る曲…、というかちょうど似合う年頃の子方クンがいる時じゃないと
出せない演目なんでしょうね、きっと。

(だから最近けっこう出てるのかな?)

子方クンにもそれなりの謡もあるし、演技?も要求されるし…。

「春栄」は実は子方の役の名前、シテはそのお兄ちゃん役です。
今回の(確か前回も出てた)子方クンは中学生ぐらいかな?
もう、シテの小倉伸二郎師と同じぐらいの背丈があります。
でもまだ顔が幼い少年なので、見た目は春栄役にピッタリ

またシテもまだ若いので子方との年齢差も比較的少なく、
兄弟の設定が見た目にも納得できます。

しかし今回のシテは、見た目だけじゃなく、迫真の演技が素晴らしくて…
感動♪しました。

だいたいお能で4番目に分類されるものは、けっこう現在物(当時のリアルタイム)
で、割とお芝居チックな演目が多いです。
そういう演目は、やっぱりお芝居として観たいし、大袈裟は困るけどそれなりに
感情を込めて演じてくれなかったら、ホントに面白くない… (-゙-;)。

シテの小倉伸二郎師は、その要望を十分満たしてくれまして
ホントにヨカッタです~♪

まだ幼い弟の春栄が、合戦場で兄が目を離した隙に見失い、
敵(頼朝軍)に捕らえられてしまった…。
たとえ目を離したの、我が身に刺さった矢を抜く間のことであったとしても
兄としては悔やんでも悔やみきれなかったのでしょう。

もしかしたら、春栄は初陣だったのかもしれないし…。

傷が癒えた兄は、まもなく斬首に処せられる弟を何とか助けられないものかと
居ても立ってもいられずに、会いに出かけます。

春栄を預かっている高橋氏は、春栄が自分の亡くした子に似ているので
これも何かの縁と、もし赦免されたならば養子にしたいと思っていたので
兄が訪ねてくると、快く迎えます。

しかし当の春栄は、あれは兄の名を騙った家来だから会う必要はない
と面会を拒否。

しかしそれは、罪人の自分の兄だと判れば、きっと捕らえられて処刑されてしまう
と思った春栄の必死の芝居…。(ノ_・。)

兄は幼い弟がそんな気遣いをしているとは読み切れず、高橋氏の機転で対面した弟が
頑ななままなのが情けない、この場で自害せん!と切腹しようとします。

ここ!

シテの演技でね~、兄の気持ちがね~、がんっ!って伝わってきてね~
・・・・・泣けました・・・・。

この後、兄弟は打ち解け、兄は幼い弟一人を旅立たせる訳にはいかないと
一緒に刑を受けることにし、斬首されようとする、まさにその時、

ちょっと待ったぁ~、鎌倉からの早打ちだぁ~!

タイミングが生命のこの早打ち、チョイ役ながらもワキ方の大事な(重い?)
役なんだそうですよ。

かくて春栄も兄も赦免され、春栄クンは高橋氏の養子に、めでたしめでたしの
酒宴が続くのでした。

いや~、ヨカッタです。

今までの中で、ベストワン「春栄」です。地謡も熱かった~♪


まり子キスマーク