今週末は吉田城の薪能で辰巳満次郎様おシテの「鞍馬天狗」がありますね♪
いらっしゃる方は楽しみですねぇ、イイなぁ~、羨ましいことでございます。
それで、8月7日は一月遅れの七夕(今年の旧暦の七夕は8月16日だそうですが)
ですね。お天気に恵まれ、満点の星の下、素晴らしい薪能の一夜となりますように。
ところでお能の「鞍馬天狗」って実際はどんなお話なのか、お能を見たことのある人・
お稽古したことのある人ならばご存じでしょうが、それ以外の方は
あんまりご存じないかもしれませんね。
ちなみにまり子は、個人稽古に通いだして二番目の謡のお稽古が、
この「鞍馬天狗」でした。
そこで老婆心ながら、ここでちょっとだけ、「鞍馬天狗」についてのアレコレを
ご紹介いたしたいと思います。
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場所は春爛漫・桜も見頃の鞍馬山。山伏姿のシテがいきなり登場する所から、
このお能は始まります。
シテはなんと、直面(ヒタメン=素顔)です。
(キャ~、コワ…


ホントはこの山伏、鞍馬山の大天狗。
実は下心…、じゃないある意図があって山伏姿になってやってきたのです。
軽く自己紹介すると、すぐに後見のところにクツロギ
(客席に背中を向けて座ること。舞台から居なくなったというお約束になり)ます。
西谷の桜が見ごろだからおいで~、という知らせを受けて、東谷の僧(ワキ)が、
牛若(子方)を先頭に、花見の稚児達(人数は不定、大勢いると華やか)をゾロゾロ
連れて全員が橋掛リに並びます。
この「花見の稚児」って現在のプロの能楽師の大多数が子方デビューで
経験する役になってますね。
(辰巳満次郎オフィシャルHPのプロフィール欄には特に書いてなかったけど。)
実際プロのオフィシャルな舞台なんかでの花見の稚児達は、プロの身内
(お父さんが能楽師とか、親戚が能楽師とか)のお子様たちが勤めます。
だから、稚児に相応しい年齢のお子様たちが揃わないと「鞍馬天狗」って
舞台にかけられないんですよね~。
今年の一月の宝生月並能で、まり子は初めてフルバージョン「鞍馬天狗」を拝見しました。
ワキ正面にて、またまたお隣にまる子チャン

この席だと「花見の稚児」のお子様達がじっくり観察、いや拝見できるからです。
いや~ん、カワイイ~、カワイイ~

これが初舞台のお子様達は、おめめをまんまるにして立ってます!
一番小さい子が何と3歳!
一番大きいお兄ちゃん(牛若)の半分しか背丈がありません。
(詳しい事は、なるほどがってんポッドキャスティングの
「4月の宝生 シテ方インタビュー」を聴こう!)
「鞍馬天狗」ってこういうお楽しみもある、お能なんですよ~。
ところで、今回の吉田城の薪能では、地元の「こども能楽教室」のお子様達が
出演なさるそうですね。
ご家族やお友達は、楽しみが倍増ですね♪ ワクワク♪
しかぁし、ここでひとつ、まり子からお願いがあります。
(吉田城薪能の主催者も観客にアナウンスして欲しいですが…。)
たとえ身内の方であっても、許可されていない方が見所から、
デジカメや携帯で写真撮影(フラッシュがたけちゃう!)や動画撮影をすることは、
ご遠慮、いや決してしないでいただきたいのです。
「花見の稚児」でご出演なさっているのが、身内だったりお友達だったりすると、
誇らしく、その舞台での晴れ姿を我が手で記念に残したい!と思うのが
当然の気持ちだと思います。
しかし、これは「有料」のプロの舞台です。素人のお子様達とは言え、
この瞬間だけはプロの一員として舞台を務めているのです。
まり子は以前、某能楽堂のプロの演能会で、将来プロになろうと志しているに
違いない子方クンの舞台を、子方クンの身内の方が周囲の迷惑も顧みずバシバシと
フラッシュ付きで写真を撮っているのを見たことがあります。
非常にガッカリ&ムカつきました

この行為は、シテをはじめとする舞台を支えている能楽師の方々に失礼極まりない
だけでなく、舞台に立っている愛しい身内のお子様をも貶めることにもなります。
なぜなら、そのお子様は誇りを持って、子供ながらプロとして舞台を務めているからです。
お子様が誇らしげに立派に舞台を務めているなら、それをそっと見守ってあげて下さいませ。
写真や舞台映像は後から、主催者経由で届けられるはずです。
どうぞ、どうぞ、重ねてよろしくお願いいたします。
アララ、こんな事書いてたら長くなっちゃいましたわ。
また、続きます。
まり子
