久々の活字・・・とりあえずリハビリ?のため、軽めの村上エッセイです。
雑誌anan連載エッセイをまとめたもので、これは2冊目。
前回、「村上ラヂオ」として読んだ1冊目は、どうでもいいことが書いてあるなあと
思いつつも楽しく読み終えました。
今回も面白かった・・・面白かったのですが何かこう今の私の心情に訴えるものがあり
意外にも!?しみじみと最終的には読み終えました。
新年の目標に「愚痴は書かない」と書きました。
もちろん、私にもイライラすることは日々ありますし、愚痴もあります。
でもそれは書かない。
怒りについてもそうだし、悲しいことについてもそうです。
普段の生活でもできるだけそうあろうと思っています。
その手のものはあとで読み返すとものすごく恥ずかしかったりするでしょう。
そうでもないのかな?
が、少なくとも私はそうなのです。
だからとにかくひと呼吸置くことにしています。
そうするとどうでもよくなっちゃうの。
書かずにおいて、本当に良かったとあとで思います。
もし愚痴を書いたり、苦境を訴えたらば共感してくれる人もあるかもしれないけれど、
そういうこと(共感とか)を私はあまり必要としていないかな。
なかなか100パーセント同じ思いの人なんていないから、
せっかくのご好意による同情とか同意をストレスに感じてしまうこともあるのです。
人それぞれですから、そう書くことでスッキリすることもあるのはわかるし
大変だったね、とか頑張ったね、と言われることで満足する方もいることでしょう。
私の見る限りそういう(ある意味)率直なブログの方が間違いなく、
ブログワールドでは人気があるみたいな気がします。
わかりやすいことは多くの人にとっては重要な要素ですからね。
ただ私はそういうことを、単に良しとしないだけですので
批判だとかなんだとか短絡的な誤解をくれぐれもなさいませぬように。
ま、そんなことあれこれ考えているとブログなんて書くことなくなっちゃうんですよね。
そういう中で本やら映画の感想の中に実はひそかにメッセージを入れたりしている
わけですが、それを感じ取ってくれる方がいたらとても嬉しいし、でもわからなければ
わからないでそれでいいや・・・と納得もしています。
あはは、ちょっと面倒な人間ですかね。
でもやはり私は人を煩わせることや、感情をありのままにぶつけることが苦手だし、
いつも書いているように、説明してまで多くの方の理解を得たいとも思わない。
わかってくれている人がひとりいればそれで十分。
昔からなぜかカマってちゃん系が周りに集まりがちなので、誰かに煩わされることは、
年中ありますケドね。それが反面教師になっているのかもしれないなあ。
ブログとして好きなのは、だから趣味のことなどを淡々と書いている方のものですね。
人間生きていればいろいろあります。何もないはずないのです。
それを書かずにおける方は、男女問わず心から尊敬申し上げます。
ま、直接の感想ではないのですが、この本読んだことがある方ならわかるかなと思う。
村上春樹が心がけて書かずにいることには大いに共感覚えます。
おちゃらけたり、脱力しきった感のある文章の端々に見え隠れする村上春樹の
物事に関する考え方、特に文学との距離感をやはり私は好きだと思う。
小説も良いけど、エッセイはより一層良いですね。
文章のウマさにも毎度のことながら唸らされます。
このエッセイ読んで、じ~んとする人間も珍しいと思うけどさ・・・
でも今日の私の心にはなんだかとても沁みたのでした。
気になったのは、イラスト担当の大橋歩さんによるあとがき。
この方だって、イラスト業界の大御所で、村上春樹よりも長く、そして
それなりの実績を重ねてきた方なのに、なんだか村上春樹を「権威」に
してしまっているような書き方がちょっと嫌だった。
謙遜も謙譲も、それが過ぎるとこれもまた美しくないものだなあと思いました。
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