「ゴーマニズム宣言・差別論スペシャル」  小林よしのり | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

こちらも久々の小林よしのり作品。
雑誌SPA!だったと思うけど、連載時に読んでとても印象に残っていた
テーマでした。もう20年と少し前のことですが・・・。
単行本でも持っていたので、すでに既読の部分と今日新たに目にする部分、
ほんの1章だけのつもりが、面白くて結局一気に読んでしまいました。

片隅とはいえ東京で生まれた私が、同和問題の存在を知ったのは
ずいぶんあとになってからで、古レコード屋さんで買った「関西フォークの
歴史」というアルバムか、高野悦子さんの「二十歳の原点」のいずれかが
きっかけだったと思う。

初出は先にも書いたとおり20年以上前になるし、その間よしりんの
言動もいろいろ変遷があったようだから、今このことについてよしりんが
どのように考えているのかはわかりませんが、やはりこの時点での力作だと思う。
個性が強いし、マンガという手段を通すと文章よりも表現が過激というか
一方的になってしまうこともあると思うので、勢いに負けないように
読み取る必要もあるけど、アンタッチャブルな話題を取り上げる気力には
拍手を送りたいと思う。

同和問題だけでなく、マスコミの言論自主規制についても詳しく書かれていて
興味をひかれた。
不自然な言葉の差し替えは不愉快に思っているので。
でも差別以外にも本当に多くの問題を誰もがおかしいと思っているのは
間違いないのに、ちっとも変化を感じられないのはなぜなんだろう?といつも思う。



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