男というものは、誰かに望まれたらそれを叶えるのも生き様の一つだ。
そこで例の彼である。
そういう意味でこの男は裏切らない。毎日通ってウォッチしてた甲斐があった。ついに、と言うか、早々にやらかした。
俺「そばでお願いしまーす!あ、紅生姜天は別皿でおオネシャス!」
佐「別皿ですね!わかりましたー!」
2〜3分後
佐「朝そばに紅生姜店のお客様〜」
出てきたそばに紅生姜天が載っていた。
俺「これ俺のですかね?えーと、別皿でお願いしていましたが?」
佐「………(ジッとそばを見る)」
からの10秒後、キレ気味で廃棄。
もしかしたら俺が「いいよいいよ、それで」と言うのを期待してたのかも知れない。可能であれば、俺だってそうしてあげたい。だが、この組み合わせに限ってそれは許されないのだ。そういうギリギリの組み合わせなんだよ。
この温かいそばに載せた紅生姜天が溶けたところを想像してみ?そして、例えるならば、かけそばに紅生姜が撒き散らされる様をそうぞうしてみ?何度か試したんだけど、ハッキリ言って不味い。
ただ、天ぷら単体で食べると本当に美味しい。または、そばでも冷やがけならオケ。溶けないからね、天ぷらが。
冷やしはこんな感じね。
しかし、彼がキレ気味に廃棄したのは、また違う理由があると思う。それは言うまでもなく俺の存在だ。
先日書いた彼のミスは、さすがに看過できないことだったのでWEBサイトから運営会社に報告しました。気をつけてくれと。ところがこんな返事が来たわけよ。
この返信を頂いてコーヒー吹いたわ。そこまで大袈裟な話じゃないので、そのような対応は望んでいないとすぐに返信したんだけど、彼はきっと指導されたんだと思う。
そして、苦情の主が俺だって知ってるのかも?
「あいつまた来たよ」
くらいに思ってることだろう。
仕事ができない奴の、仕事やお客さんに対する意識なんてそんなもんだ。たまに聞かないか?「あの客ムカつく」とか。
もっとも、彼がそう思ってるだろう、というのは俺の推測に過ぎないけどね。でも、そうじゃないとあのキレた顔や入店時の俺を睨みつける顔は説明がつかない。もしかしたら、自分の不甲斐なさにキレてのかも知れないとも思うけど、そこは本人しかわからん。キレた態度で廃棄していただけは確実だけどな。
しかし、これだけ短期間の間に、俺が認知しただけでも、これだけのミスを犯している。さすがにミスが多すぎる。信じられないほどに多い。
食べ物のミスは、場合によっては人の命すら奪いかねない。そこに気付かないと、いつか重大なミスをやらかすと思う。
なお、今日も食べに行ったのだけど、今日は見ている間だけで2件の調理ミスをしていた。客の捌きも悪い。同じメニューを頼む人が多いわけだが、例えば
「朝そばのお客様〜」
って呼んだら、何人も来るわけよ。人気店の人気メニューだからね。それを平気でやっている。そして、彼自身、順番を把握せずに適当に呼ぶからカウンターで揉める。毎回な。
もう一度書く。
出す度に毎回揉める。
そんで、客がみんな大人なもんだから、どうぞどうぞと譲り合ってかえって渋滞が起きている。それを起こしてしまうのが彼の仕事の結果だ。忙しい人たちにとっては迷惑である。
できる店員さんは、バックオーダーが溜まっている時に同じ食券を受けた時は、来た順に券にマジックでナンバリングしてそれをお客さんに伝え
「朝そば2番のお客様〜」
などと呼び出すようにしている。これが普通だろ。
この店は、街の中だけでも4店舗ある。郊外まで含めたらもっとある。そろそろ違う店にしようかな。いくら何でもこんなにミスが多いんじゃ、ネタ的に楽しむより不快感の方が大きいのよねぇ。
人生、仕事が全てではない。むしろ仕事なんて人生を豊かにするための金を稼ぐ手段に過ぎない。しかし、そこに真剣に向き合えない人は、人生を豊かにできるはずがあろうや?
と、彼を見て思う次第。