こんにちは。
mizukiです



中学1年生 支援級在籍
軽度知的障害(IQ55〜60)
ケーくんと、
姉のネー子、パパとの
静かな日常を書いています
続きです。
足が止まったケーくんを
半ば無理やり連れて行った
その日の下校、
正門で待ちました。
「給食のあとで帰りたそうなら
ケータイに電話をもらえたら
すぐに迎えに来ます」
そう、先生に伝えていました。
ケーくんにも、
もし帰りたくなったら
先生にお願いして電話をしてもらうよう
伝えました。
でも、電話はきませんでした。
正門に着くと、
生徒たちがポツポツと下校を始め、
その後はラッシュの駅のようになるので
昇降口まではなんとなく行けず
門の前でみんなの様子を
ボーッと見つつ待ちました。
かなり経ってから、
ケーくんが元気に走って来ました。
当然のようにわたしと合流すると
ニヤニヤしながら足早にあるき出します。
どうやら、クラスメイトから
逃げていたよう…。

「…おかえり、ケーくん。今日はどうだった?」

「んー」

「よかった?」

「良かったよ。」
「ママに電話こなかったよ。5時間目までいれたんだね」
「紙ヒコーキつくった。」
「へえ!」
「理科だった。おもしろかったよ。」
「給食は何だったの?」
「さあ、何だったでしょうか!」
あー、もう、忘れてるな…

「ママきらーい」
きたきた…
すぐに人が
考えていることを察する。
それにこれは、
根に持ってるな…

「なによー。なんでよー」

「すーぐ怒るし」
だよねー、そうだよね。
昼に学校へ送った時のことだね。
こわばった顔で、
手を強く握って、
よくわからないことをワーッと話されたら、
まぁ、そうなるよね…
『優しく、短く、分かりやすく』
が鉄則なのにね。


「こらー!ケー太!!ダメでしょ!!って?」


「そうじゃないけどー…」
側溝を歩いたり、走ったり…
テンションが上がっていて、
落ち着きがないのが分かります。

「明日はどうする?予定どおりお休みで大丈夫?」

「うん!休む!今日頑張ったし。勉強もした!」

「うん!お疲れ様。よくやったね。
休むことは先生に言っておくね。」

この2日間、
ほんの少しの時間でも、
登校することができました。
それは、
登校することが目的ではなくて
ケーくんの学校に対する捉え方を、
変えていく一歩のため
と思っています。
小学校までは、
「友達と会って楽しく過ごしておいで。
給食たべておいで。仲良くね。」
で済んでいたけれど、
(悩みは、仲良くできないことでした)
中学生になって
ケーくんの中で、
「学校は、できないことを見せつけられる場所。辛い場所」
になっていました。
大人であっても、
こういう自尊心が保てない環境に
毎日、強制的に
通わなければならないのは、
大変にツラい事です。
ケーくんには、
学校はそれとは違うと知ってほしいと
どうしても、思いました。
だって、3年生まで
あんなに楽しそうに
毎日通っていたから…。
人が好きで
仲間が好きで
皆との楽しいことが好きで
知ることが好きで
好奇心いっぱいのこの子に
その頃の気持ちを、
否定してほしくありません。
学校は、自分の可能性を広げるところ。
決して、耐え忍んで過ごす場所ではありません。
たとえ知的障害があっても
人の中にいることで、
劣等感を抱えなくても良いんだよって。
できないことは、
補い合えばいいんだよって。
それを分かってほしくて…
早めに転籍して、
きちんとした支援を受けることを
選んできたつもりでした。
その方法が
ケーくんにとって
良かったのかは
分かりません。
でも…、
ケーくんは、今は
分からないかもしれないけれど、
何度も何度も
本当にずっと、くり返し
いつでも何度でも、
言葉でも、
体験でも、お手本でも、
伝えていかなくてはならない。
その一歩に、
今回はなれたかな、と思います。
あとは、ムリした分だけ
好きなだけ母を罵っておくれ。
どんな新しい語彙が出るか、
ママは楽しみにしてるから。


こんなこと言うと
また、
「ママきらーい」
と、言われてしまうな…。
そうこうしていると、
携帯に着信がありました。
学校からです。