The Modern Sound Of Betty Carter | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和6年6月20日(木)
The Modern Sound Of Betty Carter(★★★★★)
ノスタルジ度(★★★★★)
ジャケット(★★★★☆)
ジャンル:Jazz Vocal


Side 1 
1.What A Little Moonlight Can Do
2.There's No You
3.I Don't Want To Set The World On Fire
4.Remember
5.My Reverie
6.Mean To Me

Side 2
1.Don't Weep For The Lady
2.Jazz (Ain't Nothin' But Soul)
3.For You
4.Stormy Weather
5.At Sundown
6.On The Alamo

Betty Carter(vo), Richard Wess(arr, cond)

Recorded 1960
Released by ABC-Paramount – ABC 363(mono)/ 東芝音楽工業株式会社 – IPP-88028(stereo)

昨日の日の入りは19時13分で変わらず。
今朝の日の出も4時43分で変わらず。
今日は三ヶ月眼科検診で関西医大に行く日だ。
終日の曇り空で涼しくて良かった。

ベティ・カータの60年録音。
オリジナルはABCパラマウント、これは東芝の72年復刻盤。
後ろを振り向いた横顔がいいジャケットだ。
これもプロモ盤で音はよさそうだ。

中低域に膨らみのあるとても豊かな音である。
ベティ・カータは二枚しか持っていなかった。
節回しが小粋で気に入っている歌手だ。
今回やっと三枚目が手に入ったので嬉しい。

ベティのアルバムは少ないので
なかなかお目に掛からない。
このアルバムは古い曲をたくさん歌っていて実に素晴らしい選曲だ。
ベティが30歳の録音である。

48年にベティはライオネル・ハンプトン楽団の専属歌手になった。
ハンプトンはスイングから脱却してビバップを演ろうとしていた。
それで“ベティ・ビバップ・カータ”という名前を付けた。
ベティは憤慨してハンプトンの下から去ったそうな。

ビリイ・ホリデイはベティのことをたいそう褒めていたようだ。
ベティのストレートで広い声域の発声がホリデイは好きだったらしい。
ホリデイとはちがうアプローチの歌唱に魅力を感じていたのだろう。
それでもホリデイの節回しに影響されたようなフレーズがあるのが面白い。

さらっとした表現の中に乙な小節が入るところがなんとも小粋である。
こういう歌唱はベティの威力である。
ホリデイが褒めるのがよく判る。
これはベティのいちばん良いアルバムだ。