The Great Big Band / Woody Herman | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和6年4月7日(日)
The Great Big Band / Woody Herman(★★★★★)
ノスタルジ度(★★★★★)
ジャンル:Swing Bigbamd


Side 1 
1.That's Right
2.Music To Dance To
3.Keeper Of The Flame
4.Early Autumn
5.Lemon Drop
6.Sonny Speaks
7.Lollypop
8.Not Really The Blues

Side 2
1.More Moon
2.Opus De-Funk
3.Where Or When
4.Captain Ahab
5.Sentimental Journey
6.I Remember Duke
7.Cool Cat On A Hot Tin Roof

Woody Herman(cond, cl)

Recorded 1948~1955 
Released by Capitol Records – CR-8038(mono) / 東芝音楽工業株式会社 – T-20809(mono)

昨日の日の入りは18時22分だった。
今朝の日の出は5時35分だ。
薄曇りの朝だ。
近所は桜が満開でウグイスの初鳴きが聞こえている。

ウディ・ハーマンの48年から55年の録音。
オリジナルはキャピトル、これは東芝の復刻盤。
伝統の赤盤である。
ジャケットをよく見ると細かな格子模様が付いていて“監獄入り”みたいだ。

“That's Right”はおそろしく高速でかっ飛ばす演奏だ。
テリイ・ギブスのヴァイブが尻尾に火の付いた猫みたいにすっ飛んでいく。
痛快きわまりない演奏だ。
40年代スイングを聴くとわくわくする。

何と言ってもこの全身が“笑顔”にあふれる演奏が最高だ。
50年代後半になると、この素朴さが消えていくのが無念なり。
オンガクが前へ進むのは当然だが
眉根に皺を寄せるような苦悩が出てはいけない。

“Early Autumn”のスロウ・バラードは新しい方向性が滲む演奏だ。
終盤のスタン・ゲッツやズート・シムスの演奏にクールな印象がある。
たしかに“クール”時代の洗練されたJazzはいいものだ。
でも40年代のあっけらかんとした笑顔のJazzには勝てない。

どちらがいいか、などと比較するのは野暮である。
どちらもいいのである。
どちらが好きかと言われたら、アタシはもちろん40年代の底抜け笑顔だな。
若者にはなかなかこのよさは理解できまい。

アタシも学生時代は、40年代のスイングやトラッドはいいとはおもわなかった。
要するに何も判っていなかったのである。
若者はそれでいい。
だが、判らないからと逃げてはダメだ。

若者の内は何でも謙虚に体験せねばならぬ。
アタシは誰にも叱られないのをいいことに
好き勝手ばかりしていたのでちっとも進歩がなかった。
やはり先達の意見は大事なものである。