Kenton In Hi-Fi / Stan Kenton | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和6年4月1日(月)
Kenton In Hi-Fi / Stan Kenton(★★★★★)
ノスタルジ度(★★★★★)
ジャンル:Big Band, Swing


Side 1 
1.Artistry Jumps 2:38
2.Interlude 3:06
3.Intermission Riff 4:15
4.Minor Riff 3:03
5.Collaboration 2:40
6.Painted Rhythm 3:04
7.Southern Scandal 3:06

Side 2
1.The Peanut Vendo 4:36
2.Eager Beaver 3:24
3.Concerto To End All Concertos 7:04
4.Artistry In Boogie 2:38
5.Lover 2:33
6.Unison Riff 3:11

Stan Kenton(p, cond), Bill Perkins, Jack Nimitz, Lennie Niehaus, Skeets Herfurt, Spence Sinatra, Vido Musso(sax), Bob Fitzpatrick, Carl Fontana, Don Kelly, Kent Larsen, Milt Bernhart(tb), Don Paladino, Ed Leddy, Maynard Ferguson, Pete Candoli, Sam Noto, Vinnie Tanno(tp),  Ralph Blaze(g), Don Bagley(b), Mel Lewis(ds)

Recorded Feb. 1956. in Hollywood
Released by Capitol Records – W724(mono)

今日から四月だ。
いよいよ寒気は去り、爽やかな春の日が始まる。
昨日の日の入りは18時17分だった。
今朝の日の出は5時44分だ。

スタン・ケントンの56年録音。
キャピトルのオリジナル盤である。
橙と黒地を斜め切りにしたジャケットがとてもいい雰囲気だ。
このところケントンがたくさん入手でき、やれ嬉しや。

のっけから“Artistry Jumps”で豪快に飛ばしてくる。
次いで“Interlude”でぐっと重厚に演るあたり、さすがのケントンである。
ケントンのピアノはベイシイやエリントンとはまたちがって
鋭く斬り込むことはない。

ブラスとよく調和するピアニズムだ。
ここでベイシイのような正宗ピアノで斬り込むと浮いてしまうだろう。
また、エリントン楽団のような重量感を出さずに
軽快なスイング感を出すのがケントン楽団のよさだ。

そこが50年代でも都会的な雰囲気を醸し出している。
ゴリゴリと力で押すのではない。
軽やかなフレージングに洒落た雰囲気を纏わせるのがケントン流である。
ハリウッドの華やかさがそのままに出ているアルバムだ。

カンザスではこの洒落た味わいは似合わないし、
ミューヨークには軽すぎる。
アメリカという国は広大でいいねえ。
一度暮らしてみたい国の一つだ。