令和6年3月4日(日)
Jazz Studio 1 / Paul Quinichette (★★★★☆)
ノスタルジ度(★★★★★)
ジャンル:Swing, Bop
Side 1
1.Tenderly 22:19
Side 2
1.Let's Split 14:45
Frank Foster, Paul Quinichette(ts), Benny Green(tb), Joseph Newman(tp). Hank Jones(p), Sir Jonathan Gasser(g), Edward Jones(b), Kenny Clarke(ds)
Recorded 1954
Released by Decca – DL 8058(mono) / テイチクレコード株式会社 – JDL-5027(mono)
昨日の日の入りは17時54分だった。
今朝の日の出は6時22分だ。
薄曇りの小寒い朝を迎えた。
今日は曇り空が続くようである。
ポール・クィニシェット・オクテットの54年録音。 オリジナルはデッカ、これはテイチクの発行年不詳盤。
とても雰囲気の良いジャケット・デザインだ。
VINYLは持ち重りのする重量盤である。
針を下ろすと、リード部でチリ・ノイズが出るがしばらくすると消える。
重量盤だけあって、中域のエネルギイ感にあふれる素晴らしい音だ。
ピアノの高域も良く伸びていながら透明感と厚みのある音である。
さすがテイチクである。
アタシは国内盤で一番だとおもうのは東芝。
二番がテイチク。
あとはアルバムによりけりだ。
90年代になると音のよいVINYLが増え、メーカーの差が僅かになってきた。
70年代の一部の国内盤にはエネルギイ感の充実したカッティングが見られる。
だが、カートリッジに依る部分も大きいから
一概にどうこうとは言えぬ。
それでも、このテイチク盤は同社盤の中でも傑出している。
このアルバムは両面共に1曲だけのロング・プレイになっている。
スタジオ・ライブという雰囲気でまことに素晴らしい。
表面の“Tenderly”ではクイニシェットのテナーが圧巻だ。
ベニイ・グリーンのボーンが小気味よい。
アタシとしてはケニイ・クラークのタイコがオフ気味なのが残念だ。
54年のデッカ録音なのでタイコをオフ気味にしたのは時代のせいである。
シンバルの高域が遠すぎるが、このバランス自体は悪くはない。
なんといっても中域に艶と輝きがある。
このツヤはデッカとテイチクならではである。
力感があってもギスギスと乾いた音に録られたらどうしようもない。
けっこうそういう録り方をする会社はあるのだ。
VINYLはCDと違って暖かみのある音質を出すのはお手の物だ。
CDにはギターの高音を艶のある甘く豊かな音色に録るのは苦手なところである。
アタシは充実したテイチク盤に久々に出逢って
とてもわくわくした。
春を後押しするテイチク盤、やれウレシや。