The Late, Late Show / Dakota Staton | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和6年2月23日(金)
The Late, Late Show / Dakota Staton(★★★★★)
ノスタルジ度(★★★★★)
ジャンル:Swing jazz Vocal


Side 1 
1.Broadway
2.Trust In Me
3.Summertime
4.Misty
5.A Foggy Day
6.What Do You See In Her?

Side 2
1.The Late, Late Show
2.My Funny Valentine
3.Give Me The Simple Life
4.You Showed Me The Way
5.Moonray
6.Ain't No Use

Dakota Staton(vo), Van Alexander(cond), Hank Jones(p), Jonah Jones(tp)

Recorded 1957
Released by Capitol Records – T 876(mono) /  – DT 876(stereo)

昨日の日の入りは17時5分だった。
今朝の日の出は6時35分だ。
今朝も雨降りだ。
青空が恋しい。

ダコタ・ステイトンの57年録音。
オリジナルはキャピトル、これは65年の復刻盤、
残念ながらステレオ盤で、Duophonicなどと書いてある。
Duophonicとはキャピトルが61年に開発した疑似ステレオ加工のことだ。

片チャンネルだけ数ミリ秒だけ遅延させる方法で、実に不届きな手法である。
疑似ステレオなどと言わずにインチキ・ステレオと言ってもらいたい。
キャピトルはこのインチキ・ステレオ録音を70年頃まで平気で使っていたが
保管しているマスタ・テープが本物のステレオとインチキとが混ざってしまう結果になっちまった。

とは言え、針を下ろしてみるとそんなに悪くはない。
“Stereo”と表記せずに“Duophonic”と正直に書いたのはいいことだ。
モノーラル録音を電気的な操作により“Brilliant New Two-Cannel Sound”
に加工することに成功した、なんて書いてある。

日本では楽器ごとに左右に振り分ける、おそろしく変なミクシングがあった。
ステレオ録音の初期には、左右の位相を入れ替えるなんてギミックも登場したがね。
そういうのより、こちらの方がずっと素直だ。
無理に左右に広げたりせずに自然な雰囲気があるのがよい。

ダコタ・ステイトンの歌唱はややベタではあるが表現力が抜群だ。
スモールコンボではないオケ伴の演奏なのでDuophonicには向いている。
ちょいと“新技術”を使って復刻したということか。
モノーラル盤と聞き比べてみたいものである。