Chamber Jazz / Laurindo Almeida | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和6年1月11日(木)
Chamber Jazz / Laurindo Almeida(★★★★☆)
ノスタルジ度(★★★☆☆)
ジャンル:Jazz, Latin


Side 1
1.Dingue Le Bangue 4:14
2.Unaccustomed Bach 7:17
3.Odeon 2:02
4.Bourree And Double 3:56
5.Melissa 3:23

Side 2
1.You And I (Voce E Eu) 5:12
2.Claire De Lune Samba 4:59
3.Chopin A La Breve 4:12
4.Turuna 4:17

Laurindo Almeida(g, arr), Bob Magnusson(b), Jeff Hamilton(ds)

Recorded 1979
Released by Concord Jazz – CJ-84(stereo)

今日から七十二候は“水泉動(しみずあたたかをふくむ)”。
寒気の身に染みる真冬、陽射しがいちばん恋しい。
昨日の日の入りは17時4分だった。
今朝の日の出は7時5分だ。

ローリンド・アルメイダの79年録音。
コンコルドのオリジナル盤である。
噴水に腰掛けたジャケット。
上に被さるのはマンゴの木の葉っぱのように見える。

チェンバー・ジャズというと、室内楽のイメージがあって
アタシはあまり関心がなかった。
ウィンダム・ヒルやECMからいくつかのアルバムが出ていたが
アタシゃ手を出す気にはなれなかったね。

ラテン系のギタリストにもあまり惹かれはしないけれど、
ローリンド・アルメイダは何枚かアルバムを持っている。
掛けてみるとなかなか爽やかな心地がしてヨロシイ。
フラメンコ・ギターなどは派手で激しいものが多いが、このアルバムは穏やかだ。

どこかもの悲しい旋律は子供の頃の古い記憶を呼び覚ます。
武蔵野の雑木林や麦畑を駆け回って遊んだ小学生の頃が
脳裏に蘇ってくるのはなぜだろう。
その当時に買ってもらったソノシートにこんなギター曲があったような気がする。

嗅覚、味覚、聴覚といった感覚は古い記憶と結びついている。
風に乗った一瞬の匂いに、はるか昔のおもいでが蘇ったり
口にしたスパイスの香からありありと昔の食堂の映像が浮かび上がったり
ラジオの音楽から幼児の時分の記憶が呼び覚まされたりする。

ローリンド・アルメイダのアルバムは
無邪気だった小学生の記憶と繋がって
冬の今頃には空っ風に電線がヒュウヒュウ鳴っていたことまでおもいだした。
音楽には不思議な力がある。