s'Pacifica/Johnny Spencer And The Kona Koasters | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和2年8月16日(日)
s'Pacifica/Johnny Spencer And The Kona Koasters(★★★★☆)


Side 1 

1.s'Pacifica    2:17
2.Hawaiian War Chant    2:27
3.Drifiting Sand    1:52
4.Marcelle Vahini 2:07
5.Monsoon    2:03
6.Sting Ray    2:00

Side 2
1.Temptation    2:00

2.Kona Tide    2:42
3.Se Ulai    2:00
4.Pulupe Nei Ili I Ke Anu    2:00
5.Kilauea    2:12
6.Maui Rain    2:50

Johnny Spencer(p, vo), 'little Joe' Kehauoha(ukelele, vo, ds), Solomon 'Babalu' Davis(congas, bongos), Gil Brown(b), George Paoa(vo,ds) 

Recorded 1959
Released by Imperial ‎– LP 9076 / 日本ビクター IMP-5020

早朝から日差しのつよさには呆れた。
今日も日中は40度近くまで上がると言うから笑うしかない。
洗濯物がパリパリに乾くのだけはありがたい。
今日は終日、おとなしくしておこう。

ジョニイ・スペンサ率いるコナ・コースターズの59年録音。
オリジナルはインペリアル、これはビクターの国内盤。
貼り合わせのペラ・ジャケで“ハワイアン・ムード”と書かれた帯に
60年代の香りがする。

岩礁の風景はたしかにパシフィック・オーシャンという雰囲気だが
このジャケットではハワイアン・ムードとはほど遠いのが可笑しい。
いかにものどかな時代のVINYLである。
これは150円という破格の値段で手に入った。

持ち重りのする盤はモノーラル録音である。
胴間声の歌に鳥の声が混じるがそれは後付けである。
パーカッションがラテンぽく、まったくハワイアン風には聞こえぬ。
スチールギターなどはなくピアノとパーカッションが主体だ。

このバンドはいったいどういう連中なんだろう。
ギターも入ってはいるがロカビリイ調でちっともハワイアンではない。
ボサノバ・スタイルの演奏も出てきてバックに波の音と鳥の声。
すばらしくヘンテコでイカレている。

パフォーマンス気味のパーカッションもヘンテコである。
裏面の“Temptation”は獣の声が響くジャングルの中で
なぜか陽気にラテン・パーカッションときましたよ。
“Kona Tide”の曲名に期待したらシンバルの連打で波を表現とは…。

単純なパーカッションに胴間声で入ってきたのはヨーデル…。
ううむ、手強い。
彼らは何かとても大きな勘違いをしているのではないか。
いったいどこが“ハワイアン・ムード”なのだ。

盛夏の朝にこのジャケットはまことに似合っているのに
針を下ろすと見事に期待を覆す演奏に目が丸くなる。
これは今年の“キテレツ”アルバム第一候補だ。
アタシは熱暑に浮かされているのではとジャケットを見直しました。