The First Times.../Frank Sinatra | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和2年8月13日(木)
The First Times.../Frank Sinatra(★★★★★)


Side 1 

1.Golden Earrings    
2.You Call Everybody Darling    
3.Pistol Packing Mama    
4.I Found A New Baby    

5.You Can't Be True Dear

Side 2    
1.I'm In The Mood For Love    
2.A Lover Is Blue    
3.I'll Dance At Your Wedding    

4.Long Ago And Far Away    
5.My Shining Hour    

(青字はYoutubeあり)
Frank Sinatra(vo)

Recorded Feb. 15, 1943 on "The Lucky Strike Hit Parade"
Released by Cameron ‎– 5003

今朝もよく晴れて強い日差しだ。
散水のついでに家の前の道路にも水を撒く。
ほんのひとときだけの涼。
今日もことのほか暑くなるだろう。

フランク・シナトラの43年にラジオ放送になった音源の復刻盤。
録音日は不明だが音源の放送日は43年の2月15日と判っている。
発行したのはキャメロンで音源はおそらくCBS。
キャメロンは70年代になってシナトラの最初期の音源を何枚か復刻している。

音源は“Your Hit Parade”という35年から53年までラジオ放送されていた
ラッキー・ストライク社がスポンサになった番組である。
そのため“The Lucky Strike Hit Parade”とも呼ばれていた。
50年からはテレビでも放映されるようになった。

毎週土曜日の晩に、その週で最も売れた曲がかかるという番組だ。
実際には人気や売れ行きを正しく集計したものではなく、
プロデューサの意向に沿って放送されていたようだ。
このあたりは世界何処の国でも同じなんだねえ。

シナトラの歌手デビューは35年にニュージャージの地元バンドの
“ホーボーケン・フォア”のメンバーとしてだった。
39年にハリイ・ジェイムス楽団の専属歌手となりメジャー・デビューした。
40年にはトミイ・ドーシイ楽団に移籍している。

42年にラジオ番組のレギュラーとなったことで
ソロ・デビューとなったのである。
だからこのアルバムはシナトラがソロで歌い始めた当時の
貴重な音源なのである。

音質はかなりひどい。
ラジオ放送で用いたテープというより、
ラジオ放送をエアチェックしたテープなのかもしれぬ。
高音はおもいきりカットされていて鼻声になっている。

演奏の終わりに歓声と拍手が入るからスタジオ・ライブだろう。
ひょっとしたらSP盤をもとに放送していたのかも知れない。
ヒット・パレード番組だからその可能性もあるし、
生演奏をテープ編集したものだったかもしれない。

想像しながら聴くのは愉しいものだ。
シナトラのクルーニイ・スタイルの伸びやかな声は
雑音だらけの音源でもまことに魅惑的である。
逆にノスタルジックな味わいがあって陶然とする。

キャメロンは簡素なジャケットで出しているが
ここはもう少し商売気を出して欲しかった。
当時のシナトラの写真はいくらでもあるだろうに
このジャケットではあまりに残念である。