The Uncollected Les Brown & His Orchestra | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和元年5月17日(金)
The Uncollected Les Brown & His Orchestra, 1944-46(★★★★★)


Side 1  
1.Leap Frog - Theme  1:59
2.Invitation To The Blues  2:05
  Vocal :  Doris Day
3.Just A Gigolo  2:31
4.Man With A Horn  2:15
5.I Can't Help It  1:46
  Vocal :  Doris Day
6.Flip Lid  2:30
7.Lou's Blues  1:49
8.Lover's Leap  2:21

Side 2
1.Sentimental Journey  2:52
  Vocal :  Doris Day
2.Ready To Go Steady  2:51
3.12:55 Express  2:04
4.A Kiss To Remember  1:49
  Vocal :  Doris Day
5.I Can't Believe You're In Love With Me  2:27
6.I'm Making Believe  2:01
  Vocal :  Doris Day
7.I've Got My Love To Keep Me Warm  2:06
8.Paper Moon  2:14

Doris Day(vo),  Les Brown(arr, cond, cl), Mark Douglas, Steve Madrick, George Weidler, Joe Crosswaite(as), Evan Aiken, Ted Nash, Nich Rivello(ts), George Weidler, Joe Crosswaite(cl), Warren "Stumpy" Brown, Dick Gould, Dick Noel, Kenny Miesel, Warren Covington(tb), Bob Higgins, Don Jacoby, Ernie Englund, Jimmy Zito, Randy Brooks, Tony Faso(tp), Geoff Clarkson(p), Hy White(g), Bob Leininger(b), Dick Shanahan(ds) 

Recorded Aug.1. 1944, Jan. 31, 1946. in New York City
Released by Hindsjght Records HSR-103

ドリス・デイが5月13日に肺炎のため自宅で亡くなった。
4月の誕生日は元気に迎えたそうだが5月に体調を崩した。
97歳だったから大往生を遂げたと言うべきだろう。
冥福を祈りつつ今日はドリスを聴こう。

アタシはドリスが大好きだ。
米国には女性歌手がたくさん居る。
アタシにはその大勢の中でもドリスとジョニがダントツの双璧である。
二人ともJazzだけを歌う歌手ではないところがよい。

ドリスは独逸系移民のため、本名は独逸風である。
Doris Mary Ann Von Kappelhoffという本名は
ストリッパみたいで嫌だったそうだ。
たしかにカッペルホッフでは歌手向きではない。

オケ・リーダをしていたバーニイ・ラップが1938年頃に
“ドリス・デイ”と芸名を付けた。
ドリスがオケ・オーディションで歌ったのが“Day After Day”だったから
というたわいもない理由だがドリスは気に入っていたらしい。

このアルバムは44年から46年にかけて
ドリスがレス・ブラウン楽団で録音したものだ。
彼女はブラウン楽団と専属歌手の契約を結び、ツアーにも参加していた。
アタシが持っているドリスの一番古い時期のアルバムだ。

ヒンドサイトが77年に再発したアルバムである。
音源は古いものだが再発時に新たな手を入れたようで
目の覚めるようなすばらしいカッティングである。
ドリスが22歳ごろの歌声が5曲入っている。

初々しく溌剌とした発声が何とも言えぬ。
ダンサーを目指していたドリスは交通事故で脚を痛めて
ダンスを諦めて歌のレッスンを受けるようになった。
それが新たな才能を開花させ、彼女にとってはよい結果になった。

このアルバムはブラウン楽団のインスト曲がダンサブルなので
ドリスにとっては忸怩たるおもいもあったかもしれぬ。
歌手としての人気が出始めてドリスは自信を付けたようだ。
それが物怖じしない若者らしい歌唱になっていて実に素晴らしい。

女優としての活躍はめざましいものがあって
実に多くの映画作品を残しているが
アタシが一作も観ていないのはイメージが変わるのがコワイからだ。
だが、そろそろ映画作品も観てみようか。