Erroll Garner Plays For Dancing | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和元年5月16日(木)
Erroll Garner Plays For Dancing(★★★★☆)


Side 1  
1.Stompin' At The Savoy
2.Cheek To Cheek
3.Frenesi
4.Sweet Sue - Just You

Side 2
1.Indiana
2.Body And Soul
3.Oh, Lady Be Good! 
4.Easy To Love

Erroll Garner(p), John Simmons, Wyatt Ruther(b), Shadow Wilson, Fats Heard (ds )

Recorded 1950~1953
Released by 日本コロムビア ZL-1112

からっと晴れて爽やかな朝だ。
庭木の若葉が朝日に輝いている。
ドウダンツツジの若葉が横に拡がり
緑が瑞々しい。いい季節になってきた。


エロール・ガーナの50年から53年にかけての録音を集めたコンピ・アルバム。
これは日本コロムビアの10インチ盤である。
米コロムビアのいくつかの録音から片面4曲ずつ選んでいる。
データがきちんと書かれていないのでよく判らぬアルバムだ。

ペラペラのジャケットではあるが盤はがっちりしている。
期待して針を下ろしたらやけに音量が小さい。
しかもまったくラジオ・レインジのLo-Fi盤ときた。
ちょっとがっかりだが、聴き始めるとどんどん引き込まれていく。

もう、録音なんぞどうでもよくなる。
カッティング・レベルの低さなどボリュームを上げれば済むことだ。
上も下もすっぱりと切り取られた中域だけの音は
AMラジオを聴いているとおもえばよい。

ガーナ節全開の演奏はオンガクの楽しさと歓びに満ちあふれている。
ベースとタイコはうんと遠くで控えめに演っている。
ガーナ御大のソロ演奏みたいなものである。
なのにワン・マン・バンドのイヤらしさがないのがいかにも御大らしい。

畢竟、オンガクは愉しければそれでいいのだ。
遙か天上の高みに誘うオンガクももちろん素晴らしいものだが
Classicの一部のアルバムにはあまりの美しさに
躯が緊張してくたびれてしまうものもある。

ガーナの演奏には哲学的なあるいは形而上の気分は無縁である。
常にガーナの横にはミューズの化身が
ごろごろと喉を鳴らしている。
襟を正してスピーカに対峙するオンガクはやはり愉しくはならない。