怒り薄めて | 満願寺窯 北川八郎

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九州、熊本は阿蘇山の麓、小国町、満願寺窯からお送りするブログです。
北川八郎の日々の想いや情報を発信してまいります。

「光る足」

1999年2月から2000年12月まで百回にわたって毎週火曜日 熊本日日新聞のコラム「ワラブギ談義」の原本を10年ぶりに開きました。当時53才~55才。当時から伝えていることは変わりなく その心を読み返したく連載します。


2000・4・11 no63



先日も怒りは当然 と思っている人の訪問を受けた。その方は 初めて怒りは体にも悪いと知ったと頭をかいておられた。怒ると家族が縮みあがり恐れてゆくのが小気味よい。その割には気分の悪い状態が続くことが不愉快だったという。


そんな時 肉料理や刺身や味の濃い食事が欲しくなり 太り 体重をもてあまし不快ながらその習慣を受け入れていた。当然血糖値は上がり汗が多く心臓は重い。腸にポリープもでき 手術し再び怒りの世界に入ってゆく。この繰り返しに少しずつ疑問を抱き始めていた。


家族も怒りやすくなり 仲の良い時と喧嘩の時の量が逆転してゆき イライラが家中に募り始めていたらしい。これは空気中に水分が満ちると霧になり 雲となり雨となるように 怒りによる悪感情の高まりが体調を崩し 家族関係と対人関係をギスギスしてゆくのは自然の法則なのだ。


怒りやすくなれば うまい物を欲し味の濃い食事が病を呼び込む。怒りの中での食事は消化能力を落とし胃と腸を痛め 細胞の反乱を促す。私は心配性で 怒ったり不安にとらわれると胃が痛くなり下痢が始まる。


舌は怒りの中にあると酸性食品を「うまい」と感じ 動物性の食を求め始める。心が安定すると 粗食で体に良い物をおいしいと感じ 野菜に香りと癒しの作用があることに気づく。怒りを抑えるのではなく 薄めてゆこう。蒸気機関車のように小刻みに怒りを発散してゆこう。きっと家族に笑みが戻り 家が楽しくなるだろう。


私は気が小さく 怒りやすいことを知っている。だから今生 怒りに気をつけている。