ボランティアの輝き | 満願寺窯 北川八郎

満願寺窯 北川八郎

九州、熊本は阿蘇山の麓、小国町、満願寺窯からお送りするブログです。
北川八郎の日々の想いや情報を発信してまいります。

「光る足」

1999年2月から2000年12月まで百回にわたって毎週火曜日 熊本日日新聞のコラム「ワラブギ談義」の原本を10年ぶりに開きました。当時53才~55才。当時から伝えていることは変わりなく その心を読み返したく連載します。


2000・3・24 no60



夕方 八階の共同湯に入った。共同湯には黒塗りの車の所有者と思われる大勢の中年の男性たちが体を洗っていた。皆 体格がよく 大きな声でその年のセールスの売上高を言い合っていた。その人たちの背中や お腹や胸のあたりに大きな手術跡があるのに気づき驚いた。きっと よく稼ぐ分ストレスも大きいのだろう。ほとんどの人が体のあちこちを手術していた。


先週 仲の良さそうな若い夫婦が訪ねてこられた。奥さんがボランティア活動から生まれる喜びについて語ってくれた。彼女がボランティアをしていて苦しむのは 友人や母や祖母が「時間をかけて奉仕をして無料なんて何と無駄なこと 理解できない」と批判される時だという。その度に深く落ち込み「やめようか」と悩む。けれどボランティアの仲間に会うと また生き生きとして 心がすっきりし食事もおいしいという。


「私はバカらしいことをしているのだろうか」。いえいえ あなたはお金と同じ生きるエネルギーを得ているのです。確かに具体的にお金を得てはいない。博多の男性たちを見るといい。競争の中で稼ぐ分傷つき 大金が病院代に消えてしまう。無料だけど明るく健康になれるならば あなたは入院しない分 病院代以上の収入を得ているのと同じなのです。良きエネルギーは健康とお金となって返ってくる。ボランティアで良き友と優しい心を得られる。なんと輝かしいことだろう。 

以前 博多のシティホテルに宿泊した時 駐車場で黒塗りの高級車に囲まれて圧倒されたことがあった。その日の宿泊客はどんな一団なのだろうと興味をもった。