大津秀一著（緩和医療医＝終末期医療の実践医） 発行：致知出版社
その25章の中から一部抜粋
・延命治療について家族と話し合っておくこと
４ 治療の意味を見失ってしまったこと
・「ただ生きること」が最上の目的なのか
５ 自分のやりたいことをやらなかったこと
・自分の気持ちに嘘をつかずに生きて来たか
６ 夢をかなえられなかったこと
・そのために全力を尽くせなかったこと
13 故郷に帰らなかったこと
・断ち切れない故郷への思い
17 会いたい人に会っておかなかったこと
・会いたくても会えなくなる前に
22 自分の生きた証しを残さなかったこと
・生きた証は何かしらあるが、総括をしておかなかった
23 生と死の問題を乗り越えられなかったこと
・自分の生が、死が、意味あるものでありたいと思う
24 神仏の教えを知らなかったこと
・「来世」の持つ癒しの力
25 愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと
・素直になることが実はいちばん難しい
22章で、こんな手紙が紹介されていました。
これは、17歳で、白血病で亡くなった女子高校生の手紙 です。
これが私の出す最後の手紙であるかもしれないのに、
本当に何を書いたらいいのかわからない。
今生の別れの言葉は何がいいのか思いつきやしない。
私はもう一度生きたい。
病気を克服してもう一度生きたかった。
ありがとう。
私のために泣き、苦しみ、疲れ、身を捧げんとしてくれた人たちへ。
人間は誰かの役に立ちたい、救ってあげたい、
また、誰かのために死にたいと理想を持つ。
自分の生が、死が、意味あるものでありたいと思う。
少なくとも私にとってあなたがたの生は意味あるものであるだけではなく、
なくてはならないものとして存在している。
あなたがたは、勇気ある強い人間だ。
あなたは人を救ったんだという満足感と自信に満ちあふれて生きていって欲しい。
あなたは私にとってなくてはならない人です。
そう思って、あなたに心から感謝と尊敬をしている人がいることを忘れないで欲しい。
普通の高校生はこんなこと考えないですよね。死に直面した時、はじめて人は生きる意味を考えるんですね。この短い手紙に大事なことが凝縮されているような気がします。
最終章の横倉秀二さんの話とともに、不覚にも涙してしまいました。
子供の頃、自分が死んでみんなが自分のことを忘れてしまう事が何よりも怖かった。
生きた証を残すなんて大それたことは、自分には無理だと思っていましたが、誰にでも
何かしらありそうです。自分に出来ることをして、今を精一杯生きることが大事。
最近、身内に不幸があって、いつ何時、人は死ぬか分からないというのをまさに実感したばかりです。私より若い友人、知人が既に何人も亡くなっているのに、まだ先のことだと思って準備を先送りしていると後悔するはめになるんでしょうね。
それにしても、歯って治療したところがまた悪くなりますね。