老犬 柴次郎が教えてくれたこと | 犬と暮らせば~大家・ふくや招き猫が 頑固な柴犬&おおらかな大型犬と 心穏やかに暮らす方法

犬と暮らせば~大家・ふくや招き猫が 頑固な柴犬&おおらかな大型犬と 心穏やかに暮らす方法

ワンコは見た目より中身(犬種ごとの特徴)にご注目。悲鳴のような吠え方に、悪食・多飲・多尿の柴犬。ケンカにしか見えないプロレスごっこが大好きで、お薬大嫌いなボーダーコリー。縁あって、家へ来たからには、最後まで力を合わせて、生きて行こうね!
 

白柴の柴次郎さんは推定年齢17歳。
見た目といい、動きといい、
もうヨボヨボのおじいさんです。
 
柴次郎さんは時々、夜鳴きをします。
 
夜鳴きの原因はいろいろですが、
鳴き始めた時、理由がわからず
うまく対応できないと
とにかく鳴き疲れて動けなくなるまで
ずっと鳴き続けます。
 
一時はかなりひどく、家族全員
寝不足になったこともありました。
 
ですから鳴き始めが、
お互いの安眠がかかった勝負どころです。
 
元気だったときの柴次郎さんからは
ちょっと考えられないようなことが
原因だったりします。
 
おとといの夜、鳴いたときは
あれこれ考えて、もしかして寒い?と思い、
準備してあったパネルヒーターを
今季初めてつけました。
 
ヒーターが温まってくると、
グ~っと寝入ってしまいました。
 
いつもより少し寒いかも、
という感じはしましたが、
ヒーターをつけるほど寒くないよねと
私は思ったんだけど・・・ 犬だし。
 
でも、柴次郎さんには、寒かったのね。
 
最近は、オムツよし!ヒーターよし!みたいに、
今まで柴次郎さんが鳴いて訴えたことを
全部チェックしてから寝かせています。
 
お互いに心安らかに眠れる夜が
戻りつつあります。
 
 
 
 
さて、悩みのタネだったもう一人のお年寄り、
義父はと言えば、このところ、
好々爺(こうこうや)になりつつあります。
 
よその人にはいい顔をしているのに、
私には批難、𠮟責ばかりで、
何かにつけて怒声を浴びせる
本当に一緒にいるのがつらい人でした。
 
その義父が、施設に入って半年経ち、
しだいに穏やかになってきました。
 
そして、以前自分が住んでいた家の事を
「あんなところに、よく一人で住んでいたものだ」
というようになったのです。
 
施設の職員さんが本当によくしてくれること、
食事もこういう所にしては、美味しい方だと思うこと、
何より、いつも人の目があって、安心できること。
 
これを義父から聞いて、思わず
柴次郎の夜鳴きのことが頭に浮かびました。
 
お義父さんも、つらかったのだ。
でも、自分でもどうしたらいいのか
きっと分からなかったのだ。
 
柵に足が引っかかって鳴いていた
柴次郎と同じだと思いました。
 
「不安だから怒鳴る」のだと、
教えてくれた人がいます。
私はその意味が分かりませんでした。
 
それは今でも分からないけど、
でも、私にとって
義父が怒鳴り散らすのと、
柴次郎の夜鳴きは同じなのです。
 
罵声をなまじ言葉として受け止めてしまうから、
身に覚えのないことで怒られたとか、
ひどいことを言われたとしか思えなかった。
 
だけど、一つ一つの言葉の意味より、
自分の辛さを訴えるのに
怒鳴ることしかできない義父の衰えに
気付くべきだったのだ。
 
 
 
柴次郎さんは嫌なことがあると、鳴きまくる。
何に困っているのか、私たちが気づくまで
鳴き続ける。
 
鳴き方は少しずつ違っていて、
彼なりに、伝えようというか、
伝えたいと思っているのかもしれない。
 
おかげで、言葉なく伝えられるものを
受け取ろうとする気持ちが、
少し鍛えられたみたいな気がしている。
 

          今日は、風が冷たく、
          お昼ごろにはもう、家に入りたいと
          ク~ンと言い始めました。 
          暖かいケージに戻って、ま~ったりしてます。