義父には、軽い認知症があります。
もともとは、腰椎の圧迫骨折が原因で入院し、
ベッドで安静にしている期間が終わったところで
施設に移りました。
本人は、自宅へ帰ることを希望しましたが、
医師が、それは無理と判断してくれたおかげで、
とりあえず施設へ入ってもらうことができました。
何が無理かというと、
まず自分が病気だとか、けがをしていることを
覚えていることができないのです。
よく言う、昔のことは覚えているのに、
ついさっきのことを覚えていないという、
あれです。
お医者様が義父に、「背中の骨がつぶれています」
と説明すると、その時は「わかりました」と言うのですが、
しばらくすると、それを忘れてしまうのです。
だから、「痛い、痛い」と言いながら、
鎮痛剤が効いているときは、
「どこも悪くないのに、なぜ、こんなところ(病院)に
いるんだ」と怒り出すことになります。
骨折していることもわからないのですから、
認知症なんて、なおさら自覚できません。
実生活で一番困ったのは、タバコです。
ついさっきタバコを吸ったことを覚えていないので、
入院する少し前から、
「もう、しばらくタバコは吸ってないよ」と言い始め、
それが、「1か月は吸っていない」、
「半年くらい吸ってない」、「1年以上は・・」と
なり、ついに「ずっと前にタバコはやめたよ」
と言うようになりました。
灰皿を出しておくと、
「タバコはやめたから」と言って、
私に灰皿を片付けるようにと叱ります。
私も、義父がそういうからには
タバコもライターも見つけるたびに、全部
コッソリと捨てるのですが、
いつの間にか、また自分で買ってきます。
そして、吸い殻がゴミ箱(!!!)に捨ててあるのです!
もう、いつ火事になるか分かりませんでした。
義父に、吸い殻がゴミ箱にあることを話しても
「ずっと前に吸ったのがあったので、入れただけだから」
と言います。
ホームドクターに相談すると、先生のご意見は、
「認知症だからね。吸った記憶がないから、
おとうさんは、本気でそう思ってますよ。
施設に入るのが、まわりの人たちだけではなく、
本人のためですね。」
そんなこんなで、整形外科を退院する機会に
義父は、なんとか施設には入ってくださいました。
琵琶(びわ)の花のつぼみ
「ビワの葉を煎じて飲むと、咳が止まる」と言っていたのは、
私のおばあちゃん。