[FACUP準々決勝]マンチェスターシティvsバーンリー | シティなび

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2022−2023イングランド・FA CUP準々決勝

マンチェスターシティ6−0バーンリー

(1部)          (2部)


シティのSYSTEM


選手交代:ハーランド→パーマー、ルベン・ディアス→アカンジ、リコ・ルイス→セルヒオ・ゴメス、ロドリ→カルヴィン・フィリップス、デブライネ→グリーリッシュ


得点者:32分ハーランド、35分ハーランド、59分ハーランド、62分アルバレス、68分パーマー、73分アルバレス


バーンリーのSYSTEM


選手交代:フォスター→バーンズ、グズムンドソン→コーク、テラ→オバフェミ、アレシャンデル→バスティエン、マートセン→チャーリー・ティーラー、


この試合は3月18日に行われた試合でシティの準々決勝の相手はシティのレジェンドであるコンパニ率いるバーンリー。数年後シティの監督になっているかも知れないコンパニがバーンリーでどんなサッカーを志向しているのか注目である。


で、レビュー

シティはビルドアップ時いつもと同じ3+2の形。3バックに右からウォーカー、ルベン・ディアス、ラポルト、CMFにはロドリ、リコ・ルイス。いつもと異なるのは左肩上がりのビルドアップでカンセロがシティでスタメン出場してた時は左肩上がりの3+2のビルドアップを基本となっていたがカンセロ放出で攻撃の組み立てを担える左SBが不在になると右スライドのビルドアップが定着した感じだ。このシティのビルドアップに対してコンパニのバーンリーは前5枚ではめ込みにきていた。バーンリーのボール非保持時のSYSTEMは4141で1トップが中ルベン・ディアス、右ウォーカーには左SH、左ラポルトには右SHが対応、そしてロドリ、リコ・ルイスのCMFへは中盤の真ん中2枚が監視してこの3+2にハメ込む、サイドのWGマフレズ、グリーリッシュにはSBが寄せる。出口を作る為にデブライネが下りてビルドアップのサポートに入ろうとすればCMFカレンが寄せにくる。バーンリーは前5枚、後5枚の分断型SYSTEMとなり前5枚のマンツーマンでシティの3+2のビルドアップにハメ込んでボールを奪えばショートカウンターに持ち込むのが狙いとしてある。現にボールを奪ってショートカウンターを発動する場面がいくつかあった。


ビルドアップをハメ込まれてもGKのロングフィードで相手のマンツーマンを回避するのがシティの強さであり前線にターゲットマンのハーランドや右にボールキープでタメを作れるマフレズ、左に突破力あるフォーデンがいるのもロングボールを使う狙いに理に適っている。先制点は中盤を省略したGKオルテガのロングボールから。ビルドアップをハメられてもゾーン1からゾーン3へと掻い潜る術は持ち合わせておりオルテガのロングボールをハーランドが頭で落とせば背後からサポートに入るアルバレスが受ける。ハーランドの動きで最終ラインを押し下げることで中盤ラインと最終ラインが間延びしてそのスペースでアルバレスがボールを受けれたのだ。アルバレスがボールを受ければ落としたあとの動き直しで裏へと抜け出したハーランドがアルバレスのスルーパスからのGKとの1vs1を決めている。2点目の崩しも完璧。バーンリーは左CBラポルトから左サイドへ流れてパスを受けるデブライネへの守備の強度が低かったから左サイド裏へ抜けてデブライネからのパスを受けるフォーデンが縦に突破し最終ライン裏へと低いクロス。これをハーランドが決めているがハーランドの裏への動き出しで最終ラインを押し下げていたので背後から追走するアルバレスがフリーになっていた。このハーランドの深さを作る動きで周りのスペースを確保すると後ろからアルバレスが入ってきているのでハーランドが決めれなかったとしてもこぼれ球を決める予備動作ができているわけだ。

ハーランドはこの試合ハットトリック達成。シティは中に守備網を引き付けて外を使う攻撃も巧み。3点目は右マフレズがハーランドとのリターンから内側へと入ると左フォーデンへと展開。フォーデンの低いシュートはポストに当たるが跳ね返りをハーランドが決めている。今季ハーランドがCFにいることでポストとして使えるしリターンパスを受けると前向きの状態を作れるメリットがある。ハーランドの落としたあとの動き直しも完璧だった。


この試合keyとなっていたのはアルバレスでワイドに流れたり中盤の低い位置へ下がったり前線に上がり2トップ気味になったりと自由に動いていたのでバーンリーの守備は捕まえるのが難しかった模様。右WGマフレズが内側へと入れば右の大外にアルバレスが流れて幅とパスコースを保ったりハーランドが深さを作る動きでライン間を広げてアルバレスがそのスペースへ入る縦関係となる。4点目はアルバレス。3点目と同様中から外への展開から得点に繋ぐ起点を作れている。右マフレズのパスに反応したデブライネが外側から流れる動きでPA右のニアゾーンへ入るとボックス中央へ折り返しハーランドがニアに入る動きで守備者を引き付け最後はアルバレスが決めている。


バーンリーは悪くはなかった。バーンリーってロングボールを放り込む古典的なイングランドスタイルの印象が強かったけどコンパニが監督就任してサッカースタイルがガラリと変わりショートパスを回すサッカーへと変貌している。パスを回しながらサイドを使えるしムービングでハーフスペースへ侵入したりと動きながらパスを引き出すコンセプトはあるようだ。バーンリーはビルドアップ時後ろ3枚にしてボールを動かすがシティは左右WG+CFが3バックに3枚をぶつけCMFにも監視する。こっちもハメ込む守備を敢行。

5点目はパーマー。デブライネが2枚を引き付けるカルヴィン・フィリップスとスィッチするとポッカリ空いた中央のスペースへボールを運ぶと右フォーデンへと展開。フォーデンのクロスをGKが弾くがこぼれをパーマーが決めている。バーンリーのバックライン4枚に対してシティも4枚から5枚ぶつけるし中央に意識を引き付けると外側が空くので相手としては守りづらい。

6点目はカウンター。デブライネのスルーパスからアルバレス。デブライネは直線的にスルーパス出すのでなく一度時間を作ってからパスを出しているがこれはアルバレスの動き直しのタイミングを見てから出してる辺り凄さとサッカーIQの高さを感じる。


そんな感じでベスト4進出。

準決勝はシェフィールドユナイテッドとウェンブリーで激突。

決勝はブライトンvsマンチェスターユナイテッドの勝者となると決勝はマンチェスターダービーの可能性がある。