「心を寄り添い続ける」ということ。 | 我はARMYのはしくれなり。

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まさか大人の♂の自分がアイドルグループにハマる日が来るとは。
BTSの魅力をゆるーく伝えていければなと思っています。

正月に立て続けに起きた厳しい出来事を目の当たりにして

自然と頭に浮かんだのが

 

 

 

「Spring Day」。

 

 

 

この曲の歌詞はいくつかの解釈があると思いますが

自分にとってこの曲は

「セウォル号沈没事故」の追悼が込められていると強く感じます。

 

 

 

楽しい修学旅行になるはずだった数百人に及ぶ高校生の命を奪ってしまった海難事故。

いや「無責任な大人達による人災事故」。

 

 

 

 

MVからは

この事故へのメンバーの深い想いが伝わってくる気がします。

 

 

 

 

 

 

<以下、長文になる事をご了承ください>

 

 

 

 

冒頭、1人きりで列車に揺られるJK。
セウォル号に乗っていた修学旅行生は高校2年生でこの時のJKと同じ年齢だった。

その彼らが巻き込まれた事故に

JK自身も傷ついた心境が表現されていると言われています。
 

 

 

 

そしてRMが歩いていく先にある建物『Omelas』。これは「オメラスから歩み去る人々」という物語が由来していると言われています。

 

王も軍人も僧侶も奴隷もいない、
幸福と祝祭の都、オメラス。
その理想郷オメラスの地下には、
知的障害のある1人の少年が、
おぞましく悲惨な状態で閉じ込められています。
この少年を穴蔵から解放することはおろか、
優しい言葉をひとつかけただけでも、
オメラスの幸福は消えてしまうことになっています。
オメラスの人々は8~12歳ころにその事実を知らされます。
思春期以上の人たちはみな、自分たちの幸せが、
1人の少年の不幸の上に成り立っていることを知っているのです。

 

 

オメラスは一人の少年の犠牲によって成り立っている理想郷。
少数を犠牲にし、多数が幸せを得る現代社会の問題点。



地下室に閉じ込められていた少年は、セウォル号で船に閉じ込められ

船に関わる大人達の「自分勝手な都合の犠牲」になった高校生達を連想させます。

 

 

 

 

メリーゴーランドの前に佇むJK。

そのメリーゴーランドには寂れた文字で「YOU NAVER WALK ALONE」の文字が。

「君は決して1人ではない」という意味です。

 

 

 

 

そしてSUGAが積み重なった衣服の山に埋もれるように腰かけるシーン。

セウォル号では船内から遺品として衣服や制服が発見されている事から

恐らく亡くなった方々を示していると思われます。

 

 

このシーン、自分は強く、とても強く心が締め付けられました。

 

 

 

 

コインランドリーの洗濯機の上で

自分の傍に運動靴を置いているJIMIN。

 

 

 

この靴は海に消えたセウォル号の犠牲者、
17歳という若さで命を奪われた多くの若者達を意味していると言われてます。

 

 

 

 

また、洗濯機に張られた札には小さく『Don’t Forget』と印刷されていて、

セウォル号事故が風化していくことを憂いているように感じます。

 

 

 

 

「Spring Day」という曲名と雪景色のシーンが多いMVがどこかかけ離れたイメージですが
冬から春に向かう描写の中で
「友」を失った絶望の日々を冬として表現していると言われています。

 

 

 

 

再び画面に表れたメリーゴーランドには無数の黄色いリボン。

 

 

この「黄色いリボン」は

セウォル号の犠牲者を追悼するシンボルです。

 

 

JKの周りを駆け抜ける沢山の人影は彼と同じ歳の犠牲者たち。

 

そしてJKも同じ存在となって画面から去っていく。

 

「彼らに寄り添っていきたい」というJKの想いを表していると言われています。

 

 

 

 

最後のシーンではJKも他のメンバーと合流。
優しい日差しが列車の中に降り注ぎ、少しずつ「春の訪れ」を感じます。
JIMINはメンバーに呼びかけながら

共に雪が少しずつ解け始めた世界へと降り立ちます。

 

 

 

 

浜辺で拾った運動靴を大切に持ってきたJIMINは

そこに佇む大きな樹木に運動靴をかけます。


どこかの国では愛する人が亡くなった時、慰めるために故人の靴を木に吊るすという習慣があると言われています。

 

 

 

 

 

 

RMは

「聴いた方や考え方によって、観点が違って見える事もあるので、鑑賞された方たちの解釈通りに残しておきたい」と

はっきりとセウォル号の哀悼曲だとは言及していません。

 

 

 

自分もそれで良いと思います。

 

 

 

 

 

BTSは所属事務所と共に

セウォル号惨事家族協議会に「匿名」で1億ウォン(日本円にして約1,000万円)を寄付していますね。

 

 

また事故の際

ARMY有志がトイレットペーパーやマスク、タオル、カイロ、使い捨ての下着など救護物資を送ったそうです。

これは、BTSのメンバーと所属事務所が事故の遺族へ寄付をするより前に、自主的に行われたとの事。

 

 

 

当時の韓国政権は、セウォル号事故で政府の対応について批判した著名人・文化人のブラックリストを作成したと。
このリストにBTSが載っていたかどうかは不明ですが、

このように圧力をかけられるような状況の中でも被害者や遺族側に寄り添ったメッセージを発信し続けていたんですね。

 

 

 

自分は「Spring Day」によって

セウォル号の事故を一生忘れる事は出来なくなりました。

 

 

 

なぜなら

BTSが「心を寄り添い続ける事」の大切さを改めて伝えてくれたからです。

 

 

 

 

当たり前の日々が当たり前でないという事。

 

 

 

 

今も苦しみ続ける被災者の方々へ

想いを寄り添い続けていきたいです。