では、「悪し」とはどういう事か?
親が子どもの言いなりだったり、子どもの言う事を鵜呑みにして全く疑わない。
これは、周囲が大変な思いをします。
悪気がある訳ではなくとも、時々子どもは物語を作ります。
8〜9歳くらいまでは潜在意識の敷居が低く、現在と空想の境が曖昧です。
ましてや良くない事をやってしまったら、怒られたくなくて誤魔化しているうちに、記憶が改ざんされる事も。
真実と、その子の思う事実が食い違ってくる。
長男が小学校の時に、「上着を破られた」とウチにいきなりM君の親がお怒り電話してきた事がありました。
友達のT君と長男が、体育の時間前に絡んでM君の上着を引っ張り破けたとの事。
T君も長男も元気系男子ですが、つるんで人に絡んだりするタイプではありません。
違和感が拭えず、長男に「本当に体育の時間に、二人でM君の上着を引っ張ったの?」と問いました。
「M君の上着をT君と引っ張った覚えもないし、そもそも今日は体育が無いよ」という衝撃の証言が出ました。
電話でその旨を伝えたところ、電話の向こうですごい勢いでM君を怒鳴り続けるので、私は電話口で閉口しました。
保留にしてくれないかな、筒抜けなんですが💦
「再度確認してください」とようやく告げて、電話を切る事が出来ました。
M君は、今日は体育が無いと分かった時「じゃあ違うのかな…」と言いました。
怒られるのが怖くて、クラスメイトの元気な男の子のせいにした物語を作ってしまったのかもしれません。
M君の親も学校を挟めば「そもそも今日は体育の時間が無い」と分かって、恥ずかしい思いもせずに済んだのに。
ちなみにその後、何の説明もなく何もなかったかのように接してくるM君の親は、後に様々な問題を起こす事になりました。
子どもは信じるけれど、話は鵜呑みにしない。
ちゃんと真実を確認したり、第三者を挟んだりして盲目にならない事。
親が味方をするという事を、はき違えない。
「人の振り見て…」を、しみじみ学んだ体験でした。