尿が赤い以外は特に副作用はない。
火曜日に入院して、水木金と抗がん剤、土日は外泊し、月曜日に検査、火曜日の朝に診察してそのまま夕方に退院。セカンドハウスで8日間を過ごした。
翌日の2月11日は祭日。今日は予定もなく、いつもの休日だ。
午後から妻と二人でデート。
行き先はマックスバリュ(食品スーパー)とドラッグストアー。
ほんとにいつもの休日だ。
休日、特に用事がないときは、このパターンで午後を楽しむ。
今日は娘が友人と晩ごはんを食べてくるので、買い物の後は夫婦で食べて帰ることにした。
どこへ行こうか? 車を走らせていると、妻は「サイゼリア行きたい」
妻はいつものミラノ風ドリア。僕はカルボナーラとピザを注文。
妻はおいしい、おいしいと言って食べている。
僕はそれがうれしくて、涙が出そうになる。そんな状態では、なかなか喉を通らないが頑張って飲み込みながら、食事を終える。
帰宅後は風呂に。妻は「今日は一人で入る」という。妻はがんの治療が始まってから、風呂に一人で入ったことがない。
妻を浴室に送り出し、僕は脱衣室で耳をすませながら入浴中の妻の様子をうかがう。最も危ないのは湯船の出入り。そしてお湯につかっているときだ。
体が不自由な妻のために、浴室内には手すりを数ヵ所に取りつけている。この数年、入浴時にはそれを使い一人でうまく入ってきた。
しかし危ないシーンは過去に何度かあった。
椅子から立ち上がった時にバランスをくずし、危うく転倒しかけたこと。
そしてお湯につかっているとき、浮力がついてバランスをくずし、浴槽内に沈みかけたこと。
今までは幸い大事に至らなかったが、いつ、そういうことがが起こるかわからない。
そろそろ妻が風呂から出てきそうだ。僕は妻の着替えを用意して脱衣室で待つ。どうやら心配は無用だったようだ。
風呂上がりにはいつものビール。つまみはせんべい。テレビを見ながら夜が更けていく。
なんと平和な日だ。がんになる前と全く同じだ。
しかし、幸せだと思う気持ちは全く違う。
前なら何も考えずに、ただ過ごしていた毎日。
今は一日一日が大事な日。この幸せがいつまで続くかわからないが、自分の全てを使って、妻が出来るだけ長く生きられるように頑張ろう。