舞台は平成10年の横浜です。しかし出版されたのは
2023年です。
つまり作者は「過去」を振り返って物語を綴ってい
るのです。
殺人事件の犯人とそれを追う刑事、犯人をかくまう
女性。そしてふとしたことから犯人と関わりを持っ
てしまう小学生が絡み合って、物語が紡がれていき
ます。
そして物語の鍵になるのは「時代」です。
平成10年は西暦2000年頃でしょうか。ほんの20
年前ですが、そんな時代もあったなあと出てくる
出来事に遠い目をして読んでしまいます。
たった20年でも世の中は間違いなく変わるのです。
テクノロジーのような外的な意味ではなく、「正」
に対する内的な解釈も、です。
そんな重たいテーマを投げかける一冊です。
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