有井努(ありいつとむ)の乱読ブログ

有井努(ありいつとむ)の乱読ブログ

多読はするもののインプットと比較してアウトプットが極端に少ない。
そこでブログを利用することにしました。
ノンフィクションが好きなジャンルです。齋藤孝氏もよく読みます。
さらっと内容に触れただけの読書日記ですが、読んでいただければ幸いです。

 

 

今や世界のグローバルアパレル企業となった

ユニクロ。

 

前身は山口県の小さな小売店であったことは

よく知られています。

 

そこから世界で戦うまでに成長した過程を、

つぶさに取材した極上のノンフィクションで

す。

 

しかしこれはトップの柳井正氏の挑戦と失敗

を綴った、単なる興亡記ではありません。

 

「ユニクロ」という法人が柳井氏という頭脳

をサポートするための多くのスタッフの力を

得て、成長していく物語なのです。

 

それらの多くのスタッフが主人公なのです。

 

多分これからもユニクロは様々な困難に逢い

つつも成長し続けるでしょう。

 

メジャーリーグで活躍する大谷くんと同様に、

世界で成長し続ける彼らと同じ時代に生きて

いることは幸せなことなのだ、と思わされる

一冊です。

 

 

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半暮とは「半グレ」を指しています。

 

ヤクザは現在法律で厳しい取り締まりに遭い、青息

吐息です。

 

一方、一般人扱いである半グレ集団は、特殊詐欺な

どの犯罪集団の代表格です。

 

しかし一般人であるから逮捕、起訴、有罪判決にで

もならない限り表には出てきません。

 

つまり半グレを見分けることは難しいのです。

 

その半グレ出身の2人の若者が物語の主人公です。

 

ひとりはヤクザにまで身をやつしますが、その後は

更生し、ささやかな家庭を築くことが出来ます。

 

もう一人は半グレだった過去を隠し、エリート街道

を歩みます。

 

このエリート社員が置かれる環境が半グレの巣窟と

言ってもいいのです。

 

エリート社員が務める会社は広告代理店であり、東

京五輪を彷彿とさせるようなビッグイベントを手掛

けます。

 

政・財、あらゆる業界や団体が利権を求めて群がっ

てくる様は、ヤクザよりもタチが悪い半グレ集団の

ようなものなのです。

 

二人の主人公が交錯するときに読者は考えさせられ

ます。

 

「真の悪は誰だ」と。

 

現代社会の闇をえぐり出した骨太の一冊です。

 

 

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1993年にJリーグがスタートして、たったその6年後

1999年元日の天皇杯優勝を最後に横浜フリューゲル

スというチームが消えました。

 

今ではその痕跡は合併相手となった横浜Fマリノスの

「F」と、横浜FCの本拠である三ツ沢球技場くらい

でしょうか。

 

この本の題名にある「なぜ」に対して、本書では明確

に答えは提示されていません。

 

しかしヒントは散りばめられています。

 

創世記のJリーグバブルの崩壊があまりに早く、クラ

ブチームの運営というものを理解している人間が少

なかったことが一つ。

 

現在、同じようなチームの経営危機が発生すれば、高

給選手を放出し、若手主体のチームへ切り替えるのが

普通かと思います。しかし当時はこんな考えを持つ人

がいなかったのです。

 

そして2つ目の理由はなんと労働組合が組織されてい

なかったことです。

 

日本のプロ野球がスト権を行使して、1リーグ化を阻止

したのは記憶に新しいと思います。と言っても2004年

のことですが。

 

一方でJリーグ選手の労組化は2011年だったのです。

 

「ストライキは無理でも試合のボイコットで抗議の意

を表す方法もあったのでは?」とやや乱暴ですが、そ

うい意見もあったかもしれないです。

 

その答えは本書のキモの部分である、横浜フリューゲ

ルスの前身のチームの歴史を冒頭から追いかけている

理由にあるのです。

 

ノンフィクションにおいて時系列に物事を追いかける

のは、冗長な感を招くので、通常はクライマックスシ

ーンから入るのが常かと思います。

 

しかし横浜フリューゲルス消滅の種は、Jリーグの前

身である日本リーグ時代に蒔かれていたというのが、

著者の見立てかと思います。

 

だから冒頭から時系列に歴史を追っているのです。

 

歴史の妙を感じずにはいられない極上のノンフィク

ションです。

 

 

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ちょっと古く2009年発行の本です。しかし内容は

素晴らしいです。

 

「世界一やさしい問題解決の授業」の第二段の位置

付けの本です。

 

登場人物は魚の世界に置き換えられていますが、要

は日本人の中学生くらいのサッカー少年が、海外へ

の留学を通して世界を知り、でも日本に帰ってから

も「これが世界のスタンダードです」」と、我を通

すわけでもなく、「何がチームメイトにとって最善

か最適化」を考え抜く過程を描いています。

 

考えて、調べて、人に聞いて、時には助けを借りて

自分の答えを導き出そうとする少年は自問します。

 

「10年前にタネはまかれていた。今は実は成ってい

流のだろうか」と。

 

大人としては「自分はそれが出来ているのだろうか」

「若者の手本になっているのだろうか」と振り返え

させられる一冊です。

 

 

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今や年末の風物詩となっているM-1グランプリ。

これは2001年に始まりました。

 

実はその当時は漫才はオワコンと言われていて

単なる古典芸能的な扱いを受けていました。

 

多くの漫才師たちが、そんな現状を憂いている

のと、彼らが本当に漫才を愛しているのを知っ

た著者が、M-1という勝負の場を企画します。

 

当然、実現までは紆余曲折を経ますが、その過

程がドラマチックです。

 

スポンサー探し、放送局探し、そして重要な審

査員探し。

 

どれ一つ欠けても現在までの人気は得られなか

ったでしょう。

 

皆が愛しているものは絶対に色褪せない、滅び

ない。

 

愛し続ける大切さを学一冊です。

 

 

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