エスキースとは下絵のことでして、そこから
上描くのではなく、別のキャンバスに本番を
描くまでの元ネタのような絵をいうらしいで
す。
その一枚のエスキースが短編連作のところど
ころに現れて、「ああこの絵をめぐる物語な
のだな」と要旨を理解したつもりで読み進め
るのが、正しいアプローチでしょう。
しかし読み終えた時に、それは違っていたこ
とに気づかされます。エスキースもまた運命
に翻弄されていたことに、です。
2021年本屋大賞「お探し物は図書室まで」
の作者が新境地として送り出した作品です。
「生きていくって悪くないよね。素晴らしい
よね」と胸に沁みる一冊です。
クリックお願いします。