・「ドラえもん論」杉田俊介 著 | 有井努(ありいつとむ)の乱読ブログ

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多読はするもののインプットと比較してアウトプットが極端に少ない。
そこでブログを利用することにしました。
ノンフィクションが好きなジャンルです。齋藤孝氏もよく読みます。
さらっと内容に触れただけの読書日記ですが、読んでいただければ幸いです。

 

 

日本の国民的アニメと称されるご存知「ドラ

えもん」の考察本です。

 

国民的アニメと言われる割には、その内容を

しっかり分析した本は無かったような気がし

ます。

 

特にアニメという土俵で、かの国のディズニ

ー作品と比較されると非常に分が悪い。

 

ディズニーはユニバーサル化を見越して、

主人公の多様性、つまり人種や性別にこだわ

らない設定や、最近ではLGBTQまで意識した

かのような設定になっているそうです。

 

翻って我がドラえもんは・・・

 

おそらく映画はともかくとして、TVで放送

されていたら大人は真剣には見ないでしょう。

 

故に、ドラえもんに対するイメージ(特に映

画)は「のび太をはじめとした仲間が不思議

な国の敵と戦い、最後はドラえもんの秘密

道具によって勝利を掴む」というざっくりの

パターンしかないと思います。

 

つまり「いつも同じ」なのです。

 

米国アニメはユニバーサル化、グローバル化

されているのに、こちらは時代劇にように

ワンパターンが繰り返されているのかよ、と

思ってしまいます。

 

しかし違うのです。

この本を読むと考え方、見方が変わります。

 

確かに大きい括りとして5年に1回くらいは、

似た設定が繰り返されるらしいですが、各作

品には作者の藤子不二雄Fの思いが大きく影

響されていて、それが時には哲学的であり、

時には文学的なのです。

 

「こんな思いがドラえもん作品に隠されてい

たのか」と驚くこと間違い無しです。

 

次回からTVでドラえもんが流されていたら、

子どもと一緒に食い入って観てしまうこと

請け合いの一冊です。

 

 

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