私が単純な平面作品(絵画)から現在の多面作品(オブジェ)に移行するきっかけは★「室礼」という言葉に深く心酔したからです。
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★室礼(しつらい)は、鋪設とも書き、建具や調度を配置して、★生活の場または儀式の場を作ることです。室礼は、主に寝殿造において、★柱だけの開放的な空間を「御簾」「几帳」「壁代」などのカーテン類、屏風や衝立などのパネル類、押障子や鳥居障子などの取り外し可能な建具などで仕切り、必要な場所に畳や二階棚などの家具・調度を配置
して、日常生活、または儀式の場を作ることです。「室礼」という言葉が生まれた背景には、奈良時代に伝来した木造建築技術と仏教の影響が深く関係しています。当時、寺院建築をベースとした大空間の住居(寝殿造り)が主流となり、広大な「ワンルーム」をどのように使い分けるかが生活上の大きな課題でした。単なる家具の配置ではなく、季節や行事、来客や目的に合わせて空間を装飾・演出する★技術をさします。屏風や襖、衝立などの障壁具を適切に配置し、飾り棚や花器、掛け軸などで時節を★表現する。こうしたトータルコーディネートこそが、「しつらい」の大きな特徴です。
★ 屏風(びょうぶ)★折りたたみ式の間仕切りで、絵巻物から発展した絵画作品としての側面も大きい存在。日常のしつらえから、美術工芸品としての鑑賞まで、幅広い役割を担ってきました。
★襖(ふすま)★紙や布を貼った引き戸で、部屋の間仕切りや押入れの扉として用いられます。和紙に描かれた襖絵(ふすまえ)は、日本画の重要なジャンルの一つとして発展してきました。
★障子(しょうじ)木の格子に半透明の和紙を貼ったもので、★光を取り入れつつ風を防ぐ役割を果たします。室内に柔らかい明かりを導く障子は、風情ある日本家屋の象徴です。