ひとはく(2) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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★展示特別企画「身近な海のベントス展」

令和3年10月12日(火)~12月26日(日)

兵庫県立人と自然の博物館 2階企画展示室

https://www.hitohaku.jp/exhibition/planning/benthos2021.html

水の底に生息する生物を総称してベントス(底生生物)といいます。私たちの生活圏のすぐそばにある沿岸海洋には、カニ、貝類、海藻などの多種多様なベントスが生息しています。本展示企画では、兵庫県を中心とした日本沿岸で見られるベントスと人の生活、文化、歴史との関わりについて紹介します。標本や展示を見て少しでもベントスに興味を持っていただければ幸いです。

http://www.mbrij.co.jp/business/benthos.html

ベントス(底生生物)は潮間帯から深海にいたるまであらゆる海域に生息しています。ベントスはその大きさにより、区分されます。

http://www.econixe.co.jp/econews/detail.php?id=173

「ベントス」(Benthos)は水底に生息する生物の総称として、ドイツの生物学者★エルンスト・ヘッケル(E。 Haeckel)が名付けたことが始まりになります。通常、ベントスのうち小型の環形動物や節足動物などは魚類などのより大型の動物の餌として重要な役割を担っています。また、ベントスのうち二枚貝類は餌として有機物を生体内に取り込むことから、最近では水質浄化としての機能が注目視されています。一般にベントスというと動物を指しますが、特に無脊椎動物に限定されることが多いようです。

★「日本ベントス学会」

http://www.benthos-society.jp/

ベントスに関する新知見の公表、情報、知識の交換を通じて、研究者間の交流を深め、ベントス研究の総合的発展に寄与することを目的としています。また、研究者としての社会的責任を果たすための事業を行っております。

 

・・・今回の「ひとはく」訪問の決め手となったのが、この聞きなれない「ベントス」です。生態学では一般的な呼び方で、日本において「底生生物」という語は「benthos」の訳語として用いられていますが、本来ベントスはネクトン(Nekton)、プランクトン(Plankton)に対応する生活型の分類の一つだそうです。

《池辺群虫図(動植綵絵)》/作:伊藤若冲1761~65頃/蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

https://www.kunaicho.go.jp/event/sannomaru/sannomaru.html

「動植綵絵」は1757年から1766年頃にかけて制作された、伊藤若冲の代表作のひとつです。「釈迦三尊図」と共に両親と弟、若冲自身の永代供養を願って相国寺に寄進されたもので、堂内を荘厳するセットとして一堂に掛けられたものでした。鳥、鳳凰、草花、魚介類などが、様々な色彩と形態のアラベスクを織り成す華麗な作品で、綿密な写生に基づきながらもどこか近代のシュルレアリスムにも通じる幻想的な雰囲気とおかしみが漂います。後に相国寺より明治天皇に献納され、現在は宮内庁の三の丸尚蔵館蔵となっています。この「池辺群虫図」は、水辺に実を成らした瓢箪と、それに群がる約60種類の昆虫や小動物を描いた作品です。単に生き物の姿を並べるだけではなく、巣にかかった獲物に襲いかかるクモや水辺に並ぶ蛙を狙う蛇など、捕食関係にある生き物同士のドラマを描き込んでいます。真横から見た蛙や真上から見た蝶など、複数の視線が同一画面に混在し、実際には存在し得ない不思議な空間を作り上げているのが特徴。この世界観は、同じく「動植綵絵」の「蓮池遊魚図」にも見られるものです。

《参考》館外企画展「日本文化を育んだ自然 where culture meets nature」における「伊藤若冲の『池辺群虫図』に見られる昆虫」 三橋弘宗、山内健生/2016年11月 - 2016年12月

https://researchmap.jp/read0105316/works

https://www.hitohaku.jp/researchers/mitsuhashi.html

 

・・・このような研究は専門家ならではですね~さらに、藤井俊夫さんの「万葉集」にかかる私見も興味深いなあ。

《万葉集 第16巻 3834番歌》

https://manyoshu-japan.com/9744/

成棗 寸三二粟嗣 延田葛乃 後毛将相跡 葵花咲

梨(なし)や棗(なつめ)や黍(きび)に続いて粟(あわ)が実り、葛(くず)が蔓を延ばし、その後も逢いたいと葵(あおい)の花が咲く。

https://www.hitohaku.jp/research/h-research/2021.html

 

★私見:万葉集(巻16-3834)の解釈

論文名:Personal Opinion: Interpretation of Manyo-shyu (roll 16-3834)

著者名:藤井俊夫

公表雑誌名:近畿植物同好会々誌、44号、37-39、2021年

http://kinshoku.eco.coocan.jp/

内容紹介:万葉仮名で書かれた原文を読んでいたところ、文節の区切り方や漢字の当てはめ方がおかしいのではと気づきました。「成棗 寸三二粟嗣 延田葛乃 後毛将相跡 葵花咲く」は「梨、棗の花が咲く頃から、葛がつながるように、葵花が咲く頃にも会いたい」と解釈しているが、次のように解釈してみました。「梨、棗、黍に粟、信太葛の葉神社 後逢えば葵の花が咲く」と読み、「棗を貢いで信太の森葛の葉神社で祝言を挙げましょう」と解釈できます。

(2021年9月発行)

https://www.hitohaku.jp/researchers/fujii.html

《参考》『兵庫県立自然系博物館(仮称)準備室ニュース』

No.1(1989.12.21)~No.6(1992.3.26)

https://www.hitohaku.jp/publication/newspaper/43/pre.html#pre1

★阪口コレクション

https://www.hitohaku.jp/publication/newspaper/43/pre1-06.html

故阪口浩平氏(元京大教授)が生前に収集し、研究した約5万点に及ぶ昆虫標本です。阪口氏は★ノミの研究家として世界的に著名で、同氏が研究した3819点に及ぶノミのプレパラート標本が含まれています。そのなかには同氏が発見し、新種として学会に発表したときに用いたタイプ標本14点も含まれていて、学術的に極めて価値が高いものです。ノミは成虫が生きた哺乳類と鳥類にだけ外部寄生する特異な昆虫ですから、採集も簡単ではありません。今後日本ではこれ以上のコレクションは作られないと思われます。世界に誇れる貴重なものです。ノミ以外では、チョウ4万2千点、甲虫2千点、セミやカマキリなど2千点と実に多彩です。これらは東南アジアはもとより、アフリカ、南米など世界各地から集められ、一般の興味を引くものがたくさんあります。また、今日では入手困難となった種も多数含まれていて、基礎的コレクションとして高い価値があります。阪口コレクションは他県の博物館や個人コレクターからの譲渡希望にもかかわらず、県内の公共機関での永久保存と公開を強く希望されたご遺族の好意で準備室で入手することができたものです。これまでに淡路島津名町で催された「くにうみの祭典」で既に一部公開されています。

★ノミのプレパラート(阪口コレクション)

https://www.hitohaku.jp/publication/newspaper/43/hm18-7.html

あらゆる昆虫採集のうち最も大がかりなものはノミの採集ではないでしょうか?一口にノミといっても、世界には1,750種、日本だけでも69種ものノミがいて、それぞれ決った動物の血を吸っています。ノミを採るにはその寄主動物を捕える必要があります。故阪口浩平博士は、そのようなノミの研究者でした。博士がもっとも苦労なさったのは北海道のヒグマからクマノミを採る際だったそうです。オオミズナギドリに寄生するハゴロモトリノミで、ジェームソン博士とともに若狭湾の冠島で発見し、記載命名された際のタイプ標本です。鳥に寄生するノミは、一般に、吸血するとき以外はあまり鳥の体にとび移らないため、鳥の巣を探って発見するのだそうです。この標本も幼鳥の近くの堆積物から見い出されました。博物館に収蔵されている阪口博士の昆虫標本はおよそ5万点、そのうち約4000点がこのようなノミのプレパラート標本です。

・・・ベントス展、「甲南漬」が食べたくなりました。

 

《参考》髙嶋酒類食品(株)本社

https://www.konanzuke.co.jp/

658-0044神戸市東灘区御影塚町3丁目9-16/078-841-0551

https://kobecco.hpg.co.jp/31884/

●甲南漬本店

658-0044神戸市東灘区御影塚町4丁目4-7/078-841-1821

●こうべ甲南 武庫の郷★甲南漬資料館

https://www.konanzuke.co.jp/mukonosato/

658-0044神戸市東灘区御影塚町4丁目4-8/078-842-2508