・・・「ことば」や「もじ」に強く関心を持つようになったのは、職場の先輩の家を訪問させていただいた時、書斎にあった1冊の本との出会いからです。
《目の見えぬ子ら~点字の作文をそだてる》/著:赤座憲久/岩波新書青版1961
https://www.iwanami.co.jp/book/b267371.html
眼が見えない世界とは、決してすべて閉ざされた世界ではない。これは、点字教育を、たんに文章や手紙を書く手段としてでなく、自己の生活をみつめ、心情を豊かにし考えを深めていくためのものとした現場の一教師の実践記録である。その暗闇の世界から次第に人間的な明るさに導かれていく過程の中には、あらゆる教育の★「原型」がある。
●どしゃぶり
雨がふってきた
土くさい
土くさい
どしゃぶりだ
★星
星はキラキラひかっているとみんながいう
ぼくは星を知らない
でも、なんだか
猫のなき声みたいな気がする
《参考》学びを支援する教材・教具の工夫
https://www.hirogaku-u.ac.jp/faculty/shakaihukushi/cat9/kensyo_10.html
どちらも視覚障害(全盲)の小4男子の作品で、60年以上も前に書かれた作品です。「どしゃぶり」の詩は、乾ききった地面に、激しくたたきつけるように降る雨、その情景を「土くさい」と、においで表現しています。また、「星」の詩は、見えなければ表現できない星空を、猫を抱いたときの温かくふわふわとした毛の感触となき声に置き換えて表現しています。見えない世界にありながら、目の見える私たち以上の鋭い感覚で物をとらえていることに驚くばかりです。
・・・さらに、イチハラヒロコさんの「恋みくじ」に出会いました。
《布忍神社》
580-0025松原市北新町2-4-11/072-334-7634
http://www.eonet.ne.jp/~nunose/
★「イチハラヒロコ恋みくじ」
布忍神社(大阪)とイチハラ氏のコラボレーションによる、作家ならではの刺激的な言葉で「イチハラヒロコ恋みくじ」が人気です。
★2003イチハラヒロコ+(株)TAKリアルティデザイン事業部
http://www.takenaka.co.jp/enviro/es_report/2005/general/affiliates/index.html
都市の景観は都市環境保全の重要な要素で、仮囲い塀で囲まれた工事現場も例外ではなくなりつつあります。このような状況の中で、(株)TAKリアルティデザイン事業部が手がけた、そごう心斎橋店の工事用仮囲い塀に付設された「そごう心斎橋店 仮囲いアートプロジェクト Vol.1」が、2004年3月、平成15年度(第14回)大阪市都市環境アメニティ表彰を受賞しました。同賞は、大阪市が都市景観および環境の向上を図ることを目的に、平成2年度に創設したものです。今回受賞した仮囲いアートは、そごう心斎橋店の工事現場を囲う仮囲い塀の御堂筋側に描かれた計11点のランゲージアート(言葉の芸術)。「良縁望む」「できることは山ほどある。」「小さな声だが聞こえている。」など、現代美術家★イチハラヒロコさんの作品が白地に黒いゴシック体の文字でくっきりと描かれています。建設作業所は仮囲い塀で囲まれていて隔絶された世界との印象を与えがちですが、今後もさらに芸術性の高いアートを創作することで、通行人や地域とのコミュニケーションを少しでも高めていきたい、と考えています。
【イチハラヒロコ】
1963京都生まれ。1985京都芸術短期大学(現:京都造形芸術大学)ビジュアルデザイン専攻科修1988よりことばや文字をモチーフに作品を制作。横浜トリエンナーレ2001、豊田市美術館、水戸芸術館、東京都現代美術館等で作品発表する一方で、デパートの外壁工事仮囲いや、横浜のスケートリンクに文字を描くなど、屋外展示も多数。また大阪の布忍神社に★「恋みくじ」を設置したり、イギリスのショッピングセンターで「万引きするで。」と書かれた紙袋を2000枚配布するパフォーマンスをするなど、その活動はユニーク。
・・・もちろん「マンガ」は大好きで、「ドバッ~」「ギュイ~ン」「ガガガー」にコーフンさせられていました。
・・・「ムシムシ工作大集合」の展示台として、「オノマトペ・ボックス(なんと言っても「玉手箱」プロジェクト)」も「虫づくり」と並行して進めました。
・・・ただでさえヒドイ状態の作業部屋が、とんでもないことになっています。むひひひ~
《おまけ》2021.8.17朝日新聞より
週刊文春、中づり広告を終了へ★「一つの文化だった」
「週刊文春」が8月26日発売号を最後に電車の中づり広告を終了する。同誌は約51万7千部(日本雑誌協会調べ)と業界トップ。首都圏を中心に通勤時の風景として定着した「中づり」はなくなってしまうのか。同誌の加藤晃彦編集長は「中づりは雑誌の象徴というべき『ブランド広告』でもあり、一つの文化だった」と話す。地下鉄・東京メトロの広告会社・メトロアドエージェンシーの営業担当者によると、「雑誌の中づり広告は近年減っている」という。同誌の撤退で、減少傾向に拍車がかかる可能性がある。中づりは、通勤時に興味を持った会社員らが駅の売店で雑誌を購入するという「すぐれたビジネスモデル」(加藤氏)だった。だが、ニュースの鮮度が短期間で下がりやすいネット時代には合わなくなりつつある。中づりには雑誌編集の自由を縛る「足かせ」の面があるからだ。中づり広告は、右側(右トップ)には政治家の汚職など硬いニュースを置き、左側(左トップ)には芸能や医療・健康などの軟らかいニュースを置く。その間に他の記事の見出しを並べる。誌面の骨格を中づりを作成する段階で定める必要がある。週刊文春の誌面の校了は火曜夜だが、中づりは日曜にほぼ完成させ、月曜夜に校了する必要がある。そのため火曜の時点で、重大な事件が発生したり、スクープをつかんだりした場合、誌面に入れられても中づりには間に合わない。一方、特報や速報を途中から割り込ませるために中づりで予告した記事を誌面から外せば、読者や書店からクレームを受ける恐れがある。また、同誌は今年3月に電子版を開始した。記事の完成から読者に届けるまでの時間を少しでも短くしようと、木曜以降に全国で発売される雑誌本体に掲載のスクープ記事すべてを、水曜午後4時に配信している。9月には電子版を宣伝するためのキャンペーンを展開する方針で、中づり広告終了で浮いた費用を電子版の宣伝費などに充てる。同誌は現在、中づり広告を東京メトロの丸ノ内線、日比谷線など5路線で計1700枚、大阪メトロで計約1500枚掲示している。メトロアドエージェンシーによると、5路線で2~3日間掲示の正規料金は、128万6千円。割引などがあるため、実際の額は不明だが、年間で数千万円以上のコスト削減効果がありそうだ。「デジタル時代は、その媒体でしか読めないコンテンツでないと、お金を払ってもらえない。スクープとデジタルの相性はよく、中づり広告終了を攻めの一手とし、電子版にさらに力を入れていきたい」と加藤氏は話している。
・・・ちょっぴり寂しい。