★コロナワクチン、鍵は「ガの幼虫細胞」阪大で開発進む/2020.6.3
https://www.asahi.com/articles/ASN633D18N5PPLBJ00H.html
大阪大学などの研究チームが、新型コロナウイルスに対するワクチン3種類の開発を急ピッチで進めている。昆虫の細胞を利用して、効率よくワクチンの材料をつくる方法などを活用しながら、早期実用化をめざす。大阪大学微生物病研究所(大阪府吹田市)の実験室を記者が訪ね、「VLPワクチン」開発の様子を見せてもらった。顕微鏡につないだパソコン画面に現れたのは、ワクチン開発のため、容器で培養している丸い細胞。ヒトではなく昆虫、ガの幼虫の卵巣由来の細胞だ。
https://mainichi.jp/articles/20200507/ddf/041/040/004000c
★コロナ重症化促す「感染増強抗体」発見 阪大、ワクチン開発に一石/2021.5.24
https://www.amed.go.jp/news/release_20210525-02.html
新型コロナウイルス感染症の重症化を促す可能性がある「感染増強抗体」を発見したと、大阪大の荒瀬尚教授(免疫学)らの研究チームが24日、発表した。ウイルス感染やワクチン投与により、感染を防ぐ「中和抗体」が体内にできることが知られているが、今回発見された抗体はそれとは逆に感染性を高める。感染者ごとに重症化リスクを判別できる可能性があるほか、ワクチン開発にも一石を投じそうだ。研究成果は今後、米科学誌「セル」で発表される予定。一部のウイルスでは、感染しやすくする抗体が作られ、重症化につながる現象「ADE」(抗体依存性免疫増強)が起こることが知られている。こうした抗体はSARS(重症急性呼吸器症候群)などでは見つかっていたが、新型コロナではわかっていなかった。荒瀬教授らは、新型コロナの感染者の免疫細胞から得られた76の抗体を解析。新型コロナは表面の突起部分「スパイクたんぱく質」を介して人の細胞にくっついて感染するが、このたんぱく質の「NTD」という部分に作用する抗体に、ウイルスに感染しやすくなる感染増強抗体があることを発見。これが中和抗体の効果を弱めることを突き止めた。中和抗体の量が十分あれば、影響はなかった。感染者の体内の抗体の差を調べると、特に重症患者で感染増強抗体が多かった。一方、非感染者でも感染増強抗体を持っているケースがあり、感染やワクチン投与によって感染増強抗体が増える可能性がある。どの程度重症化に関わっているかは不明だが、荒瀬教授は「感染増強抗体の量を調べることで、事前に重症化しやすい人かどうか調べることができるかもしれない」と説明する。既存のワクチンは、現在分かっているウイルス株に対して中和抗体が十分作られるため問題ないが、今後出現する新たな変異株では感染増強抗体の方が強く働く恐れもあるとし、荒瀬教授は「感染増強抗体を増やさないワクチン開発が必要になる可能性もある」と話している。
★蚕を利用した医薬品製造をめざすKAICOが2.6億円調達、新型コロナ抗体検査キットやワクチンを開発へ/2020.5.25
https://jp.techcrunch.com/2020/05/25/kaico/
KAICOは5月25日、5月22日に2億6000万円を調達したことを明らかにした。シリーズAラウンドの第三者割当増資による調達で、引受先はFFGベンチャービジネスパートナーズ、九州広域復興支援投資事業有限責任組合、東京センチュリーなど。シードラウンドを合わせた累計調達総額は3億円となる。同社は、2019年にTechCrunch Japanに開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2019」のピッチコンテスト「スタートアップバトル」で、100社超の企業から勝ち残ったファイナリストの1社。同社は九州大学が半世紀以上にわたって系統整備と体系的な選抜育種を進めてきた独自のカイコを利用したカイコ・バキュロウイルス発現法により、再生医療用研究試薬やワクチン、診断薬などを大量生産できる生産プラットフォームの構築技術を擁するスタートアップ。カイコ・バキュロウイルス発現法とは、目的のタンパク質DNAをバキュロウイルスに挿入してカイコ体内に注入することにより、ウイルスの増殖に従って目的タンパク質が発現させる方法。発現された目的タンパク質を体内から回収・精製してワクチン製造などに利用する。同社の説明によると、カイコは個々がバイオリアクター(生体触媒を用いて生化学反応を行う装置)の機能を果たすため、開発したタンパク質は頭数を増やすだけで、医薬品の量産が可能なるとのこと。少量多品種の生産に対応できるのが特徴で、複数薬を同時並行開発できるほか、大量生産も容易だとしている。今回の新型コロナウイルスに関しては、技術導出元である九州大学農学研究院日下部研究室が主導し、組み換えウイルス抗原と組み換え抗ウイルス抗体の共同開発。抗原に関しては、新型コロナウイルスのSプロテイン三量体の開発に成功し、 複数の抗体との結合を確認したという。この結果を受け、新型コロナウイルスの抗原・抗体を合わせて供給できることにより、パートナー企業と抗体検査キットの開発を開始した。また、抗原Sプロテインはワクチン候補として今後量産体制を確立し、製薬企業へ共同開発を呼びかけていくという。今回調達した資金は、医療品製造に求められるGMPルールに則った生産設備の施工と機器の設置、研究開発・生産を担う人材増員のために使われる。さらに、同社が擁するカイコ・バキュロウイルス発現によるタンパク質開発の世界展開に向けた動きも加速させる計画だ。
★カイコからコロナワクチン?九大が候補物質の開発成功/2020.6.26
https://www.asahi.com/articles/ASN6V721GN6VTIPE00P.html
九州大学は26日、昆虫のカイコを使い、新型コロナウイルスワクチンの候補となるたんぱく質を開発することに成功したと発表した。「昆虫工場」による大量生産で、数千円で接種できるワクチンの臨床研究開始を来年度にもめざす。九大は世界的なカイコの研究機関として知られる。カイコは遺伝子操作したウイルスを注射すれば狙ったたんぱく質を体内で生産できることから、このたんぱく質を使って、新興の感染症を想定したワクチン開発技術を研究してきた。九大は1月に公開された新型コロナウイルスの遺伝情報をもとに、ウイルスが人間の細胞に感染するための突起状の「スパイクたんぱく質」に着目。大学で飼育するカイコで、このたんぱく質が生成できることを確認したという。別のコロナウイルスの研究では、スパイクたんぱく質を注射したマウスの免疫反応で体内にできた「抗体」で、ウイルスの感染を予防できる結果がすでに得られている。九大は新型コロナでもマウスを使った実験を年内にも終わらせる方針。製薬企業と連携し、早ければ来年度にも人間での研究を始める意向だ。26日の記者会見で日下部宜宏教授(昆虫ゲノム科学)は「ワクチン開発は世界中で進むが、スピードよりも、途上国も含めて接種できる安価なワクチンを、安定して生産することをめざしたい」と話した。また、九大の西田基宏教授(薬理学)らは26日、すでに使われている約1200種類の薬の中から、新型コロナの重症化防止も期待できる薬を3種類、発見できたと発表した。新型コロナの患者にも見られる呼吸不全や血管の炎症などの治療薬のため、早期の投与開始が見込めるとして「年内にも実用化につなげたい」と説明している。
https://www.jst.go.jp/tt/ij2020/withcorona_jst/kaico.html
★カイコからコロナワクチン候補「食べて接種」も?九大など開発/2020.6.27
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/620746/
九州大と九大発のベンチャー企業「KAICO」(カイコ)は26日、新型コロナウイルスのワクチン候補となるタンパク質の開発に成功したと発表した。同大農学研究院が飼育しているカイコ約450種の中に、このタンパク質を大量に作れる種があることを発見。将来的には、カイコのまま「食べるワクチン」の開発も視野に入れている。開発したのは、ウイルスの表面にあるスパイクのような形状の「Sタンパク質」。公開されているウイルスの遺伝子情報を、昆虫に主に感染するウイルスに組み込み、カイコに注射器で注入すると体内にSタンパク質が生成された。新型コロナウイルスは、Sタンパク質が人の細胞表面のタンパク質と結びついて感染するとされる。ワクチンとして事前に摂取しておけば、免疫がその特徴を覚えて抗体ができ、本物のウイルスが入ってきた時にブロックするという。同大は100年以上、カイコを飼育し、医薬品の開発に活用してきた。カイコは人工飼育で容易に増やすことができ、大量生産にも向いているという。今後はマウスを使って実験し、臨床試験(治験)を行う。注射が主に想定されるが、サナギの状態を食べることで腸から吸収されることも期待できるという。同大農学研究院の日下部宜宏教授(昆虫ゲノム科学)は「大量に安く作ることを優先させている。どの国でも使えるワクチンにしたい」と述べた。
・・・各大学での研究に「昆虫」が大活躍、素晴らしい。
《カイコ》(蚕、学名:Bombyx mori)Wikiより
チョウ目(鱗翅目)カイコガ科に属する昆虫の一種。和名はカイコガとされる場合もカイコとされる場合もある。カイコガと呼ばれる場合も、幼虫はカイコと呼ばれることが多い。クワ(桑)を食餌とし、絹を産生して蛹の繭を作る。有史以来養蚕の歴史と共に生きてきた昆虫。カイコは家蚕(かさん)とも呼ばれる家畜化された昆虫で、野生動物としては生息しない。また野生回帰能力を完全に失った唯一の家畜化動物として知られ、餌がなくなっても自ら探したり逃げ出したりすることがなく、★人間による管理なしでは生きることができない。カイコを野外のクワにとまらせても、餌のクワの葉を探さずに餓死したり、体色が目立つ白であるためにすぐに捕食されたり、腹脚の把握力が弱いため自力で付着し続けることができず、風で容易に落下したりして死んでしまう。成虫も翅はあるが、体が大きいことや飛翔に必要な筋肉が退化していることなどにより、羽ばたくことはできるが飛ぶことはほぼできない。なお、他に家畜化されている昆虫としては、セイヨウミツバチ(養蜂)、コオロギ(食用)、ナミテントウ(天敵製剤)などがある。
・・・さ~て現在進められているワクチン接種(1回目)、行ってきました。
《はびきのコロセアム》羽曳野市接種会場
583-0885羽曳野市南恵我之荘4丁目237-4/072-937-3123
《平野区民センター》大阪市平野区接種会場
547-0011大阪市平野区長吉出戸5-3-58/06-6704-1200
https://www.osakacommunity.jp/hirano-center/
★「街角ミュージアム」平野区民センター文化財展示コーナー
https://www.occpa.or.jp/ikou/machikado_M/machikado_M17.html
【杉本光】
http://osakachoukokuka.grupo.jp/photo/481d9b3bdc2a6057db0238ac1ed869b3/5742411
・・・公共の場におけるモニュメントや絵画(緞帳)は、芸術文化への誘いでもあります。