名古屋市公会堂 | すくらんぶるアートヴィレッジ

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《NEWS》2020.9.14サカエ経済新聞より

90周年ロゴマークの募集チラシを手に名古屋市公会堂館長の木村寛さん

イベントホール施設「名古屋市公会堂」(名古屋市昭和区鶴舞1)が10月10日、開館90周年を迎える。同施設は昭和天皇ご成婚を祝した名古屋市の記念事業として1930(昭和5)年に開館した。外観の見た目は当時とほとんど変わらないという。地下1階、地上4階建てで、1~3階部分の大ホール、4階のホールのほか、9つの集会場などを有する。音楽ライブ、演劇、大会、講演会、企業の総会などに利用される。昭和の時代には4階ホールでボクシングの試合もあったという。昭和50年代に半年間休館し改修。2017(平成29)年4月から2年間休館し、照明をLEDに、ホールの座席を広いものに変更、1階ロビー部分のタイル張り替えなど大改修を行った。今回、主に3つの記念企画を実施する。同施設館長の木村寛さんは「本来はコンサートなどを予定していたが新型コロナの影響で断念した」と話す。90周年のロゴマークを募集。明るく、楽しいデザインで登録有形文化財にふさわしいものなどのコンセプトに合ったものを求める。1人何点でも応募可能。賞金は★「ごめんなさい。ありません」(チラシ原文ママ)とするが、応募作品を公会堂ホームページ上の「ウェブ展示会」に掲載するほか、ステージ上で開かれる作品と作者の記念撮影会の開催を予定する(いずれも希望者のみ)。木村さんは「賞金がなく申し訳ないが、公会堂に90歳の誕生日プレゼントという気持ちで応募していただければ。こちらからは思い出をお返ししたい」と話す。現状、1点の応募があり「応募いただいてうれしい。選ばれるかどうかは別として、お子さんでもどなたでも自分が思う作品を応募いただければ」と呼び掛ける。コンセプトや応募要項はホームページやチラシで確認できる。採用点数は1点で選ばれたロゴマークは同施設が作製するポスターやウェブなどに使用される。締め切りは9月30日。10月10日に館内ガイドツアーを開催。「歴史ある建物内に施されたレリーフや、ホール舞台上からの見学、どんな使われた方をしてきたかなど歴史を感じられる事柄をお話しする」と木村さん。10時30分~12時、14時~15時30分からの2回で、各回定員12人。参加無料。事前予約(先着順)が必要で、申し込みは電話とメールで受け付ける。90周年をイメージした「特別なライトアップ」も企画中だという。期間や内容は決定次第、ホームページなどで伝えるという。

 

《名古屋市公会堂》文:歴史作家・吉田茂/オフィスマーケットⅢ/2007年6月号より

https://www.sanko-e.co.jp/read/memory/nagoyashi-kokaido/

1930年、名古屋初の都市公園内に「名古屋市公会堂」が建設された。戦後は占領軍に接収されるなどの波乱の歴史を持っているが、重厚な造りは変わらずに残り、市民の文化の殿堂として親しまれている。当時流行したモダンなデザインや意匠など、細部にわたるこだわりが特徴的な名品といえるだろう。

明治42(1909)年11月19日、愛知県愛知郡御器所村(現・名古屋市昭和区)に鶴舞公園が誕生した。公園はその翌年に予定されていた第10回関西府県連合共進会の会場となり、その後、林学博士・本多静六と工学士・鈴木禎次の全体計画により、近世フランス式の洋風庭園と伝統的な日本庭園(設計・村瀬玄中、松尾宗五)を複合した大規模な廻遊式公園が大正年間を通じて整備された。ちなみにJRの駅名は"つるまい"であるが、公園名は元の地名(水流間)通り"つるま"と読む。その敷地内に、大正13年(1924)1月の摂政宮(昭和天皇)御成婚記念事業として計画されたのが名古屋市公会堂である。御成婚祝賀として建設された公会堂は、他に岩手県公会堂や鹿児島市公会堂(現・鹿児島市中央公民館)などがある。岩手・鹿児島共に昭和2年(1927)に竣工しているが、名古屋の公会堂は同年ようやく着工の運びとなり、3年半の工期を費やして昭和5年(1930)9月30日に完成した。完成までに時間がかかった理由は、着工時の金融恐慌から世界恐慌に至る長い不況による財源不足だったという。最終的な総工費としては当時の金額で約204万円が費やされた。設計は名古屋市建築課が担当したが、顧問として★武田五一、佐野利器、鈴木禎次らが関わったとの伝聞がある。施工は大林組など。延建築面積は1万1939平方メートル。鉄骨鉄筋コンクリート造。地上4階地下1階。座席数2000の大ホールと同700の4階小ホールを有し、他に9室の集会室を備える。大阪★中之島公会堂(大正7年竣工)、東京の日比谷公会堂(昭和4年竣工)に続き、三都においてそれぞれ特色の有る大規模な公会堂建築の揃い踏みが実現した。建物の1階部分を白っぽい龍山石と人造擬石ブロック張りとし、2階以上の外壁を焦茶色のスクラッチタイル仕上げとする落ち着いた外観。直線を基調とした左右対称の平面計画であるが、車寄せと階段室を前面に大きく張り出した姿は単調に陥らない重厚さを付加している。一方、丸味を持たせたコーナーや玄関両脇でアーチ型の突起を持つ独特の塔屋、それに合わせて最上部をアーチ型に丸めた窓部からは柔和な印象を受ける。塔の上部には公園名を象徴する鶴の羽根の意匠が浮彫にされ、全体を引き締める軒周りなど水平のデザイン要素も過不足なく仕上がっている。ファサードの出入口はどっしりとした三連アーチで形成され、ロビー部分は3階までの開放的な吹抜け空間となっている。竣工以来、市民の文化の殿堂として長く親しまれたが、第二次世界大戦中は高射第二師団の司令部として使用され、戦災は免れたものの、戦後は進駐軍に接収された。米空軍の専用施設としての10年を経て、名古屋市に返還された昭和31年から内部施設の整備拡充が行なわれ、再び市民の利用に供する公会堂として復活した。さらに、老朽化に伴い、市制90周年記念事業として昭和55年に建物の保全と機能向上を図る大改修が実施された。3階席まである大ホールには最新の舞台・音響設備が整えられ、日々多彩なイベントに利用されている(現在の席数は1986席)。平成元年(1989)、市の条例に基づき、都市景観重要建築物第1号に指定された。ネオ・ルネサンスの大阪、ネオ・ゴシックの東京と比して、この名古屋市公会堂は最もモダンな要素を体現した昭和初期建築の代表的な名品と位置づけることができる。

 

・・・賞金は、「ごめんなさい。ありません」に感銘を受けて、応募参加することにしました。「ふるさと納税」や「クラウドファンディング」など見返りを期待する人も多く、少し閉口していたんです。「賞金がなく申し訳ないが、公会堂に90歳の誕生日プレゼントという気持ちで応募していただければ。こちらからは思い出をお返ししたい」、私もその「思い出」のおすそ分けにあやかりたいと思っています。

 

・・・あれこれ考えましたが、

 

・・・現在、「ウェブ展示会」開催中です。

【名古屋市公会堂】

466-0064名古屋市昭和区鶴舞一丁目1番3号/052-731-7191

https://nagoyashi-kokaido.hall-info.jp/

このたび、名古屋市公会堂が開館90周年を迎えるということで、多くの皆様に知ってもらおうと「90周年記念ロゴマーク」の募集をさせていただきました。たくさんのご応募誠にありがとうございました。職員一同で熟考の結果、次の採用作品を選ばせていただきました。

https://nagoyashi-kokaido.hall-info.jp/oshirase/rogo.html

 

・・・このご縁を無駄にすることなく、「名古屋行き」を検討しています。