《NEWS》2020.5.26あべの経済新聞より
天王寺動物園が再開、イベントや屋内施設の観覧は中止
新型コロナウイルスの感染拡大防止で臨時休園していた天王寺動物園(大阪市天王寺区)が5月26日、営業を再開した。新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令されたことから、4月8日から休園していた同園。6月2日に再開する予定だったが、大阪府による緊急事態措置の段階的解除が決定されたことで26日に再開を早めた。手すりなどを消毒するなどの感染防止対策を行う。当面の間は、夜行性動物舎、アイファー(爬虫(はちゅう)類生態館)などの屋内施設や、ふれあい広場は閉鎖して観覧を休止するほか、ごはんタイム・おやつタイムなどのイベントも中止。来園者にはマスク着用やソーシャルディスタンスの確保を呼び掛ける。混雑には入場制限する場合があるという。牧慎一郎園長は「お客さんをお迎えできてほっとしている。コロナが収まったわけではないので、いろいろな対策をしていきながら開けていくことになる」と話した。
《参考》2018.4.29現代ビジネスより
上野動物園の動物は8割が絶滅危惧種だった~この地図で「一目瞭然」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55474
2017年6月に誕生したジャンアントパンダの子ども「シャンシャン」。4月15日に307日齢を迎えて体重は24.7kg、ますます愛くるしい仕草を見せてくれている。GW中も大混雑が予想され、5月3~6日のシャンシャンの観覧は、またも抽選。なかなか狭き門だ。しかし、シャンシャンの抽選に外れたとしても、上野動物園には、見ておくべき動物がたくさんいる。なんと上野動物園に現在いる動物の大半が、レッドリスト(絶滅危惧種)に指定されているというのだ。
世界中の絶滅危惧種のリサーチを進めている国際自然保護連合日本委員会(以下IUCN-J)副会長の道家哲平氏は、ある日上野動物園の絶滅危惧種について資料を作ることにした。その時の経緯を次のように語る。「絶滅危惧種についてわかりやすく伝えようと資料を作っていたときに、上野動物園の動物の配置マップと絶滅危惧種にマーキングをしてみました。そうしたら、驚くことに、ニホンザルなどの一部の動物以外、ほとんどの動物に印がついてしまったのです。絶滅危惧種というと、特別なもの、名前も姿も見たことがない珍獣と思っている方も少なくないようですが、昔から親しんでいるよく知っている動物が実はレッドリストに上がっています。ニュースでは、なかなか大きく報道されないことですが、動物園はそういった★絶滅危惧種の問題を子どもといっしょに考えることができる場所でもあるのです。」
★日本中で愛を叫んだけもの「動物園と動物アニメは、絶滅危惧種への関心を高め、寄付を促進する」/東京大学大学院農学生命科学研究科·農学部
https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20191122-1.html
★日本で見られる40種を紹介「動物園で会える絶滅危惧動物」
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/product/17/100300042/
日経ナショナルジオグラフィックは2017年10月16日、ナショナルジオグラフィック別冊の第7弾となる「100年後も見たい動物園で会える絶滅危惧動物」を発売した。付録として、A5サイズ特製クリアファイルが付いている。定価は1,400円(税別)。
・・・そして、ショッキングな写真集に出会いました。
《ナショナルジオグラフィックの絶滅危惧種写真集》著:ジョエル・サートレイ/スペースシャワーネットワーク2011
https://books.spaceshower.jp/books/isbn-60204228
これは『ナショナル ジオグラフィック』の写真家ジョエル・サートレイによる20年越しの代表的作品集だ。サートレイ氏は、北米に生息する絶滅危惧種の撮影を自らの使命としてきた。本書で紹介されているのは、カタツムリから食虫植物、オオカミからアメリカシロヅルまで69種。氏は本作品を通じて、全ての人々に野生生物の保護を強く訴えかけている。
本書の写真は、背景を白か黒1色に統一することで、被写体となった種の魅力を余すところなく表現している。各写真には、その種の現在の個体数、生存を脅かしている要因の説明に加え、写真家本人による洞察力に富んだ解説が添えられている。著名な作家バーリン・クリンケンボルグによるエッセイも必読だ。生物多様性の保全を訴える彼の主張は、読者の心を揺さぶるだろう。
絶滅の危機に瀕した動植物を救うため、現在も懸命な努力が続けられている。本書はいわば北米で最も危機に瀕した種の悲しき名簿として、それぞれの種の存在を人々の胸に刻みつける。と同時に、今すぐにでも行動を起こそうという、著者からの切実な呼びかけを伝えてもいるのだ。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20130922/366248/
ハイイロハマヒメドリ最後の1羽に与えられた永眠の地は、フロリダ自然史博物館のガラス容器の中だった。その鳥はオスだったが、今や鳥類標本の一つとして保存液に浸されて、羽を逆立たせ、目を固く閉じて眠っている。容器に取り付けられた紙製のラベルによると、この鳥が息を引き取ったのは1987年6月16日。その3年半後、政府官報に、ハイイロハマヒメドリが絶滅して絶滅のおそれのある種のリストから除外されたという事務的な記事が掲載された。ハイイロハマヒメドリと、その重要生息地だったケネディ宇宙センターの拠点フロリダ州メリット島の塩性湿地は、もはやESA法の保護対象ではない。メリット島のハマヒメドリを殺したものは何だったのだろう。★犯人は、人間による生活改善の努力だった。人間は、この小さな鳥を捕って食べたり、撃って楽しんだりはしなかった。巣を破壊したのでも、新たな捕食者を導入したのでもない。島での暮らしを快適にしようと、生態系に手を加えただけだった。だが人間がハマヒメドリの窮状に★気づいた時にはもう遅かった。この鳥はミクリ科の草本が茂るメリット島の環境に特化しており、それ以外の環境では生きられない鳥だったのだ。生物を保護しようと思ったら、生息地や生態を考慮して保護計画をたてなければ意味がない。★ガラス容器に眠るこの最後の1羽は、生息地を永遠に失った種の姿そのものなのだ。
・・・むむむ。
《コニカミノルタプラザ特別企画展/ジョエル・サートレイ写真展》
「守るべき生命(いのち)のポートレート」
2015年3月4日(水)~3月30日(月)
コニカミノルタプラザ/ギャラリーA
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20150224/436899/
コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区 以下 コニカミノルタ)が運営するギャラリー「コニカミノルタプラザ(東京都新宿区)」では、地球環境の素晴らしさや生物多様性の大切さをお伝えする企画展を定期的に開催しています。今回は、「ナショナル ジオグラフィック」誌の寄稿写真家としても活躍するジョエル・サートレイ氏の写真展「守るべき生命(いのち)のポートレート」を開催いたします。
※「コニカミノルタプラザ」は、2017年1月23日をもって運営を終了いたしました。
https://wwws.konicaminolta.net/socialmedia/jp/plaza/facebook/kon_apps_00/2015.html
あらゆる生命の基盤である生物の多様性は、地球生態系の一員である私たち人類にも様々な恩恵をもたらし、持続可能な社会の実現に必要不可欠です。それにもかかわらず、WWF(世界自然保護基金)の2014年版『生きている地球レポート』によると、地球の生物多様性の豊かさを示す指数はこの40年間で半減しています。こうした危機的な状況を変えるための活動として、ジョエル・サートレイ氏は、「PHOTO ARK」プロジェクトを2006年に立ち上げました。写真を使った現代版の“ノアの箱舟”を企図したこのプロジェクトは、地球上には多種多様な生物が存在することを知り、その生物の保護に関心をもってほしいという作家の強い思いが込められています。動物園や水族館、野生生物保護センターなどでスタジオ撮影のように撮られたポートレートは、背景が黒や白で統一され、どんな生き物も等しく価値があり、美しく貴重な存在であることを示唆しています。本展は、現在までに撮影された約4,200種のポートレートの中から、絶滅のおそれがある希少動物を中心に、さまざまな生命の魅力あふれる作品を厳選してご紹介いたします。
【ジョエル・サートレイ】Joel Sartore
アメリカのネブラスカ州在住。ネブラスカ大学でジャーナリズムの学位を取得。写真家、作家、講師、自然保護活動家、ナショナル ジオグラフィック協会のフェロー会員、国際環境保護写真家連盟(iLCP)のシニア・フェロー。20年以上のキャリアを誇る「ナショナル ジオグラフィック」の寄稿写真家として30以上のフォト・ストーリーを手掛ける。その他、「Audubon」「Time」「Life」「Newsweek」「Sports Illustrated」など数多くの著名誌に寄稿しているほか、TVの情報・ドキュメンタリー番組などにも紹介されている。
《NEWS》2017.2.20MONGABAYより
キリンは「静かな絶滅」に直面している:IUCN
キリンの数は、1985年から2015年にかけて、約157,000頭から97,500頭へと急落した。彼らの劇的な減少を受けて、キリンのIUCNレッドリストのステータスは「軽度懸念」から「絶滅危惧Ⅱ類」へと二段階跳ね上がった。いくつかのキリンの亜種はその他の亜種よりも大きな絶滅のリスクを抱えている。★国際自然保護連合(International Union for the Conservation: IUCN)によると、象徴的な種であるキリンが急速に絶滅へと向かっている。
1985年から2015年の過去30年で、キリンの数は約157,000頭から97,500頭へと、40%急落した。これにより、このカリスマ的な種は絶滅まで数ステップ近づいた。彼らの劇的な減少を受けて、キリンのIUCNレッドリストのステータスは、「軽度懸念」から「絶滅危惧Ⅱ類」へと二段階跳ね上がった。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/092400552/
★『Q&Q SmileSolar』が「絶滅危惧種」と「偉人とその名言」をテーマに、新コレクションを2015年10月に発売
https://www.smile-qq.com/#/page/
★ラコステ【LACOSTE】絶滅危惧種をモチーフにしたポロシャツ10型が2019年5月22日/23日に発売
《絶滅できない動物たち》著:M・R・オコナー/訳:大下英津子/ダイヤモンド社2018
自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ。絶滅から救われても野生の生き物は元の姿に戻れない
ある生物が「絶滅危惧種」であるとか、絶滅寸前などと聞くと、多くの人は★何とかならないものかと思うに違いない。それらの救出や保護ための募金活動に出会えば必ず応じる人も少なくないはずだ。ところが、生物の「絶滅」をめぐる実際はそう簡単なことではなく、文明の進化のなかでの自然保護は、★複雑な矛盾を抱えている。本書『絶滅できない動物たち』(ダイヤモンド社)は、保護の現場に踏み込んで、その矛盾を明らかにしたノンフィクション。米ニューヨーク・ブロンクス動物園の「爬虫類の部屋」。陸生飼育器(テラリウム)がずらりと並ぶ。十数匹の黄色いカエル。部屋に入れるのは世話をする専門家だけ。それも、入る前には靴底を漂白剤に浸して消毒しなければならない。これらは、世界でも二つしか残っていない個体群で、もう一つの個体群も捕獲され保護されているという。アフリカ東部のタンザニアの山奥、険しい渓谷を経由して滝を形成するキハンシ川が原産のキハンシヒキガエル。2003年以降、野生下では絶滅した。動物園では、完璧な滅菌環境にあるテラリウムのなか、人工噴霧システムで水分を保たれ、特別に飼育された虫を与えられながら何とか生き永らえている。滝でつくられる大量の水しぶきや強風の環境に適応し、滝ばかりか、落差約1000メートルという川の激流が放つごう音のなかでも超音波を感知する内耳構造を持つという。そういう珍しい種だけになお、保護にも力が入っている。野生下で絶滅したきっかけは、1980年代から始まった水力発電プロジェクト。90年に世界銀行が開発援助計画の策定に着手。タンザニアに投資家を惹きつけ、国民に電気のない生活を強いるならわしに終止符を打つためとして、世銀が積極的に融資を行いプロジェクトは進められた。当初は保護のために水の噴霧システムを設けるなどして対策がとられたがうまくいかなかった。それよりタンザニアの★電力不足の方が急務。電気を使える国民は都市部で39%、地方では2%と、その電力事情は内戦で混乱が続くコンゴ民主共和国を下回っていた。米カリフォルニア州で育ったジャーナリストの著者は、学校で干ばつのときは歯みがきの水を節約するようにと教わるなどして環境危機のニュースに敏感になった。そして★1時間ごとに種が3つ消滅するという生物学者の推定を耳にしてショックを受ける。以来「絶滅はよくないこと」「絶滅から種を救うのはいいこと」というのが刷り込みになる。ところが、長じて「絶滅」について取材、情報収集をすすめるほど、先進国の★上から目線的な見方から保護を主張するだけでは問題が解決しないというリアルが心に染みてくる。タンザニアのカエルのように、人間の生活向上を目的にした直接のアクションで絶滅に追いやられた生物ばかりではない。時代が進むに応じての人間の文明活動により「今や気候変動の影響を免れた土地は世界にほとんど残っておらず、環境の変化に耐えきれず、移動も適応もできない生きものにとって★生きのびられるかどうかはひとえに人間の干渉次第ということも珍しくない」という。キハンシヒキガエルは★今や厳重に「保護」された滅菌室にしか存在せず、自然で生息できる見込みはあるのか。地球上に2頭しかいないキタシロサイはケニアで、★周囲を軍隊に警備されて繁殖を強いられている。かつて北米に50億羽いたというリョコウバトは乱獲により20世紀初頭に絶滅したが、★絶滅を招いた人間の手によりDNAから復元されようとしているという。絶滅の危機に至るには、人間が原因の温暖化や生息地の劣化、乱開発のほか病気、侵入種などの原因もある。人間がどの生きものを優先するか、その生きものの救済方法をどう選ぶかは、結果として生物圏を弄んでいることになるのではないか。★救おうとする段階で、野生と自律性が失われ、生命体を変えてしまった存在になりかねない。そうした現場を目の当たりにし★「いっそ、絶滅してしまったほうが―」と、著者の頭の中には★禁断の思いもよぎったものだ。J-CAST BOOKウォッチでは生物の「絶滅」について、これまで『絶滅の人類史』『わけあって絶滅しました。』『トラ学のすすめ』を紹介している。
・・・「禁断の思い」を受け止めつつ、結論を急がず考え続けることしかないかと思うと、つらいなあ。