・・・長らくお待たせ?しました。創作イメージを膨らませるために、様々な情報を収集してきましたが、もうこれ以上はという段階に達しました。それでは、新作「月のアート」(仮題:路地裏の月)を制作プロセスに沿って、紹介していきます。
《金屏風》「のむらびょうぶ」より
http://www。byobu。co。jp/06_byoubu_histry。php
屏風は中国の漢時代にはすでに★風よけの道具として存在していました。その後、王族たちの贅沢な装飾品へと変化していきました。日本には★朱鳥元年(686)に新羅国から献上されたものが最も古い屏風とされています。「屏風」は、文献上では『日本書記』に初めてその語が確認され、現存しているものでは、8世紀に作られた★『鳥毛立女屏風』が正倉院に保管されています。
※第71回正倉院展より/2019年10月26日(土)~11月14日(木)
『国家珍宝帳』記載の屏風で、各扇とも樹下に豊かに髪を結い上げたふくよかな女性を一人配する。第1扇から第3扇は立ち姿、第4扇から第6扇は岩に腰掛ける姿で表される。楮紙(ちょし)を貼り継いだ画面に白下地を施して描かれており、顔や手、着衣の袖口などに彩色が残り、着衣や樹木などには日本産のヤマドリの★羽毛が貼り付けられていたことが微細な残片からわかる。盛唐の風俗を反映した豊満な「天平美人」として名高い本屏風が6扇揃って出陳されるのは、平成11年(1999)以来20年ぶりである。
《参考》「玉虫厨子」
装飾に★玉虫の羽を使用していることからこの名がある。国宝に指定されている。天平19年(747)の『法隆寺資財帳』には金堂に「宮殿像二具」があることを記し、そのうちの「一具金埿押出千仏像」と記載されているものが玉虫厨子にあたると推定されている。「押出」とは、薄い銅板を型に乗せて、槌で叩いて図柄を表した像のことである。鎌倉時代の『古今目録抄』には、「推古天皇御厨子」とあり、「玉虫厨子」という名称は鎌倉時代に遡る。制作年代は7世紀と推定されている。もとは、法隆寺金堂に安置してあったが、現在は大宝蔵院に安置してある。
・・・羽毛や玉虫など、様々な素材が作品にコラージュされてきています。もちろん、私の作品にも。
当時の屏風とは★衝立の事で、現在のように木で骨格を作り、紙又は絹を張って★折り畳む事が出来る様にしたのは日本の創製です。続く平安時代、鎌倉時代の作品はわずかで、数が増えるのは室町時代のこと。当時盛んであった水墨画の屏風と極彩色の屏風が描かれ、金で飾った豪華な「金屏風」が作られるようになりました。この屏風は諸外国で珍重され、安土桃山時代から江戸時代にかけては、贅を尽くしたきらびやかな金屏風がたくさん作られ贈答品として★輸出され、外交上の重要な役割を果たしてきました。
屏風には古代から近世にかけて、唐絵や、日本画でも大和絵、水墨画、文人画など多くの屏風絵が描かれました。屏風絵は安土桃山時代から江戸時代にかけてどんどん芸術としてその地位を高めていきました。日本画の屏風の場合、向かって右から左へ★季節の移り変わりを描くことが多く、屏風は折った状態で鑑賞することを前提で制作されているため、折ることで絵に★立体感が生まれ、さらに正面から見るだけでなく左右に視点を変えることで絵に★変化が生まれ、見る人によって様々に楽しめるよう工夫されていきました。
・・・今回の制作では、折り畳み式「屏風」ではなく、その基本となる★「扇(せん)」1枚を用いた★「衝立」にしました。作品「Fuji」は横長で、構成として最終的に縦の衝立を付け加えた経緯もあり、今回は出発点から「縦長」にしました。さて下地づくりですが、
《燕子花図屏風》作:尾形光琳(1657~1716)/根津美術館より
http://www。nezu-muse。or。jp/jp/exhibition/index。html
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、特別展「国宝 燕子花図屏風 ―色彩の誘惑―」は中止とさせていただきます。なにとぞご了承ください。
★特別展「国宝燕子花図屏風」色彩の誘惑
2020年4月18日(土)~5月17日(日)
カキツバタの群生を、金箔を貼った大画面に群青[ぐんじょう]と緑青[ろくしょう]の二種の絵具のみを使って描いた作品です。これら★青と緑と金(黄)の三色は、しばしば組み合わされて、日本・東洋において特別な伝統を有する色でした。その一方、本作品の色彩感には、江戸時代ならではの美意識が反映していると見ることもできます。本展覧会では、紺紙金泥経や、青や緑を主調とする画面に金彩が加わった中世の仏教絵画、あるいは唐時代以来の金碧[きんぺき]山水などと、この三色が活躍する清新な古九谷や黄瀬戸など同時代の陶芸作品、さらに、色彩傾向を同じくする金屏風の数々をあわせて展示することで、「燕子花図屏風」に新しい光を当てることを試みます。
・・・「金」は主張が強くて使いこなすことが難しいので、私は基本的には「銀」を用いていきたいと思います。何よりも★箔特有の四角い筋がお気に入りで、様々な素材を方形にしてコラージュしていきます。
・・・少し素材感の強い下地ですが、これから様々に塗り重ねつつコントロールしたいと、考えています。(うまくいくかどうかはイキアタリばったり)