●盛圭太/Keita MORI
1981北海道生まれ、フランス・パリ在住。パリ第XIII大学大学院美術研究科先端芸術修了。2011より紙や壁の上に糸をグルーガンで張る独自の手法でドローイング制作を行う。2017フランス初となるドローイングに特化したアートセンター、ドローイング・ラボのオープニング個展作家に選出される。近年の展覧会に、ヴォルフスブルグ現代美術館(ヴォルフスブルグ、ドイツ)、国立新美術館(東京)などがある。
●浅野忠信/Tadanobu ASANO
1973神奈川県生まれ。1990松岡錠司監督の「バタアシ金魚」でスクリーンデビュー。セルゲイ・ボドロフ監督「MONGOL」は第80回(2008)米アカデミー賞で外国語映画賞にノミネート、2010根岸吉太郎監督「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」、木村大作監督「劔岳 点の記」にて第33回日本アカデミー賞優秀主演男優賞をダブル受賞。また、熊切和嘉監督「私の男」では、第36回モスクワ国際映画祭でコンペティション部門最優秀男優賞を受賞。俳優業のみならず、音楽家としても活動し、「SODA!」でバンド活動や、DJも行う。2019「TADANOBU ASANO 3634 浅野忠信展」をワタリウム美術館にて開催。
《NEWS》2019.1.25朝日新聞より
1枚10分、足上げて描く浅野忠信/孤独な撮影で画風が
俳優浅野忠信さん(45)の個展「3634」展が、東京・神宮前のワタリウム美術館(月曜休館、2月11日は開館)で3月31日まで開かれている。俳優業や音楽活動の合間を縫い、自由気ままに描いた絵は5年間で個展名である3634枚にのぼる。ハードロック的なものからアメコミ風など厳選した700点が会場にあふれ、浅野さんの頭の中をのぞいているような気分に浸れる。その果てしない創作の源はどこにあり、なぜ描き続けるのか。浅野さんに聞いた。
――たくさんの作品をいつどのように描いているのでしょうか。
「いつでもどこでも描いています。制作時間はだいたい1枚10分以内ですね。紙袋や処方箋の紙の裏もありますが、普通のA4のコピー用紙が大量に家にあるので、それに描いています。うつぶせに寝っ転がって足をあげながら描くのが一番楽で、その格好じゃないと描けなくなってしまいました。さすがに家以外だと座って描いていますけどね。でもやはり、リラックスできる場所でリラックスできる状態で描くのが好きです」
――演技や音楽で表現する中で、なぜ絵でも表現しているのですか。
「俳優の仕事はやりがいと共にストレスもたまりますが、そういったストレスが一切無いのが絵です。自分の中にたまった気持ちを発散してくれます。誰から頼まれているわけでもなく、描きたいものだけを描いているので、やめたければやめます。そういう意味では一番気持ち良いものです」
「忠信」という名前の由来は…
――初めて絵に興味を持ったのは3歳ごろだそうですね。昔からずっと絵が好きだったのでしょうか。
「私の忠信という名前は、絵描きをめざした父が画家★横尾忠則さんの『忠』からとって名付けてくれました。有名な画家の名前が由来になっていることがうれしく、自分が絵を描くことを許されている気がしていました。絵を描いていると自分の世界に入れて夢中になれ、とても心地良い時間でした」
――それは大人になるまでずっと続いたんですね。
「ずっと描き続けていました。高校生のころ、僕のスケッチブックを見た友達に『忠信はよく絵を描くよな』と言われたことがあります。人はみんな絵を描いているものだと思っていたので、その一言を聞いて、描かない人もいるんだということに気付きました。意識して絵を描くようになったのはそこからだと思います」
――白黒で描く画風に至った経緯を教えて下さい。
「画集を2冊出した後、30代のころに横浜の貸工場を借りて、油絵やスプレーを使って描き始めたんです。でも散々やった後、『めんどくさい』ってなっちゃったんですよ。水を用意しなきゃいけないし、大きいキャンバスは保管場所が大変だし。これ以上こんなことはやりたくないと思い、じゃあ次は何をやろうかなと。そのときに『白黒だったら良いんじゃないか』って思ったんです。それから、白黒で鳥などの動物を描いていました」
――その後、2014年に中国であった映画の撮影が大きな契機になったそうですね。
「現場ではほぼ日本人が僕一人で、なかなか自分の思いが伝わらずにものすごい孤独とストレスを感じていました。気付くとスケジュールの紙の裏とかにボールペンで描いていて、それがすごくしっくりきたんです。『これだ!』と気付きました。何でもない紙に何でもないボールペンで描く。これだったら続けられると思いました」
――ボールペンと他には何か使っていますか。
「道具は主にボールペン、万年筆、太いサインペンです。今回の展示作品には色つきの作品もありますが、それはCM撮影のときにカラーペンを差し入れしてもらって、家で描きだしたらすごく楽しくて。飽きたから、今はまた白黒で描いてます」
●狩野哲郎/Tetsuro KANO
1980宮城県生まれ、東京都在住。東京造形大学大学院修了。既製品や植物を組み合わせ、空間へのドローイングとしての新しい「風景」を造り出す。近年のインスタレーションでは、時に鳥という「他者の視点」をとりこみ、狩野の作品世界では、人間にとっての価値観や認識方法が宙づりにされ、普段、私達が意識することのない新たな知覚や複数的な世界の想像を促す。
●江頭誠/Makoto EGASHIRA
https://makotoegashira.wixsite.com/artwork
1986三重県生まれ、東京都在住。2011多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。戦後の日本で独自に普及してきた花柄の毛布を主な作品素材として用いて、大型の立体作品、空間性を活かしたインスタレーション作品を発表する。発砲スチロール製霊柩車を毛布で装飾した「神宮寺宮型八棟造」が第18回岡本太郎現代芸術賞で特別賞を受賞。空間内に毛布で洋式トイレを造った「お花畑」 は SICF17 でグランプリを受賞。 主な展覧会として、「BIWAKO ビエンナーレ 2018」(近江八幡市街)「六本木アートナイト 2017 ( 六本木ヒルズ、2017) ほか。
・・・ようやく、「六甲枝垂れ」が見えてきました。
●岩城典子/Noriko IWAKI
1985愛知県生まれ。大阪府在住。大阪芸術大学美術学科卒業。頭の天窓を開きたいという思いで、高さ3mほどの巨大オブジェから小さな箱庭作品まで制作。野外展示やモビールと立体造形で構成されるインスタレーション展示を行う。展示空間では、ダンサーや音楽家とのパフォーマンスイベントやワークショップなどを開催。帽子やジュエリー、服飾ブランドとのコラボアイテムの制作なども積極的に行っている。
●大畑幸恵/Yukie OHATA
広島県生まれ、兵庫県在住。東京学芸大学大学院修了。大学で油絵を専攻し、出身地広島のカキ殻に覆われた海岸に触発され貝を作品に使用しています。貝は場所によって種類が異なり、環境・歴史などのストーリーは様々な連想を促します。海と人は古代から深く関係し、近代の海辺は変化の象徴的な場所といえるでしょう。私は貝殻を用いて海や人の営みをテーマに制作しています。
★自然体感展望台「六甲枝垂れ」/設計:三分一博志
https://www.rokkosan.com/gt/shidare/
六甲山の上に立つ一本の大きな樹のような「自然体感展望台 六甲枝垂れ」。総檜葺きの展望台では、フレームや壁、床に奈良県・吉野の森で厳選されたヒノキを使用して作られています。内部に入ると包まれるようなヒノキの優しい香りと、「枝葉」というフレーム越しに降り注ぐ太陽の光を感じられる展望台。その季節ならではの体験をして、六甲山の自然に触れてみましょう。
・・・理屈抜きに、風景。時間を忘れる。