・・・ずっ~と気になっていた映画、ようやく観ました。★塩崎祥平監督との出会いは2016★「葛城アート」でしたから、あれから3年近く経ったわけです。
【塩崎祥平】(1979~)
大阪府八尾市出身の父と大阪市福島区出身の母の間に生まれる。奈良県大和郡山市出身。高校卒業後にアメリカ合衆国に渡る。サンノゼ州立大学で映画制作について学習した。2004年に帰国後、百米映画社に入社し、通訳や演出助手などを務める。
https://www.100meterfilms.com/
2007年から短編映画の監督を始め、初監督の『おとうさんのたばこ』は2008年にハリウッドで開催されたPictures Battlek×Show Biz Japanの最優秀作品賞に選ばれた。一方で川本喜八郎の遺作となった★『死者の書』(折口信夫の同名小説が題材)の海外販促を担当し、川本ともつながりを持った。
http://chirok.jp/product/content2/dead.html
長編の初監督作となった『茜色の約束 サンバ do 金魚』は出身地の大和郡山市を舞台として2009年から脚本に着手、自ら制作会社を立ち上げて2012年に公開され、関西では2万人以上の観客を集めた。
・・・監督曰く、関西で多くの観客を集めないと「関西発」の映画は作れなくなる。
『茜色のサンバ』完成後、次作も奈良県を舞台に作ることを構想し、2012年に帰郷する。元来は自分も妻も実家を嫌って関西から離れ、映画産業が東京に集中していたことからその後も戻らなかったが、妻の実家に住むことになり、そのときの体験がベースとなって長編2作目となる『かぞくわり』の企画が生まれたと述べている。『かぞくわり』は川本の遺作と同じく★折口信夫の『死者の書』から着想を得ているが、川本との出会いが「僕の映画の基礎」と発言している。
http://chirok.jp/news/detail.html?id=37
・・・先日「蓮取り行事」に参加しましたが、美しい「蓮」が映画に登場していました。役行者も登場しました。
《映画「かぞくわり」》監督:塩崎祥平
日本の割れた家族はどこへいく
堂下香奈、38歳。画家になる夢を挫折し、両親の元で無気力な生活を送っていた。だが、妹の暁美と娘の樹月が家に住み着き、香奈を軽蔑したことで堂下家の生活が一変する。家に居づらくなった香奈は神秘的な男性と出会い、ふたたび絵を描くようになった。絵に没頭するようになり、香奈が内に秘めていた魂が目覚める時、家族、そして奈良の街に危機が降り掛かる——。
★「死者の書」
釈迢空(折口信夫)による幻想小説。現在の奈良県葛城市にある古刹★当麻寺に伝わる当麻曼荼羅縁起★中将姫伝説に想を得て書かれた。平城京の都が栄えている頃を舞台に、中将姫と非業の死を遂げた★大津皇子の亡霊の邂逅を描いた作品。初出は1939年(昭和14年)に『日本評論』1月・2月・3月号にそれぞれ「死者の書」「死者の書(正篇)」「死者の書(終篇)」として掲載される。1943年(昭和18年)9月には青磁社から雑誌掲載分を各章の入れ替え・増補校訂した単行本『死者の書』として出版された。現行版(文庫)は、青磁社本を底本とした中公文庫(改訂版1999年)、岩波文庫(2010年)、角川ソフィア文庫(2017年)。
《参考》生誕130年記念特集展示「折口信夫と『死者の書』」/於:國學院大學博物館
平成28年9月3日(土)~10月10日(月・祝)
★近藤ようこ『死者の書』漫画原画20点も展示
http://museum.kokugakuin.ac.jp/event/detail/2016_orikuchi_exhibition.html
・・・もとより、この映画では主人公が「絵を描く」という行為が、大きな柱になっています。なぜ描くのか、何を描くのか。
【弓手研平】(1970~)
http://blog.livedoor.jp/k_yunde/
https://www.issuikai.org/member/iin/2774-bio.html
・・・「葛城アート」でお世話になっている弓手研平さんが、「かぞくわり」のチーフプロデューサー・劇中画担当画家を務めておられます。これまでコダワリ・取り組んできた事々が結晶化していくような、そんな映画でした。時間をかけて、ひとつひとつ丁寧に紐解いていきたいと思います。
・・・監督とはゆっくりお話できませんでしたが、また「葛城アート」でお会いできることを楽しみにしつつ、この映画を通して感じたこと考えたことをもとに、「葛城アート」2019の制作を開始したいと思います。