・・・もっとも好きな模様は「ストライプ」(縞模様)、
雷鳥に★万年雪の縞模様/阿波野青畝
二番茶に間ある★茶山の縞模様/能村登四郎
a striped cat in the Heian-like garden a wandering soul
(平安朝風の庭園に縞模様の★猫 さまよえる魂のよう)/Janick Belleau(カナダ)
雷が★西瓜に入れし縞模様/高澤良一
大夕焼赤き★棚田の縞模様/島崎正彦
七月の縞模様なす★柵の影/末永朱胤
夏芝居見せ場の★背の縞模様/谷原恵理子
星祭チョコの★包みの縞模様/岡本惠子
朝日涼し★野良着も★蠅も縞模様/香西照雄
《参考》「もんぺ」
和服における袴の形状をした作業着の一種、またはそれを改良した作業用ボトムス(下半身を纏う為の衣服)を指す。一般的に女性用衣類で名称は地方により、山袴(やまばかま)、雪袴、裁着(たっつけ )、軽衫(かるさん)、裾細(すそぼそ)など多様に呼称がある。★季語は冬。語源については不明が多く、明治時代から昭和前期の風俗史家である宮本勢助は「山袴の話」(1937年)において、山形または米沢の人物、または紋平などという人物が始めたなどの珍説があるものの、通俗語源説の域をでないと有力視はされていない。もんぺという言葉自体は、山袴、裁着、軽衫などよりも新しい呼称としている。
・・・様々なものや風景に「縞模様」があり、それらに心打たれて句が詠まれています。
《参考》連載コラム『俳人編集者の四季(22)』高知新聞
目には青葉山ほととぎす・・鰹はどうした?!/文:谷村鯛夢
カツオは今や国際商品である。5月24日のこと。朝日新聞の朝刊。一面の名物コラム「天声人語」に眼を通す。すると、季節ネタの枕におなじみの山口素堂の句「目には青葉山ほととぎす初鰹」を振っていて、ちょっと常識的すぎないか、と思っていると、「先月来、カツオの不漁が報じられる」という形でいきなり本題となった。このあとは周辺ネタで「売値も高く、東京にある土佐料理の店では、高知らしい豪快な切り身を薄くすることもできず弱ったと聞く」と書いている。テレビでは、朝のワイドショー番組が7時台から「今年はカツオが日本近海に来ない」というニュースを伝え、僕の友人の水産経済学者、山下東子教授が「今や、世界一のカツオ漁獲国はインドネシアなんですよ」とコメントしている。カツオが不漁、それも高知と和歌山の不漁が顕著なのだそうだ。そういえば、先日送ってもらった高知新聞の一面に「カツオ不漁」が大きく扱われていたことを思いだした。その記事を目にした時は、まあ、そんなときもあるんじゃないですか、という感じで、読み飛ばしてしまっていた。なにやら今年は海水の水温が低く、高知沿岸や和歌山沿岸に近寄ってこないのだそうだ。通常はこうではない。春、台湾沖を北上し始めたカツオの大群は、薩摩、土佐、紀州の沖を通り、伊豆半島、房総半島あたりに達するのが初夏、5月ごろ。このタイミングで詠まれたのが、この季節になるといつも使われる「目には青葉山ほととぎす初鰹」である。この句の作者は江戸前期の有名俳人、山口素堂。後に俳聖と呼ばれる松尾芭蕉の親友で、漢学、茶道、能楽にも通じた大風流人。味にもきっとうるさかったにちがいない。それにしても、「青葉」「ほととぎす」「カツオ」と、夏の季語を三つも入れての一句、初心者の作なら、いわゆる「季重なり」の指摘を受けて、すぐ添削されてしまうかもしれない。しかし、素堂先生のように、ここまでやってしまうと、文句あるか! という感じで痛快。多分、この痛快さ、すっきり感が江戸っ子の気風にあったのだろう。なにしろ、京都、大阪の上方文化、都ぶりに対抗しようという新興都市江戸では、「宵越しの金は持たねえ]の金使いの良さ、そして「初物食い」を極上の美学としていた。特に、新奇なものには目がなく、「女房を質に入れても食うぜ!」というわけで、初ガツオへの熱狂ぶりなどその最たるものということになる。こういう気風に、素堂先生の一句が拍車をかけたのか、初ガツオ1尾の値段はとんでもない高値となり、江戸後期に最高期を迎えて、なんと2両3分。現在価格で10万円前後。さらに、この値で仕入れた料理屋から当代一の人気★歌舞伎役者、中村吉右衛門が一尾3両、約15万円で買い求め、大部屋の役者たちに大盤振る舞いをしたという。まさに「ヨッ、千両役者!」である。先の「天声人語」は今回のカツオ不漁を受けて、東京の土佐料理店の献立を心配するだけでなく、「江戸時代なみの高値にならなければよいが」とも書き添えた。そして、不漁の原因として、海水温だけでなく、中西部太平洋での乱獲についても言及していた。ここからは旬の話題というよりは、クジラやマグロと同様、カツオも国際的な水産資源、それも限られた資源なのだ、という話になる。土佐の一本釣りならば・・・日本人は「ツナ」と言えばマグロと思っている人が多いが、英語でカツオを★「ストライプド・ツナ(縞模様のツナ)striped tuna」というように、実はカツオも国際的には「ツナ」。そして、この安くて美味しいツナでツナの缶詰、いわゆる「ツナ缶」を作る。これがいまやタイをはじめ、インドネシア、フィリピン、韓国などで大産業となり、欧米への輸出の主要品目となっている。もちろん現地でも家庭の味として普及している。先にテレビのコメントの話しで紹介した山下東子先生は、大東文化大学経済学部の教授で、「魚の経済学」(日本評論社)などの著作でも知られる水産経済学者。そして、研究で各国を回る中で、それぞれの国の特徴的なツナ缶を集めてきた「ツナ缶コレクター」でもある。現在、30数か国、300個超をコレクションしている。タイカレー味のツナ缶、キムチ味のツナ缶・・・。それぞれのツナ缶の主張が、生産国のバイタリティを感じさせてくれるという。また、イルカ・セーフマークで「イルカを混獲していません」とアピールしたり、イスラム圏向けにいわゆる「ハラール」認証を受けたりと、まさにこれは国際商品であり、食品工業製品。売れるとなれば、巻き網でも何でも、原材料をごっそりとる。土佐の一本釣りのような形なら、地球環境と折り合っていけるのですが、という山下教授の顔が、ちょっと寂しそうだった。
【谷村鯛夢】
1949年、高知県室戸市生まれ。72年、同志社大学文学部卒業。「マイクック」「婦人画報」「25ansウエディング」「HOW TO MAKE UP」「トランタン」などの女性誌に編集者、編集長として長く関わり、2005年より出版プロデューサー、コラムニスト。携わった俳句系書籍、コラムも多い。現在、俳人協会会員、現代俳句協会会員。俳句結社「炎環」同人、「馬醉木」会員、俳句集団「粗々会」同人。編集工房・鯛夢を主宰(谷村和典)。
《参考》2017.4.15NIKEI STYLE「ライフコラム」より
魚のしましま模様はどうやってできるの?
https://style.nikkei.com/article/DGXZZO15203490S7A410C1000000?channel=DF210220171916
きれいな模様は熱帯魚に多く、いろいろな形があるよ。しましまは体の形をわかりにくくし、敵から逃げるのに便利だという人がいるよ。ただ、すべての魚に当てはまるわけではない。白と黒のしましまの「ゼブラウツボ」という魚は、ほかの魚に襲われることはほとんどない。模様がある意味がわからない動物は多いね。それにしても、どうやって模様はできるのだろうね。最初に体の色が決まり、後からしましまや水玉を描いたわけではないらしい。いつの間にかできあがるんだ。よく見てごらん。どんな魚でも、同じパターンを繰り返しているよ。しましま模様ならば、一定の間を置いて線が並んでいる。水玉模様は、円がきれいに散らばっているね。形はいろいろだけど、どんな魚でも同じルールで模様ができるんだって。そのルールは数字の式で表せるんだ。とても複雑にみえる魚の模様だけど、数字で決まっているなんて面白いね。魚に模様ができるナゾを研究している人がいるよ。魚の体には、色をつける細胞があるそうだ。(以下略)
《海の歌舞伎役者「イシダイ」》2015.10.21サカマ図鑑より
https://blog.sakama.tokyo/blog/archives/945
押し潰されたような独特の体形に、縦に黒の縞模様が鮮やかなイシダイ。この★縞模様が歌舞伎の「三番叟(さんばそう)」の烏帽子に似ていることから、市場関係者では縦縞がはっきりしている若魚を「サンバソウ」と呼んでいます。余談ですが、三番叟とは豊作を願う祝言の舞のことで元々は能楽を構成する特殊な芸能の一つでしたが、歌舞伎や文楽、それらの舞台で欠かせない常磐津節や義太夫など広く現在でも日本の伝統芸能の世界に息づいています。(以下略)
《参考》「三番叟」
能の『翁』すなわち『式三番』の後半に狂言方が演じる舞。近年狂言の会などで、『三番叟』の部分だけが独立して演じられることがある。『翁』と同様に特別に神聖視され、直面 (ひためん) で演じる揉 (もみ) の段と、黒尉 (こくじょう) の面をつけて舞う鈴の段から成る。 (2) 人形浄瑠璃芝居では、開演に先立って『三番叟』が演じられてきた。現在文楽では二人三番叟の『寿式三番叟』が行われる。淡路や阿波の人形芝居では、序開きの祝言に「神舞」と称して演じられる。 (3) 歌舞伎では、延宝6 (1678) 年の『古今役者物語』に『式三番』がみえており、かなり古くから開演にあたって演じられたと考えられている。芝居の年中行事が整ってからは、能の『翁』にならい、顔見世、正月の仕初め式、劇場の新築開場式などに、「翁渡し」と称して『式三番』を舞うのが決りであった。現在行われるのは『翁千歳三番叟』である。
《定式幕(じょうしきまく)》歌舞伎座HPより
https://www.kabuki-za.co.jp/sya/vol110.html
歌舞伎の舞台効果に重要な『幕』の数々。『引幕』『浅黄幕』『道具幕』『黒幕』『袖幕』『揚幕』・・・など。その中でも、それを見れば誰もが『歌舞伎』と連想出来るほど、歌舞伎のシンボルのようになっているのが、『定式幕』と呼ばれる引幕です。(幕を引く人が手動で左右に開け閉めするので、引幕といいます。)この定式幕は『狂言幕』ともいい、★三色の縦縞のデザインですっかりお馴染みですね。江戸時代、芝居小屋における引幕は、いわゆる『江戸三座』(中村座・市村座・森田座)と呼ばれる官許(幕府の許可)の芝居小屋だけに許されていた大変名誉なもので、それ以外の小芝居では、引幕の使用は許されませんでした。また、定式幕の三色の配列は各座(江戸三座)によって、異なっており、中村座は黒・白・柿、市村座は黒・萌黄・柿、森田座は黒・柿・萌黄の順序(左から)でした。そもそも定式幕の起源は、中村座座元初世中村勘三郎が、幕府の御用船『安宅丸』の江戸入港の際、得意の木遣りで艪漕ぎの音頭とり、見事、巨船の艪の拍子を揃えた褒美に船覆いの幕(帆布ともいわれている)を拝領したものとされています。これが黒と白の配色だったようで、その後、黒・白・柿の中村座の定式幕となったと伝えられています。本年三・四・五月に歌舞伎座で、十八代目中村勘三郎襲名披露興行が行われた際、この黒・白・柿、三色の配列の定式幕を使用していました。ご覧頂いたお客様も大勢いらっしゃると思いますが、定番のものとは違ったその配色は、とても新鮮に見えたことと思います。記憶に新しいですね。現在、歌舞伎座の定式幕は、黒・柿・萌黄の森田座式を踏襲しています。これは、明治初頭から新時代の歌舞伎界をリードする立場になった辣腕の興行師、十二代目守田勘弥により、浅草猿若町から新富町(現在の歌舞伎座の近く)に移ってきた『森(守)田座』の狂言幕が、今日に伝わっているといいます。江戸時代に開花した歌舞伎の伝統と美意識が、今も引継がれている歌舞伎座です。
《NEWS》2018.1.26haconiwaより
★草間彌生デザインの「祝幕」が歌舞伎座の舞台を彩る!松本幸四郎さんがお披露目
http://www.haconiwa-mag.com/magazine/2018/01/iwaimaku/
年明けから歌舞伎界で話題となっていることと言えば、二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎の高麗屋三代襲名です。歌舞伎座では、高麗屋三代襲名披露興行として、1月2日から「壽初春大歌舞伎」がスタート。そして2月には「二月大歌舞伎」が開幕します。その「二月大歌舞伎」の公演初日にお目見えする「祝幕(いわいまく)」は、襲名披露興行を彩る特別な引幕だということで、1月23日(火)に祝幕デザイン発表会が行われました。高麗屋三代襲名を祝うのは、草間彌生デザインの巨大「祝幕」。歌舞伎座の舞台にかかる引幕は、黒・柿・萌葱の三色の布を縦に縫い合わせて作られたものが使われています。それを「定式幕(じょうしきまく)」と言いますが、今回のような襲名披露興行の際、後援会や御贔屓の方より俳優に提供される特別な引幕が「祝幕」です。『口上』をはじめ襲名演目上演の際に、「定式幕」の替わりに使用されることが多いのだとか。デザインは、草間さんが2009年から精力的に取り組んでいる大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」から、2017年に制作された3点を並べてつくられています。作品のテーマは、「愛を持って人生を語ろう」。高さ7.1m×幅30.3mの巨大な作品となる祝幕ですが、草間さんの絵画のみでこれだけ大きなものになるのは、世界でも初めてのことだそう。幸四郎さんは今回草間さんとお話した際に、「一緒に新しいことをやりましょう」という言葉にエネルギーを感じたんだとか。祝幕に使われている3つの作品は、たくさんある作品の中から幸四郎さんが選んだもの。常に新しい作品を生み出し進化を続ける草間彌生さんだからこそ、そのパワーを感じるものが良いという想いもあって、2017年に作られたばかりの新しい作品を選んだそうです。このデザインを見たとき、「これ以上はない」と思ったという幸四郎さん。地色に、祝幕にはこれまで使われたことはないであろう黒を使っているということも、新しいデザインだと感じたそうです。高麗屋の節目にみなさんをお迎えする作品として、素晴らしいものになったとおっしゃっていました。
・・・草間さんと言えば「水玉模様」、さて「縞模様」に心奪われるようになったのはいつ頃からだろうか?
●1913「森永ミルクキャラメル」/森永製菓
https://www.morinaga.co.jp/caramel/history/day.html
●1922「グリコ」発売/江崎グリコ
https://www.glico.com/jp/newscenter/pressrelease/17061/
●1927「サイコロキャラメル」発売/明治製菓
●1929「明治ミルクキャラメル」発売/明治製菓
★1934「フランスキャラメル」発売/不二家
https://www.fujiya-peko.co.jp/company/company/history.html
この「フランスキャラメル」は「ミルキー」が誕生する前の不二家を支えた「バニラ、コーヒー、チョコレート」の★3色のキャラメルで、フランスの国旗をモチーフとしていた。そのパッケージについていた女の子のモデルは、シャーリー・テンプル。彼女は、メンソレータムのキャラクター「リトルナース」のモデルでもあった。デザインしたのは、南海ホークスのマーク等を考案した故★今竹七郎氏で、1951年当時、メンソレータム社の販売権を持っていた近江兄弟社が依頼し、「メンソレータム」として発売した。今竹氏は、当然のようにギリシャ神話のアポロをモデルに、男の子「メンタームキッド」もデザインしたが、販売権の移動により現在は、メンソレータムはロート製薬が、メンタームは近江兄弟社が商標登録とし、別々のキャラクターとして使用している。
【今竹七郎】(1905~2000)
https://jmapps.ne.jp/otanimuseum/sakka_det.html?list_count=10&person_id=51
兵庫県神戸市に生まれる。戦前には大丸百貨店や高島屋の宣伝部に勤務するも、戦後に独立。1929年には中山岩太らと神戸商業美術研究会を発足させ、1937年には「プレスアルト」の発起人となる。特に、関西のデザイン界を戦前戦後を通じて牽引する役割を担う。輪ゴム(共和ゴムの「オーバンド」)のパッケージデザイン、メンタームの少年とメンソレータムの看護婦の少女のデザイン、南海ホークスのシンボルマーク、関西電力の社章デザイン等身近なものにも有名な作品がある。自らのおしゃれにもこだわり、そのメガネフレームは左右非対称のデザインであった。2000年2月26日死去。享年94。ご子息・ 今竹翠さんは、デザイナーであり建築家です。
https://das.or.jp/?page_id=2063
http://nishi-arts.jp/section/design/section_d_mi.html
・・・私の記憶では、この「フランスキャラメル」ではないかと思うわけです。3つの味と3つの色が、私をトリコ(トリコロール)にしたような気がします。
《参考》noteより
ファッション視覚心理考:「ストライプ柄」/文:Niena Hino
https://note.mu/global_executive/n/n1ea4a5d54bb8
ストライプ柄は、
●その人の長所や才能を伸ばす効果があると言われる。
●仕事や勉強がはかどる(予定を着実に進める意識になる)
●細いストライプは、明確な意思もありながら、デリケートさも感じさせる
●太いストライプは、決断力と実行力を強める。
縦のラインは、誠実さを相手に印象づけるとともに、相手からの許諾を引き出しやすいと言われます。規則正しく配置された縦線は、知的で理路整然とした清潔でまっすぐな印象を与えます。また、縦線の流れに沿って目線が上から下へと動く行動が、頭を縦に振り頷く人間の日常行動とその時の心理とが重なりやすいわけです。故に、謝罪や、相手を説得する場面にも効果があると言われます。縦のラインは、物事を秩序的に計画的に進めたいという意志表示でもあり、ストライプのスーツやシャツを選びがちな時は、そのような心理が無意識に現れている可能性があるとも言えます。また、そのように物事を進めたい時には、最適な環境を整えるツールとして、意識してストライプを選ぶのも有効といえます。ラインの太さや地色とストライプの色のコントラストが強くはっきりしていればいるほど、その意志表示とメッセージは強くなります。(以下略)
・・・これ以外に、WEBにはいろいろな意見(私見?)や考えが書かれています。時には正反対の説明があったりしますから、あてにならないなあというのが正直な感想です。結論、好きなら自信を持つことが大切だと思っています。