・・・テーマ「森村泰昌作品と大阪の都市」上映とトークの会場(中央公会堂・中会議室)に、橋爪節也さんも来られていました。そして、開演までの時間に★「特別室」も見学できました。ここは、森村さん「なにものかへのレクイエム」のロケ現場でもあるのです。
《特別室 (3階)》
http://osaka-chuokokaido.jp/facilities/specialroom.html
創建当時は貴賓室として使用されたお部屋です。天井や壁面には日本神話が描かれており、窓には、慶祝の象徴である鳳凰と、大阪市の市章『みおつくし』がデザイン化されたステンドグラスを見ることが出来ます。和と洋を融合させ、今では再現できない職人の技巧にあふれたお部屋は、そのものが芸術品といわれています。壮麗な趣を感じさせる特別室は、格調高い会合をはじめ、挙式、撮影会、展示会などにもご利用いただけます。また、隣接する★中集会室で催しをする際の来賓控室としても人気のあるお部屋です。
《中集会室 (3階)》
http://osaka-chuokokaido.jp/facilities/middlehall.html
宮殿の大広間を彷彿とさせる華麗なヨーロピアンスタイルのホールです。アーチ状の高い天井により、音の響きが素晴らしく、創建当時のまま残されている大変貴重なシャンデリアとステンドグラスは贅沢な空間を演出します。また、フラットタイプの室内には回廊があり、窓から差し込む光によって、昼と夜では違う表情を味わうことが出来ます。音響・照明設備、グランドピアノを備え、仮設舞台の設置が可能な中集会室は様々な催しにお使いいただくことが出来ます。優雅な趣きの中でのコンサート、ダンスパーティーや、ケータリングを入れてのパーティー、結婚式の披露宴などから、講演会・説明会などまで、幅広くご利用いただけます。また、隣接する小集会室を懇親会会場、特別室を待合室としてお使いいただくなど、複合的にご利用いただくことも出来ます。
《なにものかへのレクイエム》clippinjam、artscapeより
http://www.clippinjam.com/volume_50/cf_interview_01.html
http://artscape.jp/focus/1213227_1635.html
2006年から開始されたシリーズ「なにものかへのレクイエム」。「レクイエム」が差し向けられる対象は、20世紀の歴史を雄弁に物語りはしない。例えば、展覧会に先立って刊行された『美術手帖』の森村特集号などでも述べられていたが、森村は、「ロシア革命」「ファシズム」「アメリカ」という3つのキーワードを、20世紀なるものの象徴として語っている。当たり前のことだが、そこには、20世紀を語るために扱われてしかるべき、あまりにも多くの歴史的トピックが抜け落ちている。けれども、そのこと自体は批判すべきポイントではない。それどころか、むしろその欠落こそが、20世紀の特質を物語っているのではないか。このことは、20世紀それ自体、ポストヒストリーの世紀であるという認識を指し示していると見ることができるだろう。いわば、歴史を語ることの不可能性こそが、20世紀の「歴史」であるということだ。そこでは同時に、表象作用の機能不全、とでも言うべき事態が引き起こされる。誤解を恐れずに言えば、先の3つのキーワードのいずれにせよ、それらのイデオロギーは、すべて敗北のプロセスを歩む。ファシズムは言わずもがなであるが、共産主義もまた、ソ連の崩壊とともにその意義を失効する。「アメリカ」もまた、単一の国民国家の枠組みによって世界を表象=代表するわけではない。むしろそこで覇権を握るのは、一国の枠組みに包摂され得ないグローバリゼーション、あるいはネグリ=ハート的〈帝国〉といったような、非実体的な政治・経済活動である。だから、《なにものかへのレクイエム(人間は悲しいくらいにむなしい 1920.5.5-2007.3.2)》(2007)において、釜ヶ崎に据えられた演台上で、レーニンに扮した森村が、ほとんど誰に語るともなく述べるように、「むなしい」のだ。中心を欠き拡散する世界において、単一のイデオロギーは世界を変革する動因にはなり得ないし、そこでは表象=代表することは断念させられる。そして、それこそが「20世紀」と呼ばれる時代であったのではないか。このことは、社会的トピックのみならず、芸術の20世紀においても同様であるとみなされているのだろう。ピカソ、藤田、デュシャン、エイゼンシュテイン、ダリ、ポロック、ボイス、クライン、ウォーホル、手塚といった、美術を中心とした芸術家たちのポートレートは何を明らかにするのか。ここでは、ゴッホやレンブラントの作品を範としたころから森村が一貫して行なってきた、芸術家たちによって生産された「作品」に扮するのではなく、「芸術家の肖像」それ自体にその扮する対象が移行している。これもまた、表象の機能不全を表わすものかもしれない。ここでは、彼ら近代から現代にいたる巨匠たちが生産したマスターピースが問題にされているのではなく、芸術家彼ら自身のセルフ・ポートレートのイメージのほうが、作品そのものよりも先行する。つまり、作品よりも「作家像」のほうが先立っているのだ。この、作品に比した作家像の優位という価値の転倒が意味するものは、「作品」概念の価値の下落、より正確に言えば、作品の価値の決定が、写真やマスメディアによって流布される(しばしば常人よりも奇特であるとみなされる)芸術家の固有名およびその有名性によって規定されるといった事態である。(以下略)
・・・森村さんの映画やトークはもちろん最高、高岡さんにもお会いできて大満足。はじめてお話を聞いた「卯城竜太」さん、イイ感じです。軽妙な話しぶり、とても深みと味のある内容をサラッと言ってのける。こういう若いアーティストがおられることが頼もしく、聴いていて嬉しくなりました。
【卯城竜太】
http://6mirai.tokyo-midtown.com/creator/ushiro_ryuta/
2005年に東京で結成したアーティスト集団。時代のリアルに反射神経で反応し、現代社会に全力で介入した強い社会的メッセージを持つ作品を次々と発表。映像作品を中心に、インスタレーション、パフォーマンスなど、メディアを自在に横断しながら表現している。東京をベースに活動しながら、世界中の展覧会に参加、海外でもさまざまなプロジェクトを展開。近年はさらに活動の範囲を広げ、美術専門誌監修や展覧会キュレーションなども行う。著作に『Chim↑Pom作品集』(河出書房新社、2010年)、『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』(阿部謙一との共編著、無人島プロダクション、2009年)、★『芸術実行犯』(朝日出版社、2012年)、『SUPER RAT』(パルコ出版、2012年)がある。
・・・実は「芸術実行犯」が積読のままだったのです、早急に読みたいと思います。
◆【M@M(モリムラ@ミュージアム)】◆
559-0011大阪市住之江区北加賀屋5-5-36 2F
https://www.morimura-at-museum.org/
★M@M開館記念展/「美術手帖」「関西ウォーカー」より
君は『菫色のモナムール、其の他』を見たか?森村泰昌 –もうひとつの1980年代–
会期:2018年11月3日~2019年1月27日
開館時間:12:00〜18:00(金、土、日のみ開館)
休館日:月〜木(12月24日、1月14日は開館)
料金:一般・大学生 500円 / 高学生・中学生 200円/ 小学生以下無料
特別協力:千島土地株式会社
森村泰昌の個人美術館「M@M(モリムラ@ミュージアム)」が大阪・北加賀屋に開館。こけら落としで貴重な80年代の作品を展示。美術家・森村泰昌が自身初となる美術館「M@M(モリムラ@ミュージアム)」を大阪・北加賀屋に開館させた。2つの展示室に加え、ライブラリーやサロン、ミニシアター、ショップからなる美術館。
《NEWS》関西ウォーカーより
https://news.walkerplus.com/article/168337/
M@Mの建物はもともと造船関係の木工所だった場所を、リノベーションして使用している。建物の2階部分が美術館となっており、2つの展示スペース、ライブラリー、サロン、ミニシアター、ショップなどが入る。5つのスペースは、それぞれモリムラ氏によって名前がつけられており、内装には、土地を所有する千鳥土地株式会社(大阪市住之江区)の古材バンクの材料を使用。古い建物を壊した際に出る廃材(=古材)から、森村氏自身がイマジネーションを掻き立てられるものを選別し、ミュージアムの各空間に盛り込んでいる。「作品と一緒に空間も楽しんでほしい。」と森村氏は話す。2階展示室で開催中の「君は『菫色のモナムール、其の他』を見たか?森村泰昌 もうひとつの1980年代」は、初めてのセルフポートレートによる個展の再現展示のほか、交通標識に扮した自画像や、カラー写真にアクリルで彩色した赤松玉女との共作「男の誕生」など、貴重な初期作品 約30点を見ることができる。ミュージアムショップでは、オープンを記念し、展示第1期のみの限定の「M@福袋(3,000円)」も販売。中身は、展示会カタログや招待券の他に、80年代に撮影された森村氏の写真に直筆サインの入ったものや、森村氏がIKEAで買ったという日用品に直筆で「顔」を描いたものなど、ファンにはたまらない内容となっている。他にも限定100部の「直筆サイン入りポスター(2,000円)」や、オリジナル木型を使用した干菓子「開館記念 ことのはのあじ(6個入り 750円)」など、ここでしか手に入らない貴重な品も並ぶ。オープニングセレモニーでは、来賓の大阪大学 総長 西尾章治郎氏が「この場所が、世界中の森村ファンの聖地になることを確信している。」と語り、土地を所有する千島土地株式会社 代表取締役社長 芝川能一氏が「森村氏というすばらしいプロデューサーを得て、北加賀屋 M@Mが世界中から人が集まる場所になれば。」と述べた。この日は森村氏による、オープニングパフォーマンスも。油絵の絵の具を使って、2階の入り口横の壁に大きくサインを描いた。森村氏は「M@Mの@(アット)はあっと驚くをめざしている。展示会だけではなく、図書館やシアターなど色々なところで、色々な体験ができるので、ぜひ来て欲しい。体験プログラムもあるので、今どんなことをやっているか、チェックして遊びに来てください。」とコメントした。
・・・いつ行こうかなあ。