・・・「日本生命病院」のすぐ近くに、
《大阪府立江之子島文化芸術創造センター/enoco》
550-0006大阪市西区江之子島2-1-34/06-6441-8050
アートやデザインなどの創造力で、大阪という都市を元気にすることを目指して2012年4月に開館。ギャラリーや多目的ルームのレンタル事業を行うほか、大阪府の美術コレクションの管理と活用、企画展やセミナー・ワークショップなどの自主事業に加え、地方自治体やまちづくり団体の個別相談にも対応するなど、クリエイティブな発想とネットワークで都市や社会が抱える様々な課題の解決に取り組んでいます。
【甲賀雅章】館長
1951静岡市生まれ。1991株式会社シーアイセンターを設立。広義の意味でのデザイン、文化戦略を、21世紀型経営の最重要資源として位置づけ、企業、組合、商店街、地方自治体等の活性化におけるコンサルティング活動を展開。CI戦略、ブランディング、コミュニケーションデザイン、新商品開発、新業態開発、空間プロデュース、イベントプロデュースと、その活動領域は広く、1992年から「大道芸ワールドカップIN静岡」を立ち上げ、現在までプロデューサー。2014年からは役者、パフォーマー、ダンサーとしても舞台に立つ。静岡デザイン専門学校では18年間教鞭を執る。
2006NPO法人日本ホスピタルクラウン協会副理事長2009ソーシャルデザイン研究所を設立2011川根本町文化会館の事業パートナーとして企画運営に携わる。
★2012から大阪府江之子島文化芸術創造センターの館長に就任2012年12月よりバンコクで開催されるSiam Street Festのプロデューサー2013年4月より「大阪国際児童青少年アートフェスティバル」のプロデューサーに就任2016年4月より静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター(CCC)アドバイザー2016年5月より静岡市「まちは劇場 プロジャクト」ストレンジシードのプランニングディレクター2016年7月瀬戸内国際芸術祭で開催のアジアパフォーミングアーツマーケット(APAMS)のディレクターを務める。
・・・この建物が好きで、ちょくちょくお邪魔させていただいてます。
《旧称/大阪府工業奨励館附属工業会館》1938年(昭和13)設計:大阪府営繕課/改修設計・施工:長谷工コーポレーション
enocoは2012年にオープンした新しい施設ですが、建物は古い歴史をもつ近代建築です。1938(昭和13)年に建てられたものを、コンバージョン(用途変換)しました。そしてenocoのある江之子島というエリアも、大阪の近代の歴史にとってとても重要な場所です。「江之子島」という町名の通り、かつてこの地は文字通りの島でした。水都大阪といわれるように、かつて大阪の中心部、特に西区には、何本もの堀川が流れていました。江之子島は木津川と百間堀川とに挟まれた、中之島を小さくしたような中洲だったのです。木津川は現在もそのままですが、戦後になって東側に流れていた百間堀川が埋め立てられ、島でなくなりました。1874年(明治7)初の本格的な★大阪府庁舎がこの江之子島に建てられました。enocoのすぐ北側です。西洋の古典様式に倣った重厚な建築は、「江之子島政府」と呼ばれて名所となりました。大阪市庁舎も、最初は江之子島に設けられました。この地は、かつて大阪の行政の中心地だったのです。そして木津川の対岸には、外国人の暮らす★川口居留地がありました。洋館が建ち並ぶモダンな街は、新しい文化の発信地となりました。1926年(大正15)大手前に新しい大阪府庁舎が完成して行政機能は移転し、空き家となった江之子島の建築には、★大阪府工業奨励館が設けられました。最新の工作機械や実験機器が揃えられ、大阪の中小企業の工業の近代化に貢献しました。enocoの建物は、この工業奨励館の附属棟として1938年(昭和13)に建てられた工業会館です。残念ながら、元の府庁舎は戦争の空襲で焼失してしまいました。残ったこの増築棟は、大阪における数少ない戦前期のモダニズム建築として、貴重な存在です。
《参考》
●「旧大阪府庁舎跡」大阪府文化財センター調査報告書:第225集
https://www.occh.or.jp/?s=book/a
●「旧大阪府庁舎の建築」大阪歴史博物館
http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2011/tenjigae/110921.html
http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2011/tenjigae/111017.html
★大阪府20世紀美術コレクション
http://www.enokojima-art.jp/collection/index.html