国立国際美術館(2) | すくらんぶるアートヴィレッジ

すくらんぶるアートヴィレッジ

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

・・・「ブリューゲル展」で感銘は受けましたが、それ以上のことがありました。それは、この美術館との出会いにかかわることなのです。

 

《国立国際美術館》

http://www.nmao.go.jp/index.html

設立は1977年(昭和52)。当初は大阪府吹田市の万博記念公園にあったが、2004年(平成16)に現在地へ移転した。

★1970年(昭和45)、大阪府吹田市で日本万国博覧会が開催された際、世界各国から集められた美術品を展覧するため、日本庭園とお祭り広場の間に★建築家・川崎清氏(1932年~)によって「万国博美術館」が設計されました。美術館建物は、鉄筋コンクリート造4階建てで、南側お祭り広場の高さが地階、北側の正面入口が1階で、3階までありました。北側の入口は全面ガラス張り、南側は可動式のガラス屋根になっており、他の美術館では考えられない外光を取り入れるという特徴を持っていました。美術館はエキスポタワー、太陽の塔、大屋根から続くシンボルゾーンに建てられ、ガラス張りの外観は万国博ホールとともに印象的でした。万博終了後のパビリオン取り壊しの最中、この建物は美術館としての★再利用を期待して残された。当初はこれを利用して★大阪府立現代美術館とする案もあったが、紆余曲折の上、国立の美術館が開設されることとなった。これが1977年に開館した国立国際美術館である。

国立国際美術館は、大阪万博の「日本万国博覧会美術館」(万国博美術館、Expo Museum of Fine Arts)の施設・展示品をそのまま引き継ぐ形で設立されました。現在は、日本庭園前駐車場になっています。収蔵品は、日本画、洋画、水彩・描画、版画、彫刻など多岐にわたりますが、特に1945年以降の国内外の美術を中心に収集が行われています。主な収蔵品にはミロ「無垢の笑い」、ピカソの「道化役者と子供」、「ポスターのある風景」などがあり、約5,000点を所蔵していました。しかし、増加した所蔵品が増え収蔵庫が手狭になり、地下収蔵庫の湿気が作品保管に向かないことや、万博公園の中でも交通の不便なところにあるなどから、大阪・中之島(大阪市北区)に移転することになりました。移転準備のため2004年1月に閉館、同11月3日(文化の日)に移転オープンしました。使われなくなった万博の建物は、隣の万国博ホールとともに解体・撤去されることになり、2004年10月から2005年3月にかけて解体工事が行われました。国立国際美術館(万国博美術館)については、スイタウェブ 万国博ホール・美術館特集でも紹介しています。

http://suitaweb.net/special/hall-museum/

 

 

【川崎清】

http://kkiyosi.ec-net.jp/

生年月日:1932年4月28日
出身地:新潟県
現職:建築家、環境・建築研究所代表取締役、京都大学名誉教授
日本建築家協会名誉会員、日本建築学会名誉会員

学歴:
1955年3月 京都大学工学部建築学科卒業
1957年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程修了
1971年3月 京都大学工学博士学位取得
職歴:
1958年7月 京都大学講師、建築学
1964年4月 京都大学助教授、建築学、建築設計
1972年6月 大阪大学教授 、建築学、建築設計、環境デザイン
1983年4月 京都大学教授、建築学、建築設計、都市設計
1995年9月 中国精華大学客員教授、(北京)3年間
1995年9月 中国同済大学顧問教授、(上海)終身

1996年3月 京都大学定年退官、京都大学名誉教授
1996年4月 立命館大学教授、環境システム工学、建築設計、環境デザイン
2003年3月 立命館大学退職、
2003年4月 株式会社 環境・建築研究所代表、
2008年4月 社団法人日本建築家協会本部建築家認定評議会議長(4年間)
2011年11月 叙勲瑞宝中授章

・・・2004年秋にシザー・ペリ設計による新美術館に移転するため、2004年1月に最後の展覧会である川崎清さんの展覧会ののち閉館。川崎さんご自身は「機能のなくなった建物に存在意義はない」述べておられ存続を望んでいないということでした。

 

★PROJECTS「MEGALOMANIAメガロマニア」 (2003)

2003年8月2日(土)~9月23日/於:国立国際美術館

http://www.museum.or.jp/modules/im_event/?controller=event_dtl&input[id]=14302

【ヤノベケンジ】(1965~)

大阪府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。1990年に第1回キリンコンテンポラリー・アワードの最優秀賞を受賞。以後、現代社会におけるサバイバルをテーマに様々な立体作品を制作発表、国内外の数多くのグループ展にも出品し、幅広い活動を行っています。ヤノベの創作の出発点は、1970年の大阪万国博覧会の跡地から受けたインパクトです。ヤノベはそこに「未来の廃墟」と新たな創造の可能性を見出しました。つまり、万博跡地はヤノベの原点であり、彼の作品はその原イメージの具現であるとも言えるのです。その意味でも万博公園内にある当館は、ヤノベケンジの展覧会を開くのに最も適した場所であり、中之島の新館への移転までの残りわずかの期間である当館にとっても意味のある展覧会となります。「MEGALOMANIA」(誇大妄想

狂)と題された本展覧会は、ヤノベの過去の主要作品とともに、解体撤去されたエキスポ・タワーの部材を使用した新作などにより、ヤノベが幼少の頃体験した万博会場の取り壊し現場での「未来への廃墟」への時間旅行が、パビリオン的な会場構成で具現し、鑑賞者がヤノベの妄想を追体験できるインスタレーションとなります。

 

 

《マルセル・デュシャンと20世紀美術》

★2004年11月3日~12月19日/於:国立国際美術館

マルセル・デュシャン(1887-1968 フランス生)は、 "ダダイスムの巨匠"とも、"現代美術の父"とも呼ばれ、20世紀美術に多大な影響を与えた人物です。15歳の頃から絵を描きはじめ、 印象派からキュビスムまでの技法を短期間で習得した彼は、1913年に《階段を降りる裸体No.2》をアメリカで発表し、一躍時代の寵児となります。

その後、芸術の伝統的な形式を拒絶したデュシャンは、ニューヨーク・ダダ運動を展開する一方、既製品を使った 「レディ・メイド」作品の代表例《泉》が出品拒否に遭うなど物議をかもし続けます。

 20年ぶりの日本での大回顧展となる本展は、デュシャンを通じて20世紀美術をとらえなおす試みです。 デュシャンの初期絵画から晩年の仕事まで約70点を第1部で紹介し、同時にデュシャンの型破りな作品と皮肉や洒落に満ちた言説に触発された国内外の美術家たちの作品約80点を第2部で展示します。

デュシャン作品の大半を所蔵するフィラデルフィア美術館から《階段を降りる裸体No.2》《花嫁》など初期の代表的絵画が出品されるほか、 東京大学教養学部美術博物館の《大ガラス(東京版)》を初めて関西で展示します。さらに、デュシャンの死後公開された《遺作》を立体映像によって再現します。

 

・・・新しい美術館、そして敬愛するマルセル・デュシャンの展覧会ですから当然テンション上がりました。もうヨレヨレですが、購入したTシャツは宝物です。

 

 

《参考》graf studio(Office & Shop)

530–0005大阪市北区中之島4–1–9/TEL.06–6459–2082

http://www.graf-d3.com/

現代アートの巨匠、マルセル・デュシャンが、自転車の車輪と脚立とを組み合わせた有名な美術作品。便器、車輪、スコップなど、いわばありききたりの工業製品の形の面白さなどに注目したレディ・メイドと呼ばれる作品群のひとつ。「自転車の車輪を拾ってきて芸術作品だと言ったのはデュシャンが最初です」(ジョン・レノンのインタビュー記事)そのTシャツをデザインしたのは、オリジナルの家具から食堂まで創造し、T-SHIRTS AS MEDIAなどにもTシャツ作品を提供する「graf」です。大阪が誇るクリエイティブ・ユニットは、国立国際美術館のすぐ隣に本拠を構えています。

https://allabout.co.jp/gm/gc/197456/

わたしたちは、「ものづくり」を通して、「暮らしを豊かにする」ことを目指すクリエイティブユニットです。大阪の中之島と豊中を拠点に、家具の製造・販売、グラフィックデザイン、スペースデザイン、プロダクトデザイン、カフェの運営や食や音楽のイベント運営など、さまざまな手法を使って「暮らし」にまつわるあらゆる事柄に取り組んでいます。わたしたちの「暮らし」は、家はもちろん、住まいの骨子となるテーブルや椅子などの家具や道具、部屋に彩りをあたえるアートや植物など、数え切れない要素の中に成り立っています。異なる専門分野があつまり協働し活動することは、わたしたちgrafの活動の原点です。私たちの活動は一見すると複雑ですが、「暮らし」のことを顧みると、1つの視点からではなく多視点で考えることは、実はとてもシンプルなカタチなのかもしれません。

 

・・・そして今回、「バベルの塔」を観に行って、情報コーナーに立ち寄ると、なんと「大ガラス」があるではありませんか。開館当時の興奮が蘇りました。

 

 

★「アート/メディア―四次元の読書」

7月18日(火)~10月15日(日)

http://www.nmao.go.jp/event/

国立国際美術館の地下1階には、展覧会のカタログや美術に関する図書をだれでも自由に閲覧できる「情報コーナー」があります。「情報コーナー(Media Corner)」はその名称から明らかなように、図書だけではなく美術をめぐるさまざまな情報の公開を目的として、2004年★美術館の中之島への移転にあわせて設置されました。「アート/メディア―四次元の読書」はアーティスト★藤本由紀夫とともに、美術館に併設された図書コーナーの新しい楽しみ方を探る試みです。およそ1年間にわたり続けられるこのプロジェクトでは、「読書」という行為を軸に、これまでにない読書のあり方も視野に入れながら、3つの会期ごとに異なるテーマで、美術と美術をめぐる情報(メディア)の関係について考えます。

●第一期 2017年7月18日(火)~10月15日(日)

 「デュシャンを立体的に視る」

●第二期 2017年10月28日(土)~12月24日(日)

 「phono/graph―音・文字・グラフィック」

●第三期 2018年1月21日(日)~5月6日(日)

 「コマ」

入場料:無料/ 主催:国立国際美術館、ダイキン工業現代美術振興財団

協力:神戸アートビレッジセンター/企画:藤本由紀夫(アーティスト)、中井康之(当館学芸課長)

 

 

・・・ただただ満足です。大きな美術館だからこそ、このようなサリゲナイ展示というか取り組みを、随所にちりばめてほしいですね。人集めの企画展は、もちろん重要ですが、常設展やこのような情報こそが文化として定着していくものだと、つくづく思いました。