アフリカツメガエル | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・唯一、生体として飼育した経験があるのは「アフリカツメガエル」です。最近、いろいろなニュースがありましたので紹介します。

 

《NEWS1》2016.8.3紀伊民報より

環境省は2日、吉野熊野国立公園の鳥ノ巣半島(和歌山県田辺市新庄町)で繁殖する外来生物のアフリカツメガエルを防除するため、個体数推定の現地調査を始めた。地元の田辺中学校・田辺高校の生物部と協力し、3日は捕獲したカエルに標識を付けて放流した。9日に再捕獲する。生徒らは2日、鳥ノ巣で最も大きな池(約320平方メートル、深さ約5メートル)の4カ所に計16個、海岸近くの最も浅い池(約33平方メートル、深さ50センチ)に4個のわなを仕掛けた。3日にわなを回収して約100匹を捕獲。そのすべてに標識を付けて放流した。8日に再び同じ場所に同じ数のわなを仕掛け、9日に引き上げる予定。捕獲した中で標識カエルが何匹いるかで全体の個体数を推定する。環境省田辺自然保護官事務所の岩野公美自然保護官は「駆除に向けた第一歩。全体的な個体数を把握して、今後の対策を考えたい」と話す。

 

 

《NEWS2》2016.9.29毎日新聞より

田辺・外来種のカエル、池の水位下げ、天敵で駆除/和歌山

県立田辺中学校の生物部(顧問=土永知子教諭)の生徒たちが、田辺市新庄町の鳥ノ巣地区にある農業用のため池で、環境省が「総合対策外来種」に選定しているアフリカツメガエルの捕獲や駆除に取り組んでいる。一帯には約40の池があり、アフリカツメガエルの生息が確認された池の数が増えているためだ。私(隊長)は、効果的な駆除法を模索する生徒たちの活動に同行した。生物部が鳥ノ巣地区のため池に生息するアフリカツメガエルを捕獲して解剖したところ、トンボの幼虫のヤゴやマツモムシ、アメンボ、ゲンゴロウの仲間などの在来種を食べていることが分かった。胃からは小さなアフリカツメガエルや卵、オタマジャクシも出てきた。池の中には天敵がおらず、池の底にいれば天敵から身を守ることができるため数を増やしているとみられる。

 

★知られざる外来種アフリカツメガエル (和歌山県・田辺市)

http://www.monstersproshop.com/xenopus-laevis-wakayama/

★アフリカツメガエルの卵を得る方法についてのマニュアル

http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~garu/research/XenMan/XeEgsToc.html

 

 

NEWS32017.7.19朝日新聞デジタルより

アフリカツメガエル大繁殖 和歌山、在来種脅かす存在に

外来種の「アフリカツメガエル」が和歌山県田辺市で大繁殖している。もともと生息していた昆虫を襲って食べるため、生態系への悪影響が心配されている。この2年半余りで約4500匹が捕獲・駆除されたが根絶は難しいのが実情だ。田辺市にある鳥の巣半島。ため池に沈めていた網を引き揚げると、黒っぽいカエルが数十匹、バチャバチャと跳ねた。後ろ脚に大きな水かきとツメがある。アフリカツメガエルだ。網は地元の和歌山県立田辺中学・高校の生物部の生徒たちが仕掛けていた。「このため池で見つかったことはなかった。生息場所がまた増えてしまった」。生物部顧問の土永(知子教諭(57)が表情を曇らせた。きっかけは2007年。和歌山県在住の自然写真家、内山りゅうさん(54)が、見慣れない姿のオタマジャクシが泳いでいるのに気付いた。その後の調査でアフリカツメガエルの成体も多数見つかるようになった。生物部の調査では、半島で生息が確認された池は、昨年5月時点で19カ所だったのが今年6月には28カ所に増えた。カエルの胃の中を調べると、トンボの幼虫(ヤゴ)やゲンゴロウの一種などが見つかり、池にすむ在来の水生昆虫を食べていることが分かった。

田辺高校・中学校生物部が15回(2016「わかやま環境大賞」受賞

http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/032000/econet/data/taisyokettei.html

生物部は中学・高校一緒に活動していて、主に高校生は植物を、中学生は動物を研究しているそうです。元々田辺市新庄町にある「鳥の巣」エリアの希少動植物の研究をしている際に、外来種の「アフリカツメガエル」が繁殖していることを発見。以降、アフリカツメガエルの駆除を目的とした捕獲と、研究を行っているそうです。研究では生態を調べるほか、解剖をして胃の内容物を調べることで、どのようなものを食べているのかがわかり、生態系にどのように影響しているのかがわかるそうです。アフリカツメガエルはトンボの幼虫のヤゴや、土を作ってくれるモグラの仲間、また、自分たちの卵や小さいカエルを共食いなどもしているそうです。今までの活動で19あるため池のうち3つは駆除に成功しており、部長の黒崎君は「鳥の巣にアフリカツメガエルがいなくなるように活動していきたい」といっていました。実際、鳥の巣に行ってみると、ため池のあとのような湿地にはカニや葦のような植物が生えており、ため池もあったが、カエルは発見でいませんでした。しかし、とても自然豊かで、のどかな里山でした。この美しい自然をいつまでも守っていきたいですね。

 

 

《NEWS3》2016.10.20基礎生物学研究所より

アフリカツメガエルの複雑なゲノムを解読:脊椎動物への進化の原動力「全ゲノム重複」の謎に迫る

http://www.nibb.ac.jp/press/2016/10/20.html

さまざまな生物の全ゲノム解読は、全遺伝子の解明を通じて広く生命科学に寄与するとともに、生物進化の研究に多くの知見をもたらしてきました。多くの動物は父方と母方からの同一のゲノムをもつ「二倍体」ですが、★アフリカツメガエルは、異種交配と全ゲノム重複により一つの生物の中に異なる2種類のゲノムをもった「異質四倍体」とされていました。そのため、非常に有用なモデル生物であるにもかかわらず、全ゲノム解読が非常に困難と諦められ、主要モデル生物の中で唯一行われていませんでした。しかし日本とアメリカを中心とする国際コンソーシアムは、アフリカツメガエルの全ゲノム解読に挑み、見事その全貌を明らかにしました。得られた情報は今後生物学から医学に至るさまざまな研究分野に大きく貢献すると期待できます。加えて、アフリカツメガエルのゲノムの中にある2種類のゲノム(サブゲノム)が別々の染色体のセットに分かれて存在するという重要な発見をしました。それにより、このカエルは約1800万年前に、2つの種が異種交配と全ゲノム重複を起こして誕生した異質四倍体であること、その後2つのサブゲノムが一つの生物の中で異なる進化を辿ったことが明確に示されました。今日の地球上には実に多様な種類の脊椎動物が生息し繁栄していますが、その最大の要因と考えられるのが約5億年前の古生代カンブリア紀に起きたとされる「2回の全ゲノム重複」です。その謎を解くための重要な鍵、いわゆるロゼッタストーンとしてアフリカツメガエルのサブゲノムの進化の仕組みが役立つことになります。これは生命科学における画期的な成果です。

 

《参考》「日本ツメガエル研究会」

http://kerolab.jp/xcij/

本ホームページは、Xenopus属およびその近縁種を用いて、発生学、細胞生物学、生理学、分類学、生態学などの研究に関わる人および関心のある人に、国内外の最新情報を提供し、また相互の情報交換の場を提供することを目的とした会、XCIJ (Xenopus Community in Japan)のホームページです。

 

《NEWS》2015.6.19中日新聞より

アフリカツメガエルの養殖成功と活動評価で、日本動物学会より坂口氏に感謝状

http://kerolab.jp/xcij/x_news.html

http://ameblo.jp/nakamura-cl/entry-12064175640.html

日本動物学会は十九日、動物実験用のアフリカツメガエルを全国の大学や研究機関に無償提供してきた坂口章さん(92)=浜松市中区蜆塚=に感謝状を贈った。カエルを利用した生命科学や遺伝子工学などの発展を下支えした。研究者以外への感謝状贈呈は異例という。坂口さんは、約40年ほど前、現在、再生医療研究他で使用されているアフリカツメガエルの養殖に世界で初めて成功し、安定供給を実現しました。そして、多くの研究機関や大学、学校に無償で提供、様々な研究を影で支えてきました。また、長年にわたり、子どもたちへ理科のおもしろさや大切さを伝える活動や自然保全活動等をすすめてきました。群馬大学より、このアフリカツメガエルの養殖の委託を受け、坂口氏は、「佐鳴湖」の水を用いて大量養殖に成功しました。水質(栄養過多)で話題の佐鳴湖ですが、当時、この佐鳴湖でしか、養殖に成功しなかったようです。注文は殺到し、何万匹ものアフリカツメカエルを、国内のみならず世界に提供していました。また、坂口氏のもとを巣立った卒業生には、スペースシャトルに乗って宇宙へ行ったカエルくんも。先述のとおり、ips細胞研究も、このアフリカツメガエルで行われています。今の再生医療があるのも、アフリカツメガエルの安定供給が実現したおかげであり、動物科学の影の立役者である坂口氏ですが、ご本人は、「ただ楽しんで活動しただけ。」と、昔から、自分の功績を多く語らない人柄。これまで、これを知るのは関係者くらい、素敵です。