具体美術(14) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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《AU》

https://www.artunidentified.com/

★AUと嶋本昭三

1975年に1960年代に活躍したアーティスト達が結集して「アーティスト・ユニオン」が結成されました。呼びかけ人は画家・吉村益信でした。日本の多くの現代芸術家が集まり、話題を呼んだのですが派手なアピールが続いたので経済的について行けず、代表交替となりました。

 

 

・・・もちろん「新宮晋」さんの展覧会も観るつもりですが、今日の目的は「AU展」です。

 

 

そこで1976年主要メンバーが岐阜県郡上八幡に集会をもち投票したところ、具体の創立会員でかつ名づけ親の嶋本昭三が合議体事務局長に選ばれました。そして日本の各地で現代芸術の発表が持たれ嶋本は事務局長としてそれらを応援しました。嶋本は「具体」の時代に具体誌を編集し、世界の美術関係者達にそれを送付する役をしておりました。そこでアーティスト・ユニオンが世界とネットワークを持つためにタブロイドの大きさの印刷物を時に応じて発行し、2006年1月164号が発行されています。その発行はニューヨークのジョージ・マチュナスが発刊したFluxus誌とよくなぞらえられます。アーティスト・ユニオンという名前はよく組合運動と誤解されることが多いので、1980年にAとUを残してArt Unidentified略名AUに致し日本と海外に送付されています。

 

 

メンバーの多くは1960年に活躍した現代美術家が多く、一方嶋本昭三は「具体」の精神に則って創造的なアートを世界にアピールし続けたので、権威にこだわる創立メンバーは次第に離反していきました。1962年Fluxusの創立メンバー:レイ・ジョンソンはメールアート宣言をし、世界の現代芸術家達のネットワークによる交流を提唱しました。AUの印刷物はメールアートメンバーにも多く選ばれ、嶋本昭三と長年にわたって送付交流致しました。AUメンバーは権威にこだわるアーティストが去り、若いアートを出す人達が多く集まるようになっています。彼らは従来のメンバーに比べると未熟な点も多いが、嶋本は新しい創造を生む土壌として彼らを歓迎し、様々な試練の機会を与えています。

 

 

★2017第46回「現代芸術国際AU展(公募展)」

4月12日(水)~4月16日(日)午前10時〜午後6時

於:兵庫県立美術館ギャラリー棟3階

651-0073神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号

特別企画・作品テーマ:『CROSS』

 

 

【塩見孝明】

http://utsushieshi.com/

【佐藤美佐子】

現代アート、「花」と「母性」と「煌めき」のベストモダンアーチスト。華やぐ女性の自由な躍動、佐藤美佐子さんの世界が広がる。

 

・・・そして、嶋本昭三さんのご家族の方とも親しくお話させていただくことができ、「具体」がより身近に感じられてきました。

 

 

・・・最後に、じっくり「村上三郎」さんを堪能させていただきました。

 

【村上三郎】(1925~1996)

http://www.artcourtgallery.com/exhibitions/4338/

兵庫県神戸市に生まれる。1943年、関西学院大学予科に入学。絵画部「弦月会」に入部する。神原浩に師事し、油絵を始める。1948年、同大学文学部哲学科を卒業。1950年、同大学大学院美学科を修了。1952年、白髪一雄、田中敦子、金山明らと「0会」結成。1955年、白髪、田中、金山らと共に、吉原治良をリーダーとする具体美術協会に参加。木枠に張った多数の紙を突き破って通り抜ける紙破りのパフォーマンスで知られる。1990年、神戸松蔭女子学院大学短期大学部の教授となる。1996年1月11日、自宅で死去。70歳没。2014年3月7日から3月29日まで、「村上三郎展」が大阪市のアートコートギャラリーで開かれた。