※これまで幾度となく「大阪市都市環境アメニティ」について紹介してきましたが、「文化芸術を次世代に残す為」という趣旨で、最終バージョンを掲載(再掲含む)することにしました。
★「地球樹(GLOBE TREE)」第1回大阪市都市環境アメニティ表彰受賞/平成2年10月
541-0051大阪市中央区備後町3-3-3サンビル備後町(旧藤井毛織ビル)
・・・それは「地球樹」から始まりました。作者を調べる唯一の情報が、「都市環境アメニティ表彰」受賞ということでした。作者は「坂根進」さん、ビルは「藤井毛織」であったことをつきとめましたが、手がかりであったはずの「大阪市都市環境アメニティ」がよくわからないという逆転現象が生じたのです。
・・・「大阪まちなみ賞」はスンナリ検索できますが、「都市環境アメニティ表彰」は★「大阪市都市工学情報」という中に記述があるだけでした。
《大阪市都市工学情報2次情報集》
http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu090/toshikougaku/d_08F0000491.htm
本稿は、★平成12年度まで建築基準行政年報に掲載されていた開発行政関係の項目について、別冊として編集したものであり、以下の内容を掲載している。1)開発許可に関する事務、①開発許可申請状況、②開発許可不要判定取扱状況、③開発許可による道路・公園等の実績、2)土地区画整理法第76条による建築許可状況、3)大規模建築物事前協議の処理状況、①目的、②実施の方法、③協議事項、④事前協議取扱状況、4)建築物に付属する緑化指導指針に関する事務について、5)大阪市ひとにやさしいまちづくり整備要綱に基づく事前協議処理状況、6)ワンルーム形式集合建築物指導要綱に基づく事務処理状況、7)建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく計画認定状況、8)その他、①建築物に付属する緑化施設の表彰、②大阪まちなみ賞(大阪都市景観建築賞)、③★大阪市都市環境アメニティ表彰、④大阪・心ふれあうまちづくり賞、⑤建築美観誘導制度、⑥耐震診断費補助制度の実績。
《参考》乃村工藝社HPより
http://www.nomurakougei.co.jp/displaydesign/history/monument.html
「ディスプレイ・デザインの歴史」アートスケープを指向するモニュメント
モニュメントは地域の歴史、人物の功績などを記念して建造される塔・像・碑などを指すが、現在では都市のシンボルとして機能し、文化を象徴する役割を担っている。ニューヨークの自由の女神像 や、パリのエッフェル塔は、その代表である。もっとも、近年台頭しつつある環境彫刻は、私たちの身近な生活空間の中に新しい都市景観と新しい価値観を生み出す役割を担っている。東京オリンピック以降、高度経済成長は、都市の再開発を積極的に推進させた。その結果、駅前広場、街路、公演、ポケットパーク、そして施設内部空間のモールや吹き抜け空間など、さまざまなパブリック空間が生み出される。これらの公的なスペースにモニュメントが設置されるようになる。昭和57年に完成した新大阪駅前の「タイムストーンズ400」は、今井祝雄氏による大阪城築城400年のモニュメントである。石垣建造には用いられず放置されていた「残念石」を型取りし、同型のものを連続的に積み重ねたユニークな作品である。また、尼崎市市制70周年記念として榎忠氏によって制作された「AMAMAMA」は従来のモニュメントの概念を打ち破るもので、プレイ・スカルプチャー性を兼ねた鉄の巨大彫刻であった。昭和60年代に入ると、モニュメントは博覧会のパビリオン、文化施設、商業施設の内部空間においても重視されるようになり、施設のシンボルとなるものも創作されている。平成元年の東京・世田谷区「ちょっと一服する像」や、同3年の玉川総合支所サインは、メッセージ性のあるシンボルサインであり、新しい方向を示す作品である。また、伊藤隆道氏のデザインによるNEC本社ビルのモニュメント「ひかり門」や、千葉稲毛ショッピングセンター「光と風のオブジェ」、アサヒビール茨城工場に設置された「ウォーターサーカス」は動き、光、音、水、映像などを複合させたモニュメントで、環境装置の新分野を切り開いた。モニュメントをはじめ演出サイン、ストリートファニチャーなどの環境装置は、互いに有機的に機能し空間を個性化する役割を担い、都市をダイナミックに演出するアートスケープとして期待されている。
《大阪都市景観建築賞(愛称:大阪まちなみ賞)》
運営委員会/540-0012大阪市中央区谷町3-1-17
高田屋大手前ビル5F(公社)大阪府建築士会内/06-6947-1961
「大阪都市景観建築賞(愛称:大阪まちなみ賞)」は、美しく個性と風格のあるまちの景観づくりを進めていくために、周辺環境の向上に資し、かつ景観上優れた「建物」や「建物を中心としたまちなみ」を広く一般から推薦していただき、その中で特に優れたものを表彰するもので、★1981年(昭和56)から実施しています。「大阪まちなみ賞」では大阪府知事賞、大阪市長賞、審査員特別賞、緑化賞、建築サイン・アート賞(第35回新設)及び奨励賞を設けています。
・・・仕方なく大阪市に問い合わせますと、次のような回答をいただきました。
★回答:本市では、都市景観及び環境の向上を図ることを目的に「大阪市都市環境アメニティ表彰(建築物等に付属するモニュメント表彰並びに工事用仮設塀に描かれた絵画等表彰)」を★1990年度(平成2)に創設し、モニュメントについては、企画、デザイン、管理に優れ、市街地の景観及び環境の向上に貢献すると認められるものとして、★平成15年度までに約60件の施設を表彰しました。現在は、美しく個性と風格のあるまちの景観づくりを進めていくため、敷地内や壁面等に壁画・彫刻・モニュメント等を配置することにより魅力ある景観に寄与しているものなど、周辺環境の向上に資し、かつ景観上優れた大阪府内の建物やまちなみを広く一般から推薦いただき、その中で特に優れたものを表彰する「大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)」を、大阪府・公益社団法人大阪府建築士会・一般社団法人大阪府建築士事務所協会・公益社団法人日本建築家協会近畿支部・一般社団法人日本建築協会とともに主催し、毎年、実施しております。 担当/大阪市都市計画局開発調整部・開発誘導課担当:06-6208-7887
・・・1990~2003年度(平成2~15)の間に約60件を「大阪市都市環境アメニティ」表彰したということでした。とにかくその60件を探すことにしましたが、一筋縄ではいきませんでした。受賞年度や第?回が曖昧であったり、施工業者と製作者が入り乱れていたり、イライラがつのるばかり。もうあきらめようかと思った矢先、「風の万華鏡を次世代に残す会」によって新しいサイトが開設され、そのサイト内に「大阪市都市環境アメニティ表彰」モニュメント一覧が掲載されたのです。
《風の万華鏡大全》
https://windkaleidoscope.jp/index.html
アート・文化を次世代に残す為、よろしくお願い申し上げます。「風の万華鏡を次世代に残す会」2016年10月1日(風の万華鏡 竣工より25年目)
★2016.9.23「風の万華鏡を次世代に残す会」調べ
https://windkaleidoscope.jp/amenity.html#scroll01
1990年~2003年の間で60数点が受賞。「風の万華鏡」は、都会のスカイラインを柔らかくすることが高く評価され、1994年に受賞しました。風の万華鏡をはじめ、当時受賞した作品群を地図に記しました。この地図の情報は、各作品の受賞当時の情報です。「大阪市都市環境アメニティ表彰」は、建築物等に付属するモニュメントの表彰や、工事用仮設塀に描かれた絵画等を表彰する、として平成2年度に創設されました。本表彰は、平成15年度をもって終了となっています。現在では取り壊しなどもあって存在しない作品もあると思われますが、★文化芸術を次世代に残す為、せめて調べられた作品名と作家、場所、施主(管理者)を地図に記しています。(現状、どちらのWEBサイトでも本表彰に関する情報は、まとまって公開されていないようです)なお、現在の大阪の景観に関する表彰は、昭和56年から続く「大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)」のみが実施されています。
・・・とても丁寧に掲載されており、「文化芸術を次世代に残す為」という趣旨もまったく同感で、もはや自分で調べる必要はないことを確信したのでした。その後、「大阪市都市工学情報(1次情報)」を閲覧できることがわかりました。
★大阪市都市工学情報について
http://www.city.osaka.lg.jp/toshikeikaku/page/0000199551.html
このページでは、大阪市が平成24年度までに蓄積してきた都市工学に関する研究論文やまちづくりに関する報告書などの幅広い文献情報(都市工学情報)を提供しています。都市計画、都市政策、環境対策、市街地整備・住宅・土木・下水道・公園・港湾・交通・水道事業などの、幅広い文献の抄録(2次情報:抄録文または目次情報)をご覧になることができます。また、抄録を掲載している資料(1次情報:原本の複写情報)は、★大阪市立中央図書館で閲覧することができます。各論文の2次情報ページに記載されている整理番号と和文標題を、大阪市立中央図書館の3階相談カウンターにてお申し出ください。複写につきましては、大阪市立図書館資料複写規定に基づき、著作権法第31条に示された範囲内でコピーすることができます。
・・・この間、他の調べもので大阪市立中央図書館を利用することが多くあり、次の機会にでも、「1次情報」とやらを見てみようかと、あまり期待せずに考えていたのです。ところがどっこい、平成13年度までの表彰実績が掲載されていたのです。なんと、もっと早く見れば良かったと、うれしいやら情けないやら。実際には平成15年度まで表彰されていますので、「風の万華鏡大全」を参考にしつつ、次回より可能な限り全作品を紹介していきたいと思います。乞うご期待。