・・・芸術文化の薫りが乏しい大阪において、「新美術館」についての動きが活発化してきましたので、みなさんといっしょに情報を共有していきたいと思います。
《報道発表》2017.2.9大阪市
「(仮称)大阪新美術館」の公募型設計競技において最優秀案を決定しました
http://www.city.osaka.lg.jp/toshiseibi/page/0000364592.html
大阪市は、2021(平成33)年度中の開館をめざす「(仮称)大阪新美術館」について、公募型設計競技を実施し、このたび、最優秀案及び次点案を決定しましたので、お知らせします。
【選定結果】最優秀案の提案者:株式会社「遠藤克彦建築研究所」
最優秀案は、シンプルで存在感のある外観や、黒い直方体を切り欠くように立体的に配置され自然光が降り注ぐデザイン性の高いパッサージュ空間が、新しい美術館の独自性につながるとともに、建物周囲に巡らされたデッキや、道路に面して配置されたカフェ・レストランが、まちの回遊性や賑わいの向上に貢献するとして高く評価されました。
・・・先日、「enoco」に行ってきました。
《大阪府立江之子島文化芸術創造センター/enoco》
550-0006大阪市西区江之子島2-1-34/06-6441-8050
http://www.enokojima-art.jp/e/
アートやデザインなどの創造力で、大阪という都市を元気にすることを目指して2012年4月に開館。ギャラリーや多目的ルームのレンタル事業を行うほか、企画展や公演、セミナー・ワークショップなどの自主事業に加え、地方自治体やまちづくり団体の個別相談にも対応するなど、クリエイティブな発想とネットワークで都市や社会が抱える様々な課題の解決に取り組んでいます。
《大阪「新美術館」建設準備室》
553-0005大阪市福島区野田1-1-86中央卸売市場本場業務管理棟8階/06-6469-5186
http://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000009428.html
★報告会「『具体美術協会関係資料』の整理・公開・活用の現在と未来」開催
平成29年3月18日(土)13時30分~14時30分
於:江之子島文化芸術創造センター4階ルーム1
●(仮称)大阪新美術館アーカイブのめざすもの
菅谷富夫/大阪新美術館建設準備室長・研究主幹
●「具体美術協会関係資料」の整理と公開の状況、今後のスケジュールについて
高柳有紀子/大阪新美術館建設準備室主任学芸員
●映像上映/平成27・28年度にデジタル化を実施した「具体」の映像フィルムの中から、一部を上映(約90分)
・・・「具体美術」についての話が聞けるし、映像も観れるというので行ってきたわけですが、最も印象に残ったのが寄贈された膨大な資料をどのように整理すればよいのか、とても苦労されているということでした。★「アーキビスト」の存在の大きさについて語られていました。
《アーカイブ(archive)》
日本では一般的に書庫と訳されることが多いが、元来は公記録保管所、公文書、または公文書の保管所、履歴などを意味し、記録を保管しておく場所である。国立国語研究所による「外来語」言い換え提案では、アーカイブの言い換え語として「保存記録」や「記録保存館」が提案されている。
《アーカイブズ(archives)》
アーカイブの複数形としてアーカイブズがあり、文書保管を目的とした施設や仕組みを指す。なお、過去に放送された番組や関係資料の所蔵・閲覧を目的とした映像拠点として2003年に埼玉県川口市にオープンしたNHKアーカイブスの「アーカイブス」は、「アーカイブズ」では末尾に濁音が続き発音しにくいために、NHKによってつくられた造語。
《インターネット・アーカイブ(The Internet Archive)》
インターネットで公開されている情報をクローラを用いて収集・保管する団体としてインターネット・アーカイブがある。保存したウェブページは履歴と共に一般に公開されており、無料で利用できる。サイトが消滅していても、保存時点の状態を閲覧できる場合もある。1996年にブリュースター・ケールによって設立された。
《キュレーター(curator)》
英語の元の意味では、博物館(美術館含む)、図書館、公文書館のような資料蓄積型文化施設において、施設の収集する資料に関する鑑定や研究を行い、学術的専門知識をもって業務の管理監督を行う専門職、管理職を指す。(※curate―展覧会を組織すること)。日本語でも、ほぼ同じ意味で使われている。日本にキュレーターと言う語が入ってくる2000年代までは、学芸員と言う語が使われていたが、現在は学芸員とキュレーターが混在している。なお「学芸員」は一般的にはcuratorと訳される。
《アーキビスト(Archivist)》
永久保存価値のある情報を査定、収集、整理、保存、管理し、閲覧できるよう整える専門職を指す。アーキビストの扱う情報は、写真、ビデオ、録音、手紙、書類、電磁的記録など様々な形式を取る。アリゾナ州立図書館デジタル行政資料部長のリチャード・ピアスモーゼスの言葉を借りるなら、アーキビストとは「確実な過去の記憶として永続的な価値を持つ記録」を保存し、「その記録の山の中から、その人が必要としている情報をみつけ、その情報を理解する手助け」をする者である。日本では日本語の訳語が定着していないことからも察せられるように、認知度が低い専門職であるが、例えば日本の図書館において書籍、雑誌のみならず、歴史資料の古文書、古写真、行政資料などの非定型の記録類も、司書が(必ずしもこれらの扱いの専門教育を受けてはいないにもかかわらず)保存管理を担うことが多い。あるいは図書館ではなく博物館において学芸員が非記録性の資料類と同様に管理を行うことも常態である。しかし、すべての欧米諸国や少なからぬ非欧米諸国では、これらは司書(ライブラリアン)や、日本の学芸員に相当するとされるキュレーターの担当分野ではなく、アーキビストの担当分野とされる。
・・・「インターネット・アーカイブ」公式サイトに、「その使命」について次のように記されている。
★大抵の社会は、その「文化、歴史遺産の保存」を重視している。そのような資料が無ければ、文明はその成功または失敗から「学ぶための」手段も記憶も持てない。我等の文化は、現在「電子形態での資料」を大量に生産している。アーカイブの使命は、これらの電子資料の保存を支援し、研究者・歴史家・学界のためのインターネットライブラリを構築することにある。アーカイブはアメリカ議会図書館やスミソニアン博物館などの他機関との恊働も行う。★
・・・人類の知識と遺産を保存してそのコレクションを公開するというその目標から、★「アレクサンドリア図書館」に例えられることもある。
《参考1》「アレクサンドリア図書館」
紀元前300年頃、プトレマイオス朝のファラオ、プトレマイオス1世によってエジプトのアレクサンドリアに建てられた図書館。世界中の文献を収集することを目的として建設され、古代最大にして最高の図書館とも、最古の学術の殿堂とも言われている。図書館は多くの思想家や作家の著作、学術書を所蔵した。綴じ本が一般的でなかった当時、所蔵文献はパピルスの巻物であり、蔵書は巻子本にしておよそ70万巻にものぼったとされる。アルキメデスやエウクレイデスら世界各地から優秀な学者が集まった一大学術機関でもある。薬草園が併設されていた。
《参考2》「新アレクサンドリア図書館」
古代アレクサンドリアに古代最大かつ最高の学術機関として栄え、その後、戦火と略奪によって失われたアレクサンドリア図書館を甦らせ、古代の学問と博識の中心地としての輝きを取り戻そうと、ユネスコとエジプト政府が共同で建設した巨大な図書館兼文化センターである。古代アレクサンドリア図書館の喪失から1500年以上経った2001年8月1日、アレクサンドリア市北部のかつて図書館があったとされる場所に再建された。コンピュータネットワークも駆使し、エジプトやアラブなど地中海諸国の文化文物に関する文献を収集する方針である。歴史上のアレクサンドリア図書館の最盛期より少ない蔵書数40万冊からの出発だが、最終的には800万冊の大図書館を目指しているという。図書館の建物は11階建てで、総面積約8万5000平方mの巨大な建築構造。建造費は約2億ドルを費やした。そのユニークな意匠は1989年にエジプトが開催した図書館設計のコンペでノルウェーの設計事務所スノヘッタが数百もの候補の中から勝ち取ったもので、直径160メートルの斜めに切り取られた巨大な円柱が地面に埋もれているという特異な形状をしている。蔵書の大部分は地下の書庫に収められる。
★アレクサンドリア図書館『ビブリオシカ・アレクサンドリナ』がめざすのは、
知の創造と普及を担う優れた中心的存在になること、人と文化を結ぶ対話と相互理解の場となること。
アレクサンドリア図書館は、国際的な規模を備えたエジプトの大図書館が果たすべき独自の役割として、主に4つの目標に重点を置いていきます。それは古代のアレクサンドリア図書館の魂を再び取り戻すためのものなのです。
・世界がエジプトを知る窓になること
・エジプトが世界を知る窓になること
・デジタル時代をリードする研究機関になること
・教育、寛容、対話、相互理解の中心になること
・・・スゴイです、とにかく一度サイトをご覧ください。