22歳(1) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・もとより、今日(1.17)という日はそのつもりでしたが、いろいろな情報があって、たくさんの想いを背負って、朝、出かけました。

 

 

・・・最初に聴こえてきたのが「息子が亡くなった年齢よりも、亡くなってからの年月の方が長くなりました。」というような声でした。「22歳」の意味をこんなに深く噛み締めたことは、今までありませんでした。

 

《NEWS》2017.1.17神戸新聞NEXTより

震災の教訓、次世代へ伝えたい/神戸大で追悼式典

 神戸大は17日阪神・淡路大震災で亡くなった学生らの追悼式典を六甲台第一キャンパス(神戸市灘区)と深江キャンパス(同市東灘区)で行った。六甲台では、当時2年の長男貴光さん=当時(21)を失った加藤りつこさん(68)=広島市=が、交流する広島県福山市の女子高校生を連れて献花。震災を知らない世代に思いを伝えた。震災で、神戸大の学生39人と職員2人、神戸商船大(現神戸大海事科学部)の学生5人と研究員1人が犠牲になった。六甲台では遺族や教職員ら約150人が参列。加藤さんは、亡き貴光さんに「ありがとう」と語り掛けた。講演や東北の被災地での支援活動などで、さまざまな出会いに恵まれた。福山市の盈進(えいしん)高校3年松田殊里さん(17)もその1人。加藤さんの講演に感銘を受けて親交が深まり、この日の同行を申し出た。「若い世代が語り継ごうとしてくれている。これまでと違い、前を向ける1・17になった」と加藤さん。深江では約50人が参列。小田啓二副学長(61)は「どんな災害が起こるか分からない。先輩から受け継がれた、周りを助ける気持ちを在学生は持ってほしい」と話した。

神戸・三宮の東遊園地で17日に開かれた追悼行事「阪神淡路大震災1・17のつどい」には、同日午後9時までに約4万4千人が訪れた。過去19回中、5番目に少ない人数だった。つどいは1999年から毎年開催。神戸市によると、過去最多は2015年の約10万1千人で、最少は02年の約3万人だった。一方、同市が市内26カ所に設けた記帳所では1万140人が記帳。うち東遊園地では9226人が記帳した。

 

・・・「神戸大学」には、またの機会に訪問したいと思っています。さて、「鷹取教会」ウクレレを制作された伊達伸明さんの本を入手しましたが、そのウクレレは掲載されていませんでした。

 

 

《伊達伸明「建築物ウクレレ化保存計画」出版:青幻舎2004/12/1》

ウクレレという形を選んだのは、何といってもその小ささ。邪魔にならないしかわいいし、仮に現場から3寸角の柱1本しか手に入らなくても作ることのできるサイズの楽器だからである。また、演奏経験のない方が持主になることも多いため、さほど特殊な練習をしなくても気軽に弾けるという親しみやすさも理由の一つだ。材料は直接家の方の話をうかがいながら選ぶようにしている。解体前の最後の様子を写真に撮った後たいていはその日のうちに切り出して持ち帰る。実際の作業で最大の難関は側板の曲げ加工である。板状に切り出した材料の表面を2mm程度に薄くしてから曲げるのだが、塗料や落書きなどが残った表面を傷めないように水と熱で曲げていくのはなかなか神経を使う。思い出とは関係のない傷を新たにつけてはいけないし、もちろん割ってしまったりしては取り返しがつかない。代わりの材料を手に入れようにも家はもうないからである。順調に進めば1ヵ月ぐらいで出来上がる。しかししかし引越しや仮住まい生活で落ち着かない時期を避けて、新居が完成した頃にもう一度お宅を訪問して直接手渡す。楽器は器である。演奏家、作曲家、所有者たちのさまざまな思いがそこには満ちていて、時に流れ出して音となる。そしてそのあふれる思いの大きさに人は共鳴する。建物もまた、人々の生活や営みを容れて守ってきた器である。「建築物ウクレレ化」とはつまりその器の形を少しだけ変えるという作業にすぎない。盛りだくさんの思い出は楽器を彩るのにふさわしく、さらに新たなキズが出来たりすりへったりすればそれも新しい生活の出来事として器の音をふくらませてくれるだろう。

だからやはり自分の家のウクレレの音が一番いい音なのだと思う。(伊達伸明)

【伊達伸明(だてのぶあき)】

美術家。1964年生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工専攻修了。取り壊される建物の部材の一部を用いてウクレレを制作し、肌感覚から建物を保存しようとする「建築物ウクレレ化保存計画」主宰。2000年から現在まで寺院、学校、一般住宅など65件をウクレレ化し、各地で展示してきた。そのほか、プロジェクト「亜炭香古学」(仙台市市民文化事業団/2012年~)、「豊中市立市民会館 おみおくり展」(豊中市立市民ギャラリー/2014年)、「待兼山少年」(大阪大学総合学術博物館/2015年)など、活動は多岐にわたる。

 

 

・・・ですから、まず「鷹取教会」に行きたいと思います。もう一つの理由は、建築家「坂茂」さんです。先日、「メビック扇町」での展覧会です。

 

《my home town わたしのマチオモイ帖「おもいを届ける冬」》

2016年12月9日(金)~2017年1月29日(日)

http://www.mebic.com/

★避難所用間仕切り資材『PPS4(Paper Partition System 4)』再利用の経緯

世界的な建築家★坂茂氏が考案した避難所用間仕切りシステムは、紙管と布で誰でも簡単に組み立てられるもので、カーテン布の開閉により避難所でもプライバシーを確保することができます。2011年の東日本大震災では、50ヶ所の避難所に1800ユニット(1ユニット=2m x 2m)の間仕切りシステムを坂氏が提供。本年の熊本地震発生時も提供されましたが、その後、避難所から仮設住宅に移り住む人が増えたことで、一定の役目を終えた紙管と布をリユースする話が浮上しました。熊本県の有志やデザイナーたちがプロジェクトチームを発足、先駆けとして、布をリユースした「のれん」を仮設住宅に贈る「PPS4+ NORENproject」がスタート。日本各地でのれんの作り手を募集し、メッセージと共に熊本に送り返してもらうもので、現在、300を超える作り手が集まっています。機を同じくして、紙管の再利用法も模索されていたところ、今回のマチオモイ帖展覧会の会場設営に活かされることになりました。マチオモイ帖は、東日本大震災を機に「自分の足元にある町を見直してみよう」とスタートした展覧会です。今回は、熊本・大分の被災地をはじめ、一人ひとりが大切に想うマチやひとに「おもいを届ける」はじめの一歩になる展覧会にしたいと考えています。

 

 

・・・「鷹取教会」も坂さんの建築なのです。

 

《NEWS》2014.3.26Christian Todayより

「紙の教会」「紙のカテドラル」建築設計者の坂茂氏、プリツカー賞を受賞

大地震で被災した教会に代えて「紙の教会」「紙のカテドラル」など数多くの優れた建築物を設計したことなどで知られる建築家の坂茂氏(56)が、建築のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した。同賞を主宰する米国シカゴのハイアット財団が24日(日本時間25日)に発表した。坂氏は、1995年1月の阪神淡路大震災で焼失したカトリック鷹取教会(現在再建中のカトリックたかとり教会)のために紙の建築によるコミュニティホール「紙の教会」を設計したほか、2011年2月のカンタベリー地震で街の象徴であったニュージーランドのクライストチャーチ大聖堂が深刻な被害を受けたのを受けて仮設の「紙のカテドラル」を設計した。この賞は、建築した作品が才能と展望・責務という資質を持ち合わせていることを表し、それが建築の才能を通じて人類と建築環境に継続的かつ重大な貢献をもたらした、生存している建築家の栄誉をたたえることを目的としたもので、世界的に展開しているホテル・ハイアットを経営するプリツカー家の故ジェイ・A・プリツカー氏(1922~1999)が妻のシンディとともに設立した。ハイアット財団は坂氏について、「東京とパリ、ニューヨークに建築事務所を構える坂氏は、建築の分野では類まれである。彼は優雅で革新的な作品を個人客のために設計し、同じ発明的で工夫に富んだ設計法を自らの膨大な人道活動に用いている。20年にわたって坂氏は世界中の自然災害や人災の現場へ旅をし、地元の市民やボランティア、学生とともに働き、簡素で威厳があり低費用で回収可能な避難所や地域社会の建築物を被災者たちのために設計し建造した」と述べている。プリツカー賞の審査委員長を務めた英国のピーター・パルンボ卿は、「坂茂氏は自然の力であり、それは自然災害によって滅ぼされた地域でホームレスや財産を失った人たちのための彼の自発的な働きに照らせば全く適切だ。しかし彼は建築のパンテオンに対する資格のチェック項目をいくつも満たしている。ほんのいくつかを挙げるならば、最新鋭の素材と技術をとりわけ強調した彼の主題についての深い知識、全般的な好奇心と責任感、終わりなき革新、狂いのない目、鋭い感受性などだ」と述べた。「紙の教会」は2005に取り壊されたが、1999年に台湾中部で発生した台湾大地震の被災地埔里へと2006年に移築され、「紙教堂」として人々に親しまれているという。この「紙の教会」を基にして造られた「紙のカテドラル」は、坂氏によると、「現地で調達可能な紙管とコンテナーを用いて三角形の断面を形成する。オリジナルの大聖堂の平面と立面のジオメトリーを受け継ぎ、同じ長さの紙管の角度を徐々に変化させている。700人収容可能で、教会としての機能の他に、多くのイベントやコンサートとしての使用も視野に入れている」という。なお、授賞式は2014年6月13日にオランダのアムステルダム国立美術館で行われる。

 

 

・・・「たかとり教会」に到着しました、静かです。