【當麻寺】
639-0276奈良県葛城市當麻1263
中之坊 http://www.taimadera.org/ 0745-48-2001
西南院 http://taimadera-sainain.or.jp/ 0745-48-2202
奥院 http://www.taimadera.or.jp/ 0745-48-2008
法号は「禅林寺」。山号は「二上山」。創建時の本尊は弥勒仏(金堂)であるが、現在信仰の中心となっているのは当麻曼荼羅(本堂)である。宗派は高野山真言宗と浄土宗の並立となっている。開基(創立者)は聖徳太子の異母弟・麻呂古王とされるが、草創については不明な点が多い。西方極楽浄土の様子を表した★「當麻曼荼羅」の信仰と、曼荼羅にまつわる中将姫伝説で知られる古寺である。毎年5月14日に行われる練供養会式には多くの見物人が集まるが、この行事も当麻曼荼羅と中将姫にかかわるものである。奈良時代~平安時代初期建立の2基の三重塔(東塔・西塔)があり、近世以前建立の東西両塔が残る日本唯一の寺としても知られる。
《中将姫》
今は昔、藤原鎌足の曽孫である藤原豊成には美しい姫があった。後に中将姫と呼ばれるようになる、この美しく聡明な姫は、幼い時に実の母を亡くし、意地悪な継母に育てられた。中将姫はこの継母から執拗ないじめを受け、ついには無実の罪で殺されかける。ところが、姫の殺害を命じられていた藤原豊成家の従者は、極楽往生を願い一心に読経する姫の姿を見て、どうしても刀を振り下ろすことができず、姫を「ひばり山」というところに置き去りにしてきた。その後、改心した父・豊成と再会した中将姫はいったんは都に戻るものの、やがて當麻寺で出家し、ひたすら極楽往生を願うのであった。姫が五色の蓮糸を用い、一夜にして織り上げたのが、名高い「当麻曼荼羅」である。姫が蓮の茎から取った糸を井戸に浸すと、たちまち五色に染め上がった。當麻寺の近くの石光寺に残る「染の井」がその井戸である。姫が29歳の時、生身の阿弥陀仏と二十五菩薩が現れ、姫は西方極楽浄土へと旅立ったのであった。
この話はよほど人気があったようで、世阿弥★近松門左衛門らによって脚色され、謡曲、浄瑠璃、歌舞伎の題材ともなった。
《中之坊》
真言宗の子院。中将姫剃髪の地と伝承され、中将姫の仏法の師である実雅の開基というが、開創の詳しい事情は不明である。書院(重要文化財)と庭園(史跡・名勝)で知られる。
●書院/江戸時代初期建立の書院造。南西の「御幸の間」(後西天皇が行幸したと伝える)が主室で、他に北西に「鷺の間」、北東に「鶴の間」、南東に2室の★「侍者の間」がある。「侍者の間」の南は西が4畳半、東が6畳の茶室である。4畳半の茶室は北側に大きな丸窓を設けることから「丸窓席」と呼ばれる。「御幸の間」と「鷺の間」の障壁画は曽我二直菴の筆。
●庭園(香藕園)/築地塀で内庭と外庭に分かれ、内庭は當麻寺の東西両塔を借景とした池泉回遊式庭園。外庭は山の斜面に造園されている。★片桐石州の作庭と伝える。竹林院群芳園、慈光院庭園と並んで大和三庭園のひとつに数えられている。當麻寺内では他に護念院と西南院に江戸期作庭の庭園がある。
《参考》「うましうるわし奈良」JR東海キャンペーン
http://nara.jr-central.co.jp/campaign/taimadera/
古来、大和の人々は二上山の向こうに極楽浄土を幻視してきた。その極楽への入り口、當麻寺。「なも、阿弥陀ほとけ。あなたふと、阿弥陀ほとけ」二上山に来迎した阿弥陀仏を見て、蓮の糸で「當麻曼荼羅」を織ったという中将姫の伝説。そこから導かれる不思議な伽藍配置と、奇跡的に残された名宝の数々。多くの謎と魅力に導かれて、當麻寺の1300年に逢いに行く。
★葛城発信アートFAIR2016「目覚めよ!葛城ART遺伝子!」★
2016年9月28日(水)~2016年10月2日(日)
http://www.saikonokandou.com/2016/06/1028/
葛城発信アートFAIR2016は、葛城市の文化遺産・展示施設に一般公募の芸術作品を展示し、葛城市を美術館化する市民主導の斬新なアートイベントです。葛城市の歴史遺産・文化遺産に、葛城市を舞台にしたさまざまなアート作品が展示される意義を尊重し、世代を超えて新たなアートの魅力を共感出来る会場になるよう、“歴史ある葛城をアートで飾る”という趣旨に賛同する作品を広く募集します。また、特別企画作品として、★平山郁夫作品と★森村泰昌作品を展示します。
・・・このコンセプトに賛同するとともに、もとより羽曳野市から葛城市へとつながる「竹内街道」が敷設されて1400年もの歴史を刻んできたことを思えば、ぜひとも出品参加するべきだと考えました。つい先日も「主題派大作展」に出品した作品は、芭蕉★俳句に触発され制作したものであり、制作を裏付ける意味から「伊賀市」、そして竹内集落にある「綿弓塚」を訪れたばかりでもありました。この流れを、さらに継続発展させていきたいと思います。
応募する作品は★「當麻寺」に展示することを前提として選定しました。ギャラリー香(道頓堀)で、すでに展示発表した「GRAY」という作品です。応募にあたって、次のように書かせていただきました。
★作品コンセプト:「墨」「禅」「茶」などをイメージの源泉として、現代風にアレンジ、心は「和」です。タイトル「GRAY」は、「一休禅師」にあやかり「禅問答(トンチ)」謎解きです。
★特記事項:茶室での展示を想定しています。茶碗と同様に、「作品箱」も大切な要素ですが、展示の関係で無理な場合は「本体」のみを展示していただいても結構です。「作品箱」は、床置き・壁掛けどちらでもOKです。会場にあわせて考えていただければと思います。
★展示希望会場(第一希望): G.中之坊茶室双塔庵五畳台目席
展示希望会場(第二希望): F.中之坊書院侍者の間
展示希望会場(第三希望): H.中之坊霊宝館
展示希望会場(第四希望): D.西南院書院和室
展示希望会場(第五希望): E.護念院本堂
・・・結果、第一希望はかないませんでしたが、第二希望「中之坊書院侍者の間」に展示させていただくことになりました。