・・・東大阪市ですから、やっぱり「司馬遼太郎記念館」へ。
◆【司馬遼太郎記念館】◆
577-0803東大阪市下小阪3-11-18/06-6726-3860
司馬遼太郎記念館は2001年11月、東大阪市の住宅街の一画に開館しました。司馬遼太郎の自宅と隣接地に建つ安藤忠雄さん設計のコンクリート打ちっ放しの建物で構成されています。地下1階、地上2階、ゆるやかな曲線を描くシンプルな構造で、雑木林風の庭の小径から窓越しに、司馬遼太郎の書斎を間近に見ることができます。この記念館は「見る」、というより「感じる」「考える」記念館という位置づけです。その代表が★安藤さん設計の新設部分に展開する、高さ11メートル3層吹き抜けの大書架です。約2万冊の蔵書の世界が広がり、まさに、司馬遼太郎の精神を感じることのできる空間です。安藤忠雄さんは、「蔵書で囲われて、闇に包み込まれたような、かすかな光の空間のイメージ」(記念館図録より)をもとに、周辺の環境とも調和するようこの記念館を設計されました。2010年春に、新しく加わった庭も安藤さんの設計です。
・・・途中、こんなおもしろい家がありました。
・・・案内表示もバッチリです。
・・・「司馬遼太郎」の表札、いいですねえ。
●司馬遼太郎の軌跡2『竜馬がゆく』~『坂の上の雲』『花神』
2016年4月19日(火)~10月30日(日)
今回の企画展は、昨年から2017年にかけて行う「司馬遼太郎の軌跡」展の第2回目になります。『竜馬がゆく』の連載を開始した1962(昭和37)年から、『坂の上の雲』を連載中、『花神』の連載を終える71年までの10年間に焦点をあてます。この時期の司馬遼太郎の執筆量はとても多く、複数の新聞、月刊誌、週刊誌に同時連載していました。企画展では、この10年の長編・短編小説の執筆状況や出版した書籍、対談、エッセイの数などが分かる年表を作成。この間に出版された作品の「ミニチュア本」を発行年ごとに展示し、執筆量をイメージ化しました。自筆原稿や初出誌、挿し絵、司馬遼太郎が所蔵していた新聞スクラップ、参考にした地図などの展示と合わせて、司馬遼太郎の壮年期の創作状況をふりかえります。
・・・このお庭でゆっくりさせていただき、たくさんの蚊に刺されたことが今でも忘れられません。
★司馬遼太郎「街道をゆく」公式ページ/朝日新聞出版
http://publications.asahi.com/kaidou/
「もしも後に、私の仕事で残るものがあるとするならば、それは『街道をゆく』かも知れない。」作家・司馬遼太郎は生前、そう語ったことがあったという。「街道をゆく」は、1971年から1996年まで『週刊朝日』に連載された紀行シリーズ。25年の連載期間は作家生活の3分の2の年月を占める。訪ね歩いた街道は72。「日本人とは何か」「国家、文明、民族とは何か」という作家・司馬遼太郎の思索、我々が歩んできた道はどういう道で、その道がどこへ向かおうとしているのかを考える。「街道をゆく」は作家・司馬遼太郎が96年2月急逝するまで25年間1147回わたって週刊誌上に連載を続けた壮大な思索紀行文学である。「日本民族はどこから来たのだろう・・・。司馬遼太郎の25年の壮大な思索紀行「街道をゆく」は、この問いから始まった。
・・・この圧倒される本棚、まさしく「司馬遼太郎」さんを象徴した素晴らしい表現(設計)だと思います。
http://publications.asahi.com/kaidou/01/index.shtml
《湖西のみち》
『街道をゆく』の旅で司馬遼太郎が最初に訪れたのは「楽浪の志賀」と呼ばれた湖西であった。日本人の祖形を求める司馬さんは、車で湖西のみちを北上しながら、「楽浪」は朝鮮半島(新羅)の楽浪と関係があるのか、繋がりの痕跡をさがす。古い漁港の北小松は「高麗津」、近江最古の神社である白鬚神社は「新羅神社」ではないか。安曇川町の集落では、水辺を好んで居住してきた安曇族に思いをはせる。朽木谷へ入ると、この長大な渓谷を退却した織田信長の凄みに心を奪われた。信長を助けた松永弾正と朽木元綱にも話は及ぶ。朽木氏の館があった野尻、さらに市場という集落を抜け、岩瀬の曹洞宗興聖寺、境内に残る足利義晴の庭園跡を再訪した司馬さんは、かつて見た情景を語る。
《竹内街道★葛城みち》
古代の倭王権についての興味を胸に、若き日本語学者、ロジャ・メイチン君を道連れにして石上神宮を訪れた。うっそうとした「布留の森」を歩き、崇神天皇の時代に思いを馳せる。次に、山辺道に沿って南下して大神神社でも森を歩き、その御神体である三輪山と古代王権について考えた。大阪への帰り道は、そこから奈良盆地を横断し竹内峠を越えることにした。叔父のことなどを思い出しながら、司馬さんの母方の★実家があった「竹内集落」を抜けたところで車が故障し、止まってしまう。筆はそこで留められている。